◆ポンド、バーナム新政権の財政運営を見極め
◆ポンド、英MPCは金利据え置き予想、タカ派委員の動向が焦点に
◆加ドル、米国の対カナダ関税と交渉の行方に注目
予想レンジ
ポンド円 216.00-221.00円
加ドル円 115.00-118.00円
7月27日週の展望
来週のポンドは、新政権の財政運営と英中銀金融政策委員会(MPC)を見極める展開か。20日就任のバーナム首相は財務相にヒーリー前国防相を起用した。同氏は財務省での実務経験を持つ堅実な人物と評価される。ただし、防衛費不足を批判して前政権の国防相を辞任した経緯もあり、支出拡大への懸念は残る。バーナム首相自身も、就任直後の会見で財政ルールの柔軟な運用に含みを持たせた。21日の初閣議で首相は生活費対策を最優先課題とし、閣僚に財源明示と支出規律を求めたが、年金トリプルロックの維持や介護費用など歳出圧力は依然重い。財政統計でも経常収支の悪化が確認され、財政余地は乏しく、秋の税制・支出計画では増税観測が強まっている。
こうしたなか、22日発表の6月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と予想以上に鈍化した。もっとも、英中銀が重視するサービス部門は3.6%と高止まりしている。統計局は中東情勢の再緊迫化に伴う原油高が7月分以降に反映され、インフレが年末にかけて再加速するリスクを指摘。それでも30日のMPCでは政策金利3.75%の据え置きが有力だ。賃金の伸び鈍化を理由に今回は様子見継続との見方が多いが、短期金融市場では年内少なくとも1回の利上げが織り込まれている。据え置きを主導するであろうベイリーBOE総裁に対し、前回利上げを主張したピル・チーフエコノミストとグリーン両MPC委員が今回も同様の姿勢を続けるかが焦点となりそうだ。
加ドルは、米国が新たに発動した対カナダ関税の行方に神経質な反応を見せそうだ。トランプ米大統領は21日、過去に発動例のない条項を用いて、約200億ドル相当のカナダ製品に50%の追加関税を課すと発表。エネルギーや重要鉱物などは除外されたが、発効は署名から30日後の8月19日を予定しており、猶予期間中の交渉進展が焦点となる。今回は2月に最高裁が違法認定した前回の関税とは異なり、司法判断で覆りにくいとの見方も出ている。これを受けてカーニー加首相は22日、関税回避へ向けトランプ米大統領と協議を加速させることでは合意したものの、自動車・金属・林産品を含む包括合意でなければ譲歩しない考えを崩していない。23日には13州の首相との会談で「貿易戦争開始時より強い立場にある」と対抗措置も辞さない構えを見せている。
一方、6月カナダCPIは前年比2.8%まで鈍化した。カナダ中銀が重視するコア指標も平均1.85%と2020年以来の低水準に沈んだが、7月には原油価格が再び上昇しており、鈍化は一時的との見方も出ている。中銀は15日の会合で6会合連続の据え置きを決定したばかりで、次回会合までの関税交渉の行方とインフレ再加速の有無が、加ドルの方向性を左右しそうだ。
7月20日週の回顧
ポンドは、バーナム政権の財政運営にまだ不透明な部分が多いため上値の重い展開だった。対円では一時217円半ばまで売り戻され、対ドルでは約3週間ぶりに一時1.33ドルを割り込んだ。
加ドルは、対円では115円半ばで支えられた。対ドルでは、弱いカナダCPIや米国による新たな関税が嫌気され、1.40加ドル付近から1.41加ドル前半まで加ドル安に振れた。(了)
(執筆:7月24日、9:00)
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◆加ドル、米国の対カナダ関税と交渉の行方に注目
予想レンジ
ポンド円 216.00-221.00円
加ドル円 115.00-118.00円
7月27日週の展望
来週のポンドは、新政権の財政運営と英中銀金融政策委員会(MPC)を見極める展開か。20日就任のバーナム首相は財務相にヒーリー前国防相を起用した。同氏は財務省での実務経験を持つ堅実な人物と評価される。ただし、防衛費不足を批判して前政権の国防相を辞任した経緯もあり、支出拡大への懸念は残る。バーナム首相自身も、就任直後の会見で財政ルールの柔軟な運用に含みを持たせた。21日の初閣議で首相は生活費対策を最優先課題とし、閣僚に財源明示と支出規律を求めたが、年金トリプルロックの維持や介護費用など歳出圧力は依然重い。財政統計でも経常収支の悪化が確認され、財政余地は乏しく、秋の税制・支出計画では増税観測が強まっている。
こうしたなか、22日発表の6月消費者物価指数(CPI)は前年比2.6%と予想以上に鈍化した。もっとも、英中銀が重視するサービス部門は3.6%と高止まりしている。統計局は中東情勢の再緊迫化に伴う原油高が7月分以降に反映され、インフレが年末にかけて再加速するリスクを指摘。それでも30日のMPCでは政策金利3.75%の据え置きが有力だ。賃金の伸び鈍化を理由に今回は様子見継続との見方が多いが、短期金融市場では年内少なくとも1回の利上げが織り込まれている。据え置きを主導するであろうベイリーBOE総裁に対し、前回利上げを主張したピル・チーフエコノミストとグリーン両MPC委員が今回も同様の姿勢を続けるかが焦点となりそうだ。
加ドルは、米国が新たに発動した対カナダ関税の行方に神経質な反応を見せそうだ。トランプ米大統領は21日、過去に発動例のない条項を用いて、約200億ドル相当のカナダ製品に50%の追加関税を課すと発表。エネルギーや重要鉱物などは除外されたが、発効は署名から30日後の8月19日を予定しており、猶予期間中の交渉進展が焦点となる。今回は2月に最高裁が違法認定した前回の関税とは異なり、司法判断で覆りにくいとの見方も出ている。これを受けてカーニー加首相は22日、関税回避へ向けトランプ米大統領と協議を加速させることでは合意したものの、自動車・金属・林産品を含む包括合意でなければ譲歩しない考えを崩していない。23日には13州の首相との会談で「貿易戦争開始時より強い立場にある」と対抗措置も辞さない構えを見せている。
一方、6月カナダCPIは前年比2.8%まで鈍化した。カナダ中銀が重視するコア指標も平均1.85%と2020年以来の低水準に沈んだが、7月には原油価格が再び上昇しており、鈍化は一時的との見方も出ている。中銀は15日の会合で6会合連続の据え置きを決定したばかりで、次回会合までの関税交渉の行方とインフレ再加速の有無が、加ドルの方向性を左右しそうだ。
7月20日週の回顧
ポンドは、バーナム政権の財政運営にまだ不透明な部分が多いため上値の重い展開だった。対円では一時217円半ばまで売り戻され、対ドルでは約3週間ぶりに一時1.33ドルを割り込んだ。
加ドルは、対円では115円半ばで支えられた。対ドルでは、弱いカナダCPIや米国による新たな関税が嫌気され、1.40加ドル付近から1.41加ドル前半まで加ドル安に振れた。(了)
(執筆:7月24日、9:00)
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DZH Finacial Research
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