本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日米10年債利回りに連れた値動きか(2023年8月24日)

マーケットレポート

August 30, 2023

【前日の為替概況】ドル円144.54円まで続落、米10年債利回りが4.18%台へ低下

 

23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は144.84円と前営業日NY終値(145.89円)と比べて1円05銭程度のドル安水準だった。
8月米製造業・サービス部門PMI速報値が予想を下回ったことが伝わると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。
節目の145.00円を下抜けて、2時30分前に一時144.54円と日通し安値を更新した。
米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.18%台まで急低下した。
ただ、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げ、5時30分過ぎには144.92円付近まで下げ渋った。

ユーロドルは反発。
終値は1.0863ドルと前営業日NY終値(1.0846ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州時間に発表されたユーロ圏各国のPMI速報値が低調な内容となったことで、欧州の景気減速懸念が高まった。
NYの取引時間帯に入ってもユーロ売りが継続し、22時前に一時1.0803ドルと6月14日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。

ただ、米国のPMI速報値がさえない結果だったことが伝わると一転買い戻しが優勢に。
2時30分前には1.0870ドル付近まで上昇し、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.0871ドルに迫った。

ユーロ円は続落。
終値は157.34円と前営業日NY終値(158.23円)と比べて89銭程度のユーロ安水準。
ユーロ圏の景況感悪化で全般ユーロ売りが進んだ流れに沿って、23時前に156.87円と8日以来約2週間ぶりの安値を付けた。
ただ、売り一巡後は徐々に買い戻しが進み、157.43円付近まで下げ渋った。

オセアニア通貨はしっかり。
全般ドル安が進んだ流れに沿ったほか、米国株相場の上昇を受けてリスクに敏感なオセアニア通貨に買いが入った。
豪ドル米ドルは0.6482米ドル、NZドル米ドルは0.5985米ドルまで値を上げた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米10年債利回りに連れた値動きか

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、明日のジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きづらい展開の中、日米10年債利回りの動きに連れた値動きが予想される。

今週のドル円は、米10年債利回りが4.36%台まで上昇した局面では146.40円まで上昇し、米債利回りの4.18%台への低下や日本国債10年物利回りの0.67%台への上昇を受けて144.54円まで反落している。

今週の最重要イベントである明日25日23時5分からのジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演では、追加利上げの是非や利下げに転じる時期に言及する可能性、すなわち米債利回りの方向性が示唆される可能性が高いことから、144-146円のもみ合いからの上下の放れが期待できる。

パウエルFRB議長の講演では、「自然利子率(※中立金利)」の引き上げに言及するのか否か、そしてFF金利を「より高い水準でより長く(higher for longer)」維持すると表明するのか否かが注目されている。

「自然利子率」に関してパウエルFRB議長は、2018年のジャクソンホール講演では、「自然利子率の推定はかなり不確実である」と言及し、今年3月の議会証言でも「自然利子率の水準は、正直なところ誰も分からない」と述べており、重視していないことが示唆されている。
さらに、パウエルFRB議長のスポークスマン的な役どころのウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、21日には、中立金利引き上げ見通しというタカ派だったものの、22日は中立金利引き上げ観測を否定するハト派へ転じている。

おそらく、パウエルFRB議長は、ブラード米セントルイス連銀総裁が「ファントム・メナス(見えざる脅威)」と示唆した自然利子率という不確実な指針を金融政策の判断には採用しないことを示唆するのではないだろうか。

また、NY連銀のエコノミストが「パンデミック後の短期的自然利子率の進展」というレポートで短期的な中立金利の上昇の可能性に言及したものの、ウィリアムズ米NY連銀総裁は、「非常に低い自然利子率の時代が終わったという証拠はない」と、NY連銀のエコノミストの見立てに否定的な見解を述べていた。

ドル円のテクニカル分析では、トレンド系指標(順張り指標)は、依然としてドル高の継続を示唆し、FRB議長のタカ派発言を想定している。
しかし、相対力指数(RSI)などのオシレーター系指標(逆張り指標)は、弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)でのドル安トレンドへの反転を示唆し、FRB議長のハト派発言を想定している。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)

<海外>
○未定 ◎ 韓国中銀、政策金利発表(予想:3.50%で据え置き)
○15:45 ◇ 8月仏企業景況感指数(予想:99)
○20:00 ◎ トルコ中銀、政策金利発表(予想:20.00%に引き上げ)
○21:30 ◎ 7月米耐久財受注額(予想:前月比▲4.0%/輸送用機器を除く前月比0.2%)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:24.0万件/170.8万人)
○23:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、インタビュー
○25日00:15 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○米カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議、26日まで)
○新興5カ国(BRICS)首脳会議(南アフリカ・ヨハネスブルク、最終日)

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

24日 05:15 松野官房長官
「北朝鮮のミサイル発射は国連安保理決議に反する」
「北朝鮮に厳重に抗議し、最も強い表現で非難する」

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)が反転の可能性を示唆している。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  146.56(8/17高値)
レジスタンス1  145.55(日足一目均衡表・転換線)
前日終値  144.84
サポート1  143.30(8/10安値)
サポート2  142.32(日足一目均衡表・基準線)

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
孕み線で反発したものの転換線を下回って引けており反落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線1.0882ドルを念頭に、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  1.0956(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値  1.0863
サポート1  1.0802(200日移動平均線)

<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、2手連続陰線で反落して転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  185.07(日足一目均衡表・転換線)
前日終値  184.35
サポート1  183.38(8/23安値)

<NZドル円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス>

NZドル円=雲の上限を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

小陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
抱き線で反落して基準線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は、転換線86.57円を念頭に置き、雲の上限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  87.72(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値  86.58
サポート1  84.95(7/28安値)

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