WTI原油の相場概況
原油価格(WTI原油)は前日、97.763ドルで始まり88.981ドルで引け、前日比8.871ドル安(-9.07%)と大幅に下落しました。
東京時間は98.152ドルまで上昇して前日の高値をつけましたが、その後は97ドル台で推移しました。
ロンドン時間に入ると売りが強まり、89.154ドルまで値を下げました。
ニューヨーク時間も下げが続き、翌朝にかけて88.011ドルまで下落して前日の安値をつけ、今週・今月の安値も更新しました。
1日の値幅は10.14ドルに達し、日足ATR(4.305ドル)の2倍を超える荒い値動きでした。
バンス副大統領が「負けた理由は戦争だ」と投稿したことで、トランプ大統領がイランと合意する動機が強まったと受け止められ、原油は9%超急落しました。
トランプ大統領もFT紙に今すぐイランを攻撃する予定はないと話し、米イラン高官が外交決着に前向きな姿勢を見せていることもあって、今週だけで14%以上下落しています。
米中間選挙で民主党が上下両院を獲得し、政治リスクが後退したとの受け止めも広がっています。
一方でエスカレーションのリスクは残っており、CIBCは売りが「やや行き過ぎ」かもしれないと指摘しています。
米イラン協議の進み具合や再エスカレーションのリスクに注目が集まるなか、値幅の大きい神経質な展開になっています。
| 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 値幅 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 前日 11/04 | 97.763 | 98.152 | 88.011 | 88.981 | 10.14ドル |
| 東京時間 | 97.599 | 98.152 | 95.904 | 97.184 | 2.25ドル |
| ロンドン時間 | 97.149 | 97.662 | 89.154 | 89.396 | 8.51ドル |
| ニューヨーク時間 | 95.550 | 95.600 | 88.011 | 88.981 | 7.59ドル |
OANDA証券のMT5の価格をもとに、チャート分析を行います(チャートは2026年11月5日7時のもの)。
原油の週次データ(需給の確認)
EIAの週間石油統計(10月30日までの週)では、商業原油在庫が約86.5万バレル減、ガソリン在庫が約22.2万バレル減、留出油在庫が約356.5万バレル減となった一方、クッシング原油在庫は約28.0万バレル増でした。
在庫の減少は一般に需給の引き締まりを示す材料とされ、特に留出油の減少幅が目立ちます。
<EIA 週間石油統計(10/30までの週)>
| 今週 | 前週 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 商業原油在庫 | 409.760 | 410.625 | -0.865 |
| クッシング原油在庫 | 27.250 | 26.970 | +0.280 |
| ガソリン在庫 | 208.958 | 209.180 | -0.222 |
| 留出油在庫 | 99.259 | 102.824 | -3.565 |
単位:百万バレル 出典:EIA(米エネルギー情報局)
> 週間原油在庫と天然ガス貯蔵量(EIA)
日足の分析
日足のトレンドは「レンジ(方向感なし)」ですが、終値88.981ドルは20日移動平均線(98.727ドル)と75日移動平均線(92.035ドル)を下回り、200日移動平均線(88.332ドル)に近づいています。
ボリンジャーバンドの下限(89.192ドル)も割り込んでおり、RSIは35.5と弱めです。
下値の目安は88.883ドル、88.642ドル、その下は80.327ドル、上値の目安は94.312ドルが意識されそうです。
1時間足の分析
1時間足は下落トレンドで、20本前から-7.7%と大きく下げ、RSIは20.3と売られ過ぎの水準まで低下しています。
20時間移動平均線(93.007ドル)とは4ドル近く離れており、短期的には反発が入りやすい状態です。
15分足も下落トレンドで、89.722ドル、89.908ドルが目先の上値の目安、88.522ドルと前日安値の88.011ドルが下値の目安になります。
テクニカル指標一覧
| 時間足 | トレンド | MA20 | MA75 | MA200 | RSI(14) | ATR(14) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 日足 | レンジ(方向感なし) | 98.727 | 92.035 | 88.332 | 35.5(弱め) | 4.3ドル |
| 1時間足 | 下落トレンド | 93.007 | 97.260 | 99.594 | 20.3(売られ過ぎ) | 1.23ドル |
| 15分足 | 下落トレンド | 89.886 | 93.081 | 96.049 | 30.4(弱め) | 0.52ドル |
OANDAオーダーブック分析
最も厚い売り指値は97.5ドル付近にあり、91.0ドル付近にも売り指値が集まっているため、戻りの場面ではまず91ドル付近が上値の抵抗として意識されます。
上方の96.5ドル付近には買いストップが集まっており、大きく戻して上抜けると買いが加速する可能性があります。
下方では87.75ドル付近に売りストップが集まっており、ここを割り込むと売りが加速しやすく、その下の87.0ドル付近や最も厚い80.0ドル付近の買い指値が下値の支持として意識されます。
ポジションは買いが64.5%と買いに偏っており、下落時には投げ売りが出やすい状態です。
また現在値より上に含み損の買いポジションが多く、戻り局面ではやれやれの売りが出やすい点にも注意です。
「オーダーブック」の詳細は、以下よりご確認下さい。
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本日(2026年11月5日)のWTI原油の注目ポイント
| R2 | R1 | ピボット | S1 | S2 |
|---|---|---|---|---|
| 101.856 | 95.418 | 91.715 | 85.277 | 81.574 |
<上昇シナリオ>
売られ過ぎからの反発で15分足の抵抗89.722〜89.908ドルを上抜けると、売り指値が集まる91.0ドルやピボットの91.715ドル、日足75日移動平均線の92.035ドルが次の目安として意識されそうです。
<下落シナリオ>
前日安値88.011ドルと売りストップが集まる87.75ドルを下抜けると売りが加速しやすく、買い指値のある87.0ドル付近、さらにピボットS1の85.277ドルが下値の目安になりそうです。
米イラン協議の行方や再エスカレーションの報道次第で値幅が大きくなりやすく、1時間足の売られ過ぎからの自律反発が入るか、88.011ドルの安値を守れるかに注目です。
在庫減少という需給面の材料もあるなか、22:30の米新規失業保険申請件数の発表前後や、翌日の米雇用統計を控えた値動きにも注意したいところです。
本日(2026年11月5日)の経済指標・イベント
前日は米国の10月ADP雇用統計が8.6万人と予想の6.6万人を上回った一方、10月ISM非製造業景況指数は54.5(予想54.8)、10月サービス部門PMI改定値は56.1と予想の57.9を下回りました。
本日は22:30に米国の新規失業保険申請件数(予想19.6万件、前回19.4万件)と失業保険継続受給者数(予想171.0万人、前回170.1万人)が発表されます。
11/6の米雇用統計を控えて米国の景気指標への関心が高まっているため、発表前後の値動きに注意が必要です。
| 日時 | 国 | 指標・イベント | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11/05 22:30 | 米国 | 前週分失業保険継続受給者数 | ★★ | 171.0万人 | 170.1万人 |
| 11/05 22:30 | 米国 | 前週分新規失業保険申請件数 | ★★ | 19.6万件 | 19.4万件 |
<前日の主な結果>
| 日時 | 国 | 指標 | 重要度 | 結果 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 11/04 22:15 | 米国 | 10月ADP雇用統計(前月比) | ★★★ | 8.6万人 | 6.6万人 | 8.6万人 |
| 11/04 22:30 | 米国 | 9月貿易収支 | ★★ | -1050億ドル | -1079億ドル | -1057億ドル |
| 11/04 23:45 | 米国 | 10月サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 56.1 | 57.9 | 57.9 |
| 11/04 23:45 | 米国 | 10月総合購買担当者景気指数(PMI、改定値) | ★★ | 55.9 | – | 57.6 |
| 11/05 00:00 | 米国 | 10月ISM非製造業景況指数(総合) | ★★★ | 54.5 | 54.8 | 54.9 |
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OANDA Lab編集部
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