August 23, 2023
【前日の為替概況】欧州債利回り低下でユーロ下落、対ドル1.0833ドル、対円158.09円
22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は145.89円と前営業日NY終値(146.22円)と比べて33銭程度のドル安水準だった。
欧州時間に一時145.50円と日通し安値を付けたものの、前日の安値145.15円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。
対ユーロなどでドル買いが強まった影響も受けて一時146.13円付近まで値を戻した。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値146.40円が目先戻りの目処として意識されると上値が重くなった。
アジア時間に一時4.3618%前後と2007年11月以来の高水準を記録した米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重しとなり、145.71円付近まで下押しした。
なお、市場では「25日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のジャクソンホール会議での講演を控えて、大きな方向感は出なかった」との声が聞かれた。
ユーロドルも反落。
終値は1.0846ドルと前営業日NY終値(1.0896ドル)と比べて0.0050ドル程度のユーロ安水準だった。
ドイツやイタリアなど欧州債利回りが低下したことを受けて全般ユーロ売りが進行。
前日の安値1.0870ドルや18日の安値1.0845ドル、7月6日の安値1.0834ドルを下抜けて一時1.0833ドルと6月15日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
その後の戻りも1.0856ドル付近にとどまった。
ユーロ円も反落した。
終値は158.23円と前営業日NY終値(159.32円)と比べて1円09銭程度のユーロ安水準。
欧州債利回りの低下に伴うユーロ売りが優勢になると、1時前に一時158.09円と日通し安値を付けた。
アジア時間に159.49円と2008年9月以来およそ15年ぶりの高値を更新したあとだけに、利益確定目的の売りなども出やすかった。
【本日の東京為替見通し】明日からのジャクソンホール会合控えて動きづらい展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが4.32%台で伸び悩んでいること、明日からのジャクソンホール会合を控えていることなどで、動きづらい展開が予想される。
今週の最重要イベントである25日23時5分からのジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて、ドル円は米10年債利回りの動向に振らされる展開が続いている。
今週のドル円は146円台まで上昇して、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感が高まっているものの、今週は、鈴木財務相や神田財務官からの円安牽制発言は聞かれない。
昨日は、植田日銀総裁と岸田首相が会談したものの、為替相場の話題はなかったとのことで、ジャクソンホール会合に向けて嵐の前の静けさの様相を呈している。
また、日銀は昨日、7月の刈り込み平均値を発表したが前年比3.3%上昇と6月の3.0%上昇から伸びが拡大し、データがさかのぼれる2001年1月以降の最高を更新した。日本国債10年物利回りも上昇基調にあり、本日の債券市場の動向にも注目しておきたい。
パウエルFRB議長は、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見では「9月会合では追加利上げも、現状維持もあり得る。
今後の金融政策は、経済指標次第」と述べていたが、ジャクソンホール会合ではタカ派的な見解が予想されており、米10年債利回りは、昨日2007年11月以来の高水準である4.3618%前後まで上昇した。
パウエルFRB議長は、3月7日の議会証言で「自然利子率(※中立金利)の水準は、正直なところ誰も分からない」と述べていたが、先日ニューヨーク連銀が公表した短期的な自然利子率上昇の可能性に同意するのではないか、との警戒感が背景にある模様。
さらに、パウエルFRB議長が言及していた経済指標では、7月の消費者物価指数(CPI)が前年比+3.2%へ上昇し、失業率が3.5%へ低下していたことも、9月会合での追加利上げへ言及への警戒感を高めている。
一方で、米10年債利回りの上昇は、来年以降の米国のリセッション(景気後退)入りやFEDピボット(FRBの利下げ転換)を見込んで、米国債を買い上げていた向きによるストップロスによるもの、との指摘もある。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、FOMCが利下げに転じるのは、来年の6月以降となっており、高金利水準が長期化する可能性を示唆している。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○07:45 ◎ 4-6月期ニュージーランド(NZ)小売売上高(予想:前期比▲0.4%)
○14:00 ◎ 7月シンガポール消費者物価指数(CPI、予想:前年比4.1%)
○16:15 ◎ 8月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:45.0)
○16:15 ◎ 8月仏サービス部門PMI速報値(予想:47.5)
○16:30 ◎ 8月独製造業PMI速報値(予想:38.7)
○16:30 ◎ 8月独サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○17:00 ◎ 7月南アフリカCPI(予想:前月比1.2%/前年比5.0%)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:42.6)
○17:00 ◎ 8月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:50.5)
○17:30 ◎ 8月英製造業PMI速報値(予想:45.0)
○17:30 ◎ 8月英サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○20:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:30 ◎ 6月カナダ小売売上高(予想:前月比横ばい/自動車を除く前月比0.3%)
○22:45 ◎ 8月米製造業PMI速報値(予想:49.3)
○22:45 ◎ 8月米サービス部門PMI速報値(予想:52.2)
○22:45 ◎ 8月米総合PMI速報値(予想:51.5)
○23:00 ◎ 8月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲14.3)
○23:00 ☆ 7月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.0%/70.4万件)
○23:30 ◇ EIA週間在庫統計
○米共和党大統領選候補者討論会(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
○新興5カ国(BRICS)首脳会議(南アフリカ・ヨハネスブルク、24日まで)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
22日12:52 植田日銀総裁
「総理から経済金融情勢について質問があり回答した」
「経済金融情勢を意見交換した」
「為替相場の変動についての議論は特にない」
22日22:15 バーキン米リッチモンド連銀総裁
「米国が不況に陥ったとしても、それほど深刻なものにはならないだろう」
「短期的な市場の動きにあまり注目しないようにすべき」
「FRBの信頼性確保のため2%の目標を達成する必要」
23日01:04
「9月FOMCの結果を事前に判断するつもりはない」
「個人消費と経済力の強さに伴い、インフレが沈静化する前に米経済が再加速する可能性もある」
「インフレ率が高止まりし、需要がインフレ低下の可能性を示す兆候を示さない場合、金融政策の引き締めが必要となるだろう」
「債券利回りの最近の動きは不適切な市場の引き締めの兆しではなく、好調な経済指標への反応である可能性が高い」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
孕み線で反落したものの転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
しかし、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)による反転シグナルには警戒しておきたい。
本日は、上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 147.57(2022/11/7高値)
レジスタンス1 146.56(8/17高値)
前日終値 145.89
サポート1 145.49(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 144.93(8/18安値)
<ユーロドル=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
抱き線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0919(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0846
サポート1 1.0799(200日移動平均線)
<ユーロ円=8/22高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、孕み線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、22日高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 159.49(8/22高値)
前日終値 158.23
サポート1 157.66(8/18安値)
<豪ドル円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>
小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
孕み線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。
本日は、転換線93.83円を念頭に置き、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 94.95(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 93.70
サポート1 92.79(8/18安値)
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