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週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、首相進退問題で神経質な展開

市場見通し
◆ポンド、スターマー首相の進退問題を巡り神経質な展開に
◆ポンド、最新の雇用やインフレデータにも注目
◆加ドル、4月コアCPIが落ち着きを保てるかがポイント

予想レンジ
ポンド円 209.00-214.50円
加ドル円 114.00-116.50円

5月18日週の展望
 来週のポンド相場も、スターマー英首相の進退問題を巡る政局の混乱を受けて、神経質な展開が予想される。7日の統一地方選で与党・労働党はイングランドで1400超の議席を失った。党内では大敗の責任を問う声が相次ぎ、90人超の下院議員がスターマー首相の辞任または退任スケジュールの明示を要求。こうした中で、ストリーティング保健相が14日に閣僚を辞任したほか、党内左派勢が推すバーナム・マンチェスター市長も国政参加を表明。それぞれが党首選に出馬すると報じられた。一方で首相は続投を明言し、100人超の議員がスターマー首相支持の声明に署名。党内対立は長期化の様相を呈しており先行きは不透明だ。財政規律後退への警戒から30年債利回りは一時1998年以来の高水準を記録。ポンドは政局を横目に上値の重い展開が続きそうだ。

 経済指標では19日に雇用データ、20日に4月消費者物価指数(CPI)が発表される。前回は週平均賃金が前年比3%台で鈍化基調を示した一方、CPIは前年比3.3%に加速。イラン紛争に起因する自動車用燃料価格が月間ベースで2022年以来最大の上昇率を記録し、中東情勢のエネルギー価格への波及が初めて鮮明となった。7月には国内光熱費の値上げも控えており、4月CPIが再び上振れするようなら英中銀の早期利上げ思惑が高まりそうだ。一方、雇用の悪化が確認されればスタグフレーション懸念が意識され、ポンドの上値を抑えることも想定される。

 加ドルは、19日発表の4月CPIに注目。前回3月分はヘッドラインが前年比2.4%と加速したが、カナダ銀行(BOC)が政策決定のうえで重視するコアCPIはトリムが2.2%、中央値が2.3%にとどまり、エネルギー高の広範な波及は限定的だった。4月は昨年実施された炭素税廃止に伴うベース効果が剥落するため、ヘッドラインはさらに上振れやすく、BOCも「4月に3%近くでピークをつける」と想定している。焦点はコアが落ち着きを保てるかどうかだろう。

 市場は秋以降の利上げを織り込んでいるが、労働市場の軟調さを鑑みると行き過ぎ感もある。4月雇用統計では就業者数が予想に反し1.77万人減、失業率も6.9%へ悪化。フルタイム雇用は今年に入り累計11万人超も減少した。今後、コアインフレが落ち着き、雇用の緩みが続くなら、BOCが利上げに踏み切る根拠は乏しい。利上げ期待が後退するようであれば、加ドルにとっては重しとなるだろう。なお22日には3月小売売上高の発表も控え、個人消費の動向が改めて試される。

5月11日週の回顧
 英統一地方選の結果を受けて政治混迷が深まるとの懸念から、ポンドは週明けに売りが先行。一旦は持ち直す場面もあったが、ストリーティング保健相が辞任して党首選出馬の意向を示したほか、左派勢が推すバーナム・マンチェスター市長の参戦観測も高まると、一気に下値を試した。対円では211円後半、対ドルでは1.34ドル割れまで売り込まれている。

 加ドルは、対円では115円を挟み上下。ドル円の急落する局面では、114円台半ばまで下落したものの下押しも一時的だった。対ドルでは1.37加ドル台後半まで弱含んだ。(了)

(執筆:5月15日、9:00)

(越後)


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