市場見通し
◆豪ドル、引き続きイラン情勢が焦点
◆豪ドル、米国離れによるドル売りには注意
◆ZAR、IMFは南アの成長率予想を大幅に引き下げ
予想レンジ
豪ドル円 112.50-116.00円
南ア・ランド円 9.45-9.85円
4月20日週の展望
豪ドルは、引き続き米国とイランを巡る動向をにらみつつ方向感を探る展開が想定される。足元では株式市場を中心に、両国の和平交渉進展への期待がやや過度に織り込まれつつあり、楽観的なバイアスの高まりには警戒が必要だろう。
イラン側にとっては、昨年および本年2月においても交渉継続中に軍事行動が発生した経緯があり、米政権に対する不信感は依然として根強いとみられる。また、トランプ政権の交渉スタンスは理念よりもディールを優先する傾向が強く、問題解決を取引的に捉える姿勢が交渉の不確実性を高めている側面も否定できない。こうした点を踏まえると、足元で観測されてきた「交渉期待」と「軍事的緊張の再燃」が交錯する不安定な市場環境は、当面継続する公算が大きい。
これまでの市場の反応としては、地政学リスクの高まりが原油価格の上昇や株価の下落、米金利の上昇を通じてリスク回避的な豪ドル売りを誘発する構図が基本であった。ただし、足元では米国の対外協調姿勢の変化や、国内における政権支持率の低下を背景に、「米国離れ」を意識したドル売り圧力が強まる可能性にも留意が必要である。とりわけ、政治・社会的な分断の深まりが意識される局面では、従来のリスクオフ時のドル買いという構図が揺らぐ局面も想定される。
このような環境下、豪ドルは相対的に地政学リスクから距離がある通貨としての側面が意識され、局面によってはディフェンシブな資金流入を受ける可能性もある。
なお、豪州国内では来週は重要経済指標の発表は予定されておらず、次の焦点は29日に公表予定の月次CPIおよび1-3月期CPIとなる。一方、ニュージーランドでは20日に3月貿易収支、21日にNZIER企業景況感調査および1-3月期CPIが発表予定。ただ、3月時点では中東情勢の影響が物価指標に十分反映されていない可能性が高く、結果の解釈には一定の留意が必要だろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は方向感が欠けるものの、上値は限定的となりそうだ。今週行われた国際通貨基金(IMF)の会合では、南アの2026年経済成長率見通しが従来の1.4%から1.0%へと下方修正された。この下げ幅は中東以外で直接的な戦禍に晒されていない国としては異例の大きさであり、外部環境の悪化が国内経済に与える影響の大きさを示唆している。なお、来週は22日に3月CPIが発表される。今後のインフレ高進が懸念されるが、南アのエネルギー基準価格の本格的な上昇は4月からのため、3月CPIにどの程度影響が及んでいるかは不透明だ。
4月13日週の回顧
豪ドルは堅調。ナスダック指数などが過去最高値を更新するなど、堅調な株式市場の動きがリスク選好に敏感な豪ドル買いを促した。対ドルでは2023年2月以来となる0.72ドル手前まで上昇、対円では1990年以来となる114円前半まで上げ幅を広げた。
ZARはレンジ取引になった。週明けは米・イランの和平交渉がまとまらなかったことを受けて、貴金属価格の下落とともにZARが売られる場面もあったが、下押しも一時的だった。(了)
(執筆:4月17日、9:00)
(越後)
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◆豪ドル、米国離れによるドル売りには注意
◆ZAR、IMFは南アの成長率予想を大幅に引き下げ
予想レンジ
豪ドル円 112.50-116.00円
南ア・ランド円 9.45-9.85円
4月20日週の展望
豪ドルは、引き続き米国とイランを巡る動向をにらみつつ方向感を探る展開が想定される。足元では株式市場を中心に、両国の和平交渉進展への期待がやや過度に織り込まれつつあり、楽観的なバイアスの高まりには警戒が必要だろう。
イラン側にとっては、昨年および本年2月においても交渉継続中に軍事行動が発生した経緯があり、米政権に対する不信感は依然として根強いとみられる。また、トランプ政権の交渉スタンスは理念よりもディールを優先する傾向が強く、問題解決を取引的に捉える姿勢が交渉の不確実性を高めている側面も否定できない。こうした点を踏まえると、足元で観測されてきた「交渉期待」と「軍事的緊張の再燃」が交錯する不安定な市場環境は、当面継続する公算が大きい。
これまでの市場の反応としては、地政学リスクの高まりが原油価格の上昇や株価の下落、米金利の上昇を通じてリスク回避的な豪ドル売りを誘発する構図が基本であった。ただし、足元では米国の対外協調姿勢の変化や、国内における政権支持率の低下を背景に、「米国離れ」を意識したドル売り圧力が強まる可能性にも留意が必要である。とりわけ、政治・社会的な分断の深まりが意識される局面では、従来のリスクオフ時のドル買いという構図が揺らぐ局面も想定される。
このような環境下、豪ドルは相対的に地政学リスクから距離がある通貨としての側面が意識され、局面によってはディフェンシブな資金流入を受ける可能性もある。
なお、豪州国内では来週は重要経済指標の発表は予定されておらず、次の焦点は29日に公表予定の月次CPIおよび1-3月期CPIとなる。一方、ニュージーランドでは20日に3月貿易収支、21日にNZIER企業景況感調査および1-3月期CPIが発表予定。ただ、3月時点では中東情勢の影響が物価指標に十分反映されていない可能性が高く、結果の解釈には一定の留意が必要だろう。
南アフリカ・ランド(ZAR)は方向感が欠けるものの、上値は限定的となりそうだ。今週行われた国際通貨基金(IMF)の会合では、南アの2026年経済成長率見通しが従来の1.4%から1.0%へと下方修正された。この下げ幅は中東以外で直接的な戦禍に晒されていない国としては異例の大きさであり、外部環境の悪化が国内経済に与える影響の大きさを示唆している。なお、来週は22日に3月CPIが発表される。今後のインフレ高進が懸念されるが、南アのエネルギー基準価格の本格的な上昇は4月からのため、3月CPIにどの程度影響が及んでいるかは不透明だ。
4月13日週の回顧
豪ドルは堅調。ナスダック指数などが過去最高値を更新するなど、堅調な株式市場の動きがリスク選好に敏感な豪ドル買いを促した。対ドルでは2023年2月以来となる0.72ドル手前まで上昇、対円では1990年以来となる114円前半まで上げ幅を広げた。
ZARはレンジ取引になった。週明けは米・イランの和平交渉がまとまらなかったことを受けて、貴金属価格の下落とともにZARが売られる場面もあったが、下押しも一時的だった。(了)
(執筆:4月17日、9:00)
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DZH Finacial Research
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