July 18, 2023
【前日の為替概況】ドル円、予想を上回る7月NY連銀景気指数で一時139.41円まで上昇
17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小反落。
終値は138.71円と前営業日NY終値(138.80円)と比べて9銭程度のドル安水準だった。
7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が1.1と予想の▲3.4に反してプラスになったことが分かると円売り・ドル買いが先行。
イエレン米財務長官が「米国のリセッションは想定していない」「米景気は減速したが、労働市場は非常に力強い」などと述べたことも相場の支援材料となり、前週末の高値139.16円を上抜けて一時139.41円まで値を上げた。
ただ、139円台では戻りを売りたい向きも多く、上値は限定的だった。
日銀が現行の金融緩和策を修正するとの観測も根強く、4時過ぎには138.61円付近まで押し戻された。
ユーロドルは小幅高。
終値は1.1236ドルと前営業日NY終値(1.1228ドル)と比べて0.0008ドル程度のユーロ高水準だった。
予想を上回る米経済指標を受けてユーロ売り・ドル買いが優勢になると、前週末の安値1.1204ドルに面合わせした。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.12ドル台半ばまで持ち直している。
米長期金利の低下なども相場を下支えした。
欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続観測も根強い。
ユーロ円は小幅ながら3日続伸。
終値は155.88円と前営業日NY終値(155.84円)と比べて4銭程度のユーロ高水準。
20時前に一時本日安値となる155.10円まで値を下げたものの、ドル円の上昇やユーロドルの持ち直しにつれた円売り・ユーロ買いが優勢になると156.34円と日通し高値を更新した。
ただ、引けにかけては伸び悩んだ。
【本日の東京為替見通し】7月RBA理事会議事要旨を見極めつつ、日銀関係者の発言に要警戒
本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀関係者の発言に警戒する展開、豪ドル/ドルは、7月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨を見極める展開が予想される。
ドル円の攻防の分岐点としては、日足一目均衡表・雲の上限138.40円を注目しておきたい。
7月27-28日の日銀金融政策決定会合に向けて、7日の内田日銀副総裁や13日の早川元日銀理事によるイールドカーブコントロール(YCC)の許容変動幅拡大を示唆する発言が相次いでおり、本日も日銀関係者による肯定・否定発言に警戒することになる。
内田日銀副総裁は、「YCCは、うまく金融緩和を継続するという観点から続けていく。
金融仲介機能や市場機能に配慮しつつ、いかにうまく金融緩和を継続するかという観点からバランスをとって判断していきたい」と述べていた。
元日本銀行理事の早川英男氏(東京財団政策研究所主席研究員)は、日銀が今月開く金融政策決定会合で、YCCにおける長期金利の変動幅を拡大する政策修正を行う可能性がある、との見解を示していた。
しかし、インド・ガンディーナガルで行われた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、植田日銀総裁は、市場で金融緩和策を修正するという観測が広がっていることに対して釘をさしている。
「債券市場の機能に関する私の認識は4月や6月の決定会合のときと大きく変わっていない。
全般的にある程度、流動性の低下など機能の低下が見られているが、ひところ見られたようなイールドカーブの形状のゆがみの現象はかなり緩和されてきている」と述べている。
7月4日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.10%に据え置き、これまでの利上げの影響を見極めたいとした上で、インフレ抑制に向け追加引き締めが必要になる可能性もあると指摘していた。
本日発表される議事要旨では、8月1日のRBA理事会に向けて、タカ派的スキップ(見送り)と追加利上げのバイアス、バランスを見極めることになる。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○13:30 ◇ 5月第三次産業活動指数(予想:前月比0.4%)
<海外>
○10:30 ◎ 7月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:15 ◇ 6月カナダ住宅着工件数(予想:22.00万件)
○21:30 ◎ 6月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.0%)
○21:30 ◇ 6月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比▲0.2%)
○21:30 ◇ 6月カナダ原料価格指数(予想:前月比▲0.4%)
○21:30 ☆ 6月米小売売上高(予想:前月比0.5%/自動車を除く前月比0.3%)
○22:15 ◎ 6月米鉱工業生産指数(予想:前月比横ばい)
◇ 設備稼働率(予想:79.5%)
○23:00 ◎ 7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:56)
○23:00 ◇ 5月米企業在庫(予想:前月比0.2%)
○23:00 ◎ バー米連邦準備理事会(FRB)副議長(銀行監督担当)、講演
○19日05:00 ◎ 5月対米証券投資動向
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(インド・ガンディーナガル、最終日)
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。
▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
17日14:42 ジェンティローニ欧州委員会経済担当委員
「2024年のインフレ率は2%に接近する見込み」
「コアインフレ率の低下には、時間がかかる見通し」
「ユーロ圏はスタグフレーションではない」
17日20:46 神田財務官
「G20では世界経済やインフラについて議論した」
「日本は財務健全性を維持する重要性を指摘」
17日21:24 イエレン米財務長官
「米国のリセッションは想定していない」
「米景気は減速したが、労働市場は非常に力強い」
18日02:23 プーチン露大統領
「(ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ)クリミア橋爆発はウクライナによるテロ攻撃」
「クリミア橋攻撃への対応を準備中」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=7/17高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
孕み線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、雲の上限138.40円を念頭に置き、17日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 140.96(日足一目均衡表・転換線)
レジスタンス1 139.41(7/17高値)
前日終値 138.71
サポート1 138.00(7/17安値)
サポート2 137.25(7/14安値)
<ユーロドル=7/13安値を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けているため、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
8手連続陽線で転換線を大きく上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、13日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.1313(2022/2/24高値)
前日終値 1.1236
サポート1 1.1129(7/13安値)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けており、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
被せ線で反落したものの転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 157.72(7/5高値)
前日終値 155.88
サポート1 155.31(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 95.47(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 94.55
サポート1 93.27(7/12安値)
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