September 19, 2023
【前日の為替概況】ドル円、反落 前週末に約10カ月ぶり高値を付けたあと受けポジション調整
18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は147.61円と前営業日NY終値(147.85円)と比べて24銭程度のドル安水準だった。
前週末に一時147.95円と昨年11月4日以来約10カ月ぶりの高値を付けたあとだけにポジション調整目的の売りなどが出たものの、NY市場に限れば狭いレンジでのもみ合いに終始した。
19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や21-22日の日銀金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がり、大きな方向感が出なかった。
NY時間の安値は147.58円、高値は147.77円で値幅は19銭程度と小さかった。
ユーロドルは続伸。
終値は1.0692ドルと前営業日NY終値(1.0657ドル)と比べて0.0035ドル程度のユーロ高水準だった。
22時過ぎに一時1.0655ドルと日通し安値を付けたものの、9月米NAHB住宅市場指数が45と予想の49を下回ったことが分かるとユーロ買い・ドル売りが優勢に。
独長期金利が上昇した一方、米長期金利が低下したこともユーロ買い・ドル売りを誘った。
前週末の高値1.0688ドルを上抜けると一時1.0699ドルまで上値を伸ばした。
なお、一部通信社が報じたところによると「欧州中央銀行(ECB)は過剰流動性に対処する方法を近く議論する予定」「幾人かのECBメンバーは準備金の引き上げについて賛成している」などと伝わった。
ユーロ円は続伸。
終値は157.82円と前営業日NY終値(157.58円)と比べて24銭程度のユーロ高水準。
しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、ユーロドルの上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが広がった。
前週末の高値157.90円を上抜けると一時157.94円まで値を上げた。
【本日の東京為替見通し】FOMC待ちで米株も超極小相場、東京休場明けも値動き限定的か
本日のドル円は、東京市場が敬老の日から休場明けとなるものの、本日から始まる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え限られたレンジになると予想される。
昨日の米株式市場の値動きを見ても狭いレンジで取引され、主要3指数ともに前日比で0.1%にも満たない超極小の動きで引けるなど、為替市場だけでなく金融市場全般にわたって、FOMCの結果を見定めるまで動きにくい。
また、21日からは日銀の政策決定会合が開かれることで、「各金融政策決定会合の2営業日前(会合が2営業日以上にわたる場合には会合開始日の2営業日前)」と短いブラックアウト期間しかない日銀も、ブラックアウト期間に入ったことでサプライズとなる発言などが伝わることが無いことも、値動きを狭めることになるだろう。
値動きが限られる中で本日の注目イベントは、1つ目は中国の人民元取引の基準値設定価格や中国株の動向。
昨日も基準値がそれほど大きな元高設定にならなかったことで、オフショア人民元(CNH)が対ドルで弱含み、その動きに他通貨も連れる場面があった。
また、米中対立激化への警戒感後退で反発して引けたものの、昨日は中国株CSI300が一時年初来安値を更新するなど、不安定な中国株式市場の動きが、為替市場へも影響を与える可能性がありそうだ。
2つ目は9月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨の内容が、5日に発表された声明文と比較し相違が出た場合か。
RBAは声明で、インフレを目標(2-3%)に戻すために必要なことを行っていくという決意を再度表明。
今後も幾分かの引き締めの可能性を示唆した。
しかしながら追加引き締めについては、データとリスク次第というこれまでと同じ考え方を示している。
なお、昨日18日より副総裁を務めていたミシェル・ブロック氏がRBA総裁に就任している。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:30 ◎ 9月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○17:00 ◇ 7月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比5.3%)
○18:00 ☆ 8月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比5.3%)
○21:30 ◎ 8月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.8%)
○21:30 ◎ 8月米住宅着工件数(予想:144.0万件、前月比▲1.0%)
◎ 建設許可件数(予想:144.0万件、前月比▲0.2%)
○21:30 ◎ エルダーソン欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目
○国連総会一般討論演説(ニューヨーク、26日まで)
○インド(ガネーシャ祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
18日09:26 中国外務省
「王毅中国外相が9月18-21日にロシアに訪問する」
(週末の王毅外相とサリバン米大統領補佐官のマルタでの会談について)「双方がハイレベルの交流を維持し、アジア太平洋問題、海洋問題、外交政策について2国間協議を行うことで合意した」
18日17:48 王毅中国外相
「中国とEUはパートナーであり、保護主義は拒否すべき」
18日18:20 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「基礎的インフレの要素は抑制されている」
「燃料価格の上昇が不確実性を増している」
18日20:29 カジミール・スロバキア中銀総裁
「先週の利上げが最後の可能性があるものの、来年3月まで物価動向を見極める必要があり、追加利上げの可能性は排除できない」
「ECBが政策金利の最終到達点に達したとしても、長期にわたって安定した軌道を描く必要がある」
18日23:14 イエレン米財務長官
「低インフレを達成していると思う」
「FRBによる引き締めの影響はすでに住宅市場でみられている」
「米国は原油価格を非常に注意深く監視している」
「米経済が低迷する兆候は見られない」
「個人消費は引き続き堅調」
「バイデン大統領はガソリン価格を手頃な価格にしたいと考えている」
「政府機関を閉鎖する理由はまったくない」
19日00:13 フリーランド加財務相
「物価安定に全力を尽くす」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=下振れても転換線や21日線が支えになるか>
小陰線引け。
先週末に昨年11月4日以来、約10カ月ぶりの高値147.95円をつけた後を受け値動きは停滞気味だった。
しかし現状からすれば今週末にも水準を切り上げる見込みの一目均衡表・転換線146.93円や、146.77円前後で上昇中の21日移動平均線が下振れ局面での支えとなりそうな状況に変化はない。
底堅い動きが続きそうだ。
レジスタンス1 148.45(2022/11/3高値)
前日終値 147.61
サポート1 146.93(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 146.44(9/12安値)
<ユーロドル=転換線を上回る場面あっても押し返されそう>
小陽線引け。
一目均衡表・転換線1.0701ドル手前では上値が重く、1.06ドル台の動きに終始した。
本日1.0682ドル前後で推移している5日移動平均線を上回ってきたが、引き続き転換線付近の重さは続きそう。
上抜ける場面もありそうだが、相応の売り圧力にさらされ押し返されやすいだろう。
レジスタンス1 1.0769(9/12高値)
前日終値 1.0692
サポート1 1.0632(9/14安値)
<ユーロ円=雲の切り上がり待ち、地合い強める展開想定>
小陽線引け。
一目均衡表・転換線157.62円を回復して引ける底堅さを示した。
一方で上値に控える一目・基準線158.18円付近が重そうな状態に変化はない。
現在156.41円に位置する一目・雲の上限が一時157円台へ上昇する来週に近づくに連れて地合いを強めていく展開を想定する。
レジスタンス1 158.39(9/14高値)
前日終値 157.82
サポート1 157.11(ピボット・サポート2)
<豪ドル円=支えとなる水準の上昇支援に底堅さ続くと予想>
下影小陰線引け。
先週末から週明けにかけ相場の変わり目になることも多い雲のねじれ部分に差し掛かったものの波乱はなく底堅さを維持した。
下値を支える一目均衡表・転換線94.57円を、本日は雲の上限が上回り、下支えが期待できる水準が切り上がった。
その雲の上限94.74円を転換線が再び上回る見込み。
支えとなる水準の上昇を支援に底堅い推移が続くと予想する。
レジスタンス1 95.55(9/15高値)
前日終値 95.02
サポート1 94.57(日足一目均衡表・転換線)
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