本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、底堅いも明日の米CPI待ちか 本日は中国インフレ指標の発表(2023年8月9日)

マーケットレポート

August 9, 2023

【前日の為替概況】ドル円 143円半ばまで上昇、米株や長期金利が低下幅を縮小

 

8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。
終値は143.38円と前営業日NY終値(142.50円)と比べて88銭程度のドル高水準だった。
市場では「10日の7月米消費者物価指数(CPI)や11日の7月米卸売物価指数(PPI)など、注目度の高い米経済指標の発表を控えて様子見ムードが広がっている」との声が聞かれ、しばらくは143円台前半でのもみ合いが続いた。

ただ、NY午後に入ると徐々に強含んだ。
一時は460ドル超下落したダウ平均が130ドル安程度まで下げ幅を縮めると、投資家のリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いがじわりと強まった。
米10年債利回りが3.98%台から4.03%台まで低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
アジア時間の高値143.43円を上抜けて一時143.49円まで値を上げた。

ユーロドルは続落。
終値は1.0956ドルと前営業日NY終値(1.1002ドル)と比べて0.0046ドル程度のユーロ安水準だった。
イタリア政府が銀行に超過利潤税を課すことを承認したと伝わると、同国の銀行株が急落し欧州株全般に売りが波及。
リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まり、23時過ぎに一時1.0929ドルと日通し安値を更新した。

ただ、3日の安値1.0912ドルが目先サポートとして働くと下げ渋った。
米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。

ユーロ円は続伸。
終値は157.10円と前営業日NY終値(156.79円)と比べて31銭程度のユーロ高水準。
イタリア株中心に欧州株が軟調に推移したことでリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行し、20時30分過ぎには156.35円と本日安値を付けた。
ただ、安く始まった米国株が下げ幅を縮めると買い戻しが優勢に。
引けにかけては157.24円付近まで持ち直した。

【本日の東京為替見通し】ドル円、底堅いも明日の米CPI待ちか 本日は中国インフレ指標の発表

 

ドル円は東京タイムで引き続き株や日米金利動向の動きを眺めながらの動きとなるも、10日に今週の注目指標である米7月消費者物価指数(CPI)の発表を控え一方向に大きく傾きにくい。
米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が根強く残されている一方で、日銀は7月会合で日銀は7月の27-28日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)運用の柔軟化を決定したものの、マイナス金利政策の解除などの金融政策正常化に向かるにはまだ時間がかかるとの見方が強まっている。
そのため底堅い動きは続きそうだ。
FRBは来年に利下げに転じ、日銀はいずれ金融政策の出口に向かうとの見方が多いものの、目先の日米金融政策をめぐっては不透明感が増しており、ドル円は当面指標結果や政策関係者の発言などで神経質に上下するか。

本日の東京市場は、中国で7月消費者物価指数(CPI)と同生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。
CPIは前年比で2021年3月以来のマイナス水準が予想されており、結果次第でデフレ懸念が強まり、中国人民銀行(中央銀行)による追加利下げ観測が高まる可能性がある。
中国の景気鈍化は織り込んでいるだけではなく、指標の弱い結果は政策期待感を強める一面もあり、指標結果に対する市場の反応は難しいところがあり、昨日の中国7月輸出入のさえない結果に市場反応は限られたが、本日もCPI・PPIの結果には注目したい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 7月マネーストックM2

<海外>
○10:30 ◎ 7月中国消費者物価指数(CPI、予想:前年比▲0.4%)
○10:30 ◎ 7月中国生産者物価指数(PPI、予想:前年比▲4.1%)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 6月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比0.4%)
○21:00 ◎ 7月メキシコ消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.79%)
○21:30 ◇ 6月カナダ住宅建設許可件数(予想:前月比▲3.5%)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○10日01:00 ◎ 7月ロシアCPI(予想:前月比0.7%)
○10日02:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○シンガポール(独立記念日)、南アフリカ(女性の日)、休場

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

8日21:21 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「しばらく金利を安定させる必要があるだろう」
「米経済はソフトランディングへの軌道にある」
9日01:43 
「おそらく来年利下げを開始することになるだろう」

8日21:56 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「インフレ率は依然として高すぎる」
「成長率は堅調であり、労働市場も健全である」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=142円後半の雲の上限から8日安値が支持帯に>

ドル円=142円後半の雲の上限から8日安値が支持帯に

各ラインの期間

 

陽線引け。
日足一目均衡表・雲の上で上昇力を強め、143円半ばまで強含み。
3日につけた約4週ぶりの高値143.89円が視野に入っている。
一目・雲の上限は本日142.80円台まで上昇し、下押しした場合でも同水準から昨日安値142円半ばまでが支持帯となりそう。
また本日141円割れに位置する転換線が明日には142円前半まで大きく上昇してくることも念頭に入れておきたい。

レジスタンス2  144.73(7/5高値)
レジスタンス1  143.89(8/3高値)
前日終値  143.38
サポート1  142.41(8/8安値)
サポート2  141.52(8/7安値)

<ユーロドル=一目転換線は1.09ドル後半まで水準切り下げ>

ユーロドル=一目転換線は1.09ドル後半まで水準切り下げ

各ラインの期間

 

陰線引け。
1.1010ドル台の7日高値にも届かず1.09ドル前半まで下落。
90日移動平均線を割り込んだところで下げは一服したものの、2手連続の陰線引けとなった。

日足一目・転換線は本日1.0980ドルまで低下。
終値から上サイドは同線、下は1.0933ドルの90日線を意識した値動きが続きそうだ。
短期的な方向性を示す転換線が水準を切り下げてきており、下方向へのリスクをより警戒したい。

レジスタンス1  1.1019(8/7高値)
前日終値  1.0956
サポート1  1.0912(8/3安値)

<ユーロ円=21日線は156円台乗せ、支持水準として意識>

ユーロ円=21日線は156円台乗せ、支持水準として意識

各ラインの期間

 

陽線引け。
買いが先行し157円台に乗せると、約2週間ぶりの高値となる157円後半まで上昇。
ただ7月24日高値157.81円に僅かに届かず失速すると、156.30円台まで下押す場面があった。
一巡後は下値を切り上げ、2手連続の陽線引け。
短期的なすう勢を示す21日移動平均線は、155円台後半で上向きだったところから156円台に乗せてきた。
昨日安値から同線までが支持帯として暫く意識されそうだ。

レジスタンス1  158.05(7/21高値)
前日終値  157.10
サポート1  156.04(21日移動平均線)

<豪ドル円=下ヒゲを頼りに買いスタンス、基準線を目指すか>

豪ドル円=下ヒゲを頼りに買いスタンス、基準線を目指すか

各ラインの期間

 

下影小陽線引け。
93円後半の日足一目・転換線や4日高値を上抜けるも、94円には触れずに下落。
一時93円を割り込む局面もあった。
もっとも92円後半の90日移動平均線や一目・雲の下限が支持として機能し、再び転換線の上まで切り返している。
本日は93.82円の転換線を念頭に置いた取引に。
昨日の下ヒゲを頼りに買いスタンスで臨みたい。
94.30円台の基準線を超えると上昇に勢いがつくか。

レジスタンス1  94.32(日足一目均衡表・基準線)
前日終値  93.83
サポート1  92.90(8/8安値)

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