市場見通し
          
        
        
                      ◆豪ドル、雇用悪化もインフレ加速でRBA声明文がタカ派に戻るかに注目
◆NZドル、悪化傾向を辿る四半期ベースの雇用統計を注視
◆ZAR、FATFグレーリストからの除外で堅調か
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.70-9.30円
11月3日週の展望
来週の豪ドルは、11月4日予定の豪準備銀行(RBA)理事会に注目。今週発表された豪州の消費者物価指数(CPI)ではインフレの再加速が示されたことから、政策金利は据え置かれる可能性が高い。市場では、声明文でRBAがタカ派に戻るのかどうかに注目が集まっている。
今月に入り、市場ではRBAの金融政策に対する予想が二転三転している。16日に発表された9月雇用統計が非常に弱く、失業率が2021年以来となる4.5%まで上昇。市場では利下げ期待が高まった。ただ、ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べ、「来月再び低下する可能性がある」との予想を示すと、一転据え置き予想が優勢に。更に、29日に発表された7−9月期のCPIが予想の3.0%を上回る3.2%となり、RBAの目標バンド(2−3%)を超えると、利下げ予想は更に急速に低下している。
RBAは、今年に入り3回利下げしたが、9月の理事会では一旦利下げを休止しただけでなく、声明文ではハト派色が予想以上に払しょくされた。今回の声明文では、インフレの加速で中立からタカ派寄りの内容になるのか、それとも、失業率の悪化を懸念して中立を保つのかを確認することになるだろう。なお、経済指標では11月3日に9月住宅許可件数、11月6日に貿易収支が発表されるが、両指標とも市場の反応は限られそうだ。
NZでは11月5日発表予定の7−9月期雇用統計に注目。失業率は2022年以後から上昇傾向を辿り、今年の4−6月期は5.2%まで上昇。NZ最大都市でもあるオークランドの失業率は1年前と比較して1.5%上昇の6.1%になった。8日にはNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)で50bpの大幅利下げを全会一致で決定したが、雇用統計が悪化した場合は次回MPCの利下げ予想が25bpから連続して50bpの利下げに傾く可能性もあるだろう。なお、11月6日にはNZ政府が3カ月毎の財政ステートメントを公表する。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調となりそうだ。先週、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策の国際監視機関である金融活動作業部会(FATF)が南アをグレーリストから除外。海外投資家から南アへの投資意欲の拡大が期待される。また、対円では「高市トレード」の推移を見守る必要はあるが、円安が再び進んだ場合は9円台の大台に乗せる可能性もあるだろう。
10月27日週の回顧
豪ドルは対ドルでは7−9月期のCPIを受けて0.66ドル台を回復する場面があったが、FOMC後に12月の利下げ期待が弱まったことでほぼ横ばいだった。一方、対円では日米財務相会談後に、米財務省が為替についての議論があったことを公表すると下押す場面もあったが、日銀が利上げに対して前向きな姿勢を示さなかったことから昨年11月以来となる101円台まで上昇した。
ZARも対ドルで米国の利下げ期待で17ZAR割れ手前までZAR買いが進んだが、FOMC後は買いも一服となった。対円では日銀金融政策決定会合後に年初来高値に並んでいる。(了)
(執筆:10月24日、9:00)
            
              
                 
               
              
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      ◆NZドル、悪化傾向を辿る四半期ベースの雇用統計を注視
◆ZAR、FATFグレーリストからの除外で堅調か
予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.70-9.30円
11月3日週の展望
来週の豪ドルは、11月4日予定の豪準備銀行(RBA)理事会に注目。今週発表された豪州の消費者物価指数(CPI)ではインフレの再加速が示されたことから、政策金利は据え置かれる可能性が高い。市場では、声明文でRBAがタカ派に戻るのかどうかに注目が集まっている。
今月に入り、市場ではRBAの金融政策に対する予想が二転三転している。16日に発表された9月雇用統計が非常に弱く、失業率が2021年以来となる4.5%まで上昇。市場では利下げ期待が高まった。ただ、ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べ、「来月再び低下する可能性がある」との予想を示すと、一転据え置き予想が優勢に。更に、29日に発表された7−9月期のCPIが予想の3.0%を上回る3.2%となり、RBAの目標バンド(2−3%)を超えると、利下げ予想は更に急速に低下している。
RBAは、今年に入り3回利下げしたが、9月の理事会では一旦利下げを休止しただけでなく、声明文ではハト派色が予想以上に払しょくされた。今回の声明文では、インフレの加速で中立からタカ派寄りの内容になるのか、それとも、失業率の悪化を懸念して中立を保つのかを確認することになるだろう。なお、経済指標では11月3日に9月住宅許可件数、11月6日に貿易収支が発表されるが、両指標とも市場の反応は限られそうだ。
NZでは11月5日発表予定の7−9月期雇用統計に注目。失業率は2022年以後から上昇傾向を辿り、今年の4−6月期は5.2%まで上昇。NZ最大都市でもあるオークランドの失業率は1年前と比較して1.5%上昇の6.1%になった。8日にはNZ準備銀行(RBNZ)が金融政策委員会(MPC)で50bpの大幅利下げを全会一致で決定したが、雇用統計が悪化した場合は次回MPCの利下げ予想が25bpから連続して50bpの利下げに傾く可能性もあるだろう。なお、11月6日にはNZ政府が3カ月毎の財政ステートメントを公表する。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調となりそうだ。先週、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策の国際監視機関である金融活動作業部会(FATF)が南アをグレーリストから除外。海外投資家から南アへの投資意欲の拡大が期待される。また、対円では「高市トレード」の推移を見守る必要はあるが、円安が再び進んだ場合は9円台の大台に乗せる可能性もあるだろう。
10月27日週の回顧
豪ドルは対ドルでは7−9月期のCPIを受けて0.66ドル台を回復する場面があったが、FOMC後に12月の利下げ期待が弱まったことでほぼ横ばいだった。一方、対円では日米財務相会談後に、米財務省が為替についての議論があったことを公表すると下押す場面もあったが、日銀が利上げに対して前向きな姿勢を示さなかったことから昨年11月以来となる101円台まで上昇した。
ZARも対ドルで米国の利下げ期待で17ZAR割れ手前までZAR買いが進んだが、FOMC後は買いも一服となった。対円では日銀金融政策決定会合後に年初来高値に並んでいる。(了)
(執筆:10月24日、9:00)
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