市場見通し
◆ポンド、7日の英地方選挙に注目
◆ベイリー英中銀総裁、市場の年内2回利上げ織り込みを否定せず
◆加ドル、週末の雇用統計で労働市場の動向を確認
予想レンジ
ポンド円 210.00-216.00円
加ドル円 113.50-117.50円
5月4日週の展望
今週にイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策イベントを通過し、来週のポンドは7日に予定されている英国の地方選挙が注目される。英国では現在、政財界を揺るがす性的人身売買問題の首謀者であった米富豪エプスタイン氏と親交があったマンデルソン駐米大使の任命責任を巡って、スターマー首相が窮地に陥っている。7日の統一地方選挙では与党・労働党の大敗が予想されており、選挙戦の敗北を受けて首相降ろしが本格化する可能性がある。市場では労働党が優勢を維持してきた首都ロンドンで大敗と「50年で最悪」の敗北になることも警戒している。政治リスクの高まりはポンドに売り圧力を強めることになりそうだ。
スターマー首相が辞任に追い込まれた場合、後継首相候補としては、党内左派の中心人物であるレイナー元副首相、党内外で絶大な人気を誇るバーナム・マンチェスター市長、若手改革派のストリーティング保健相、スターマー氏に近いマフムード内相などの名前が挙がっている。どの候補が首相に就任した場合も党勢の立て直しが急務であり、支持率回復に向けて厳しい財政規律の見直しや家計のエネルギー負担の軽減措置強化などの方針に踏み切るしかなく、財政悪化懸念が広がる恐れがある。
なお、BOEは今週、市場予想通りに8対1で政策金利の据え置きを決定した。ベイリーBOE総裁は利上げの是非について「難しい判断を迫られる」とし、「確定的な証拠を待つのでは遅すぎる」との認識を示した。また、「市場が年内少なくとも2回の利上げを織り込んでいることについて否定するつもりはない」としながらも、これは「利上げへのメッセージではない」と述べた。BOEは中東情勢で不確実性が高まっていることを警戒し、先回りすることも後手に回ることもないように政策を進めようとしている。
加ドルは外的ショックに振り回される相場が続いているが、今週にカナダ中銀(BOC)の金融政策イベントを通過し、来週は週末の4月雇用統計で労働市場の動向を確認することになる。3月の雇用統計は、就業者数は1.41万人増と前月の8.39万人減からプラスに転じ、失業率は横ばいの6.7%となった。就業者数の増加は今年初めてとなったが、プラス幅は小幅にとどまった。今のところ景気後退を免れているものの、貿易依存度の高い産業では人員削減が相次ぎ、雇用は抑制された状況が続くとの見方が強い。BOCは今週に政策金利の据え置きを決定したが、「原油価格の高止まりでインフレ押し上げ圧力が強まれば、連続利上げで対応する必要が生じる可能性がある」との見解が示された。
4月27日週の回顧
対ドルでは、中東紛争の不透明感で「有事のドル買い」が強かったものの、週末にかけては米長期金利の低下につれて、ポンドドルは1.36ドル台まで上昇したほか、ドル/加ドルは1.35加ドル台後半まで値を下げた。対円では日本当局が円買い介入を実施したことを受けて、ポンド円は210円半ば、加ドル円は114円割れまで一時急落した。(了)
(執筆:5月1日、9:30)
Provided by
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
一覧へ戻る
◆ベイリー英中銀総裁、市場の年内2回利上げ織り込みを否定せず
◆加ドル、週末の雇用統計で労働市場の動向を確認
予想レンジ
ポンド円 210.00-216.00円
加ドル円 113.50-117.50円
5月4日週の展望
今週にイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策イベントを通過し、来週のポンドは7日に予定されている英国の地方選挙が注目される。英国では現在、政財界を揺るがす性的人身売買問題の首謀者であった米富豪エプスタイン氏と親交があったマンデルソン駐米大使の任命責任を巡って、スターマー首相が窮地に陥っている。7日の統一地方選挙では与党・労働党の大敗が予想されており、選挙戦の敗北を受けて首相降ろしが本格化する可能性がある。市場では労働党が優勢を維持してきた首都ロンドンで大敗と「50年で最悪」の敗北になることも警戒している。政治リスクの高まりはポンドに売り圧力を強めることになりそうだ。
スターマー首相が辞任に追い込まれた場合、後継首相候補としては、党内左派の中心人物であるレイナー元副首相、党内外で絶大な人気を誇るバーナム・マンチェスター市長、若手改革派のストリーティング保健相、スターマー氏に近いマフムード内相などの名前が挙がっている。どの候補が首相に就任した場合も党勢の立て直しが急務であり、支持率回復に向けて厳しい財政規律の見直しや家計のエネルギー負担の軽減措置強化などの方針に踏み切るしかなく、財政悪化懸念が広がる恐れがある。
なお、BOEは今週、市場予想通りに8対1で政策金利の据え置きを決定した。ベイリーBOE総裁は利上げの是非について「難しい判断を迫られる」とし、「確定的な証拠を待つのでは遅すぎる」との認識を示した。また、「市場が年内少なくとも2回の利上げを織り込んでいることについて否定するつもりはない」としながらも、これは「利上げへのメッセージではない」と述べた。BOEは中東情勢で不確実性が高まっていることを警戒し、先回りすることも後手に回ることもないように政策を進めようとしている。
加ドルは外的ショックに振り回される相場が続いているが、今週にカナダ中銀(BOC)の金融政策イベントを通過し、来週は週末の4月雇用統計で労働市場の動向を確認することになる。3月の雇用統計は、就業者数は1.41万人増と前月の8.39万人減からプラスに転じ、失業率は横ばいの6.7%となった。就業者数の増加は今年初めてとなったが、プラス幅は小幅にとどまった。今のところ景気後退を免れているものの、貿易依存度の高い産業では人員削減が相次ぎ、雇用は抑制された状況が続くとの見方が強い。BOCは今週に政策金利の据え置きを決定したが、「原油価格の高止まりでインフレ押し上げ圧力が強まれば、連続利上げで対応する必要が生じる可能性がある」との見解が示された。
4月27日週の回顧
対ドルでは、中東紛争の不透明感で「有事のドル買い」が強かったものの、週末にかけては米長期金利の低下につれて、ポンドドルは1.36ドル台まで上昇したほか、ドル/加ドルは1.35加ドル台後半まで値を下げた。対円では日本当局が円買い介入を実施したことを受けて、ポンド円は210円半ば、加ドル円は114円割れまで一時急落した。(了)
(執筆:5月1日、9:30)
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。