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本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、本邦CPIを見極め・その後は200日線が上値を抑える展開か(2023年12月22日)

マーケットレポート

December 22, 2023

【前日の為替概況】米10年債利回り低下でドル安、対円142.05円、対ユーロ1.1013ドル

 

21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続落。
終値は142.12円と前営業日NY終値(143.57円)と比べて1円45銭程度のドル安水準だった。
米商務省が発表した7-9月期米国内総生産(GDP)確定値が年率換算で前期比4.9%増と改定値の5.2%増から下方修正され、予想の5.2%増を下回ったことが伝わると全般ドル売りが先行。
米経済活動の3分の2超を占める個人消費や、米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数が予想を下回ったこともドル売りを誘った。
12月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が▲10.5と予想の▲3.0より弱い結果となったことも相場の重しとなり、1時30分前には一時142.05円と日通し安値を更新した。

市場では「FRBが重視する物価指標がインフレの鈍化を示し、2024年の利下げ期待を高めた」との指摘があった。

ユーロドルは反発。
終値は1.1011ドルと前営業日NY終値(1.0942ドル)と比べて0.0069ドル程度のユーロ高水準だった。
低調な米経済指標が相次いだことで、米利下げ観測が高まるとユーロ買い・ドル売りが優勢となり、取引終了間際に一時1.1013ドルと日通し高値を更新した。

ただ、一時は3.8268%前後と7月24日以来約5カ月ぶりの低水準を付けた米10年債利回りが上昇に転じると伸び悩む場面もあった。

ユーロ円は続落。
終値は156.46円と前営業日NY終値(157.10円)と比べて64銭程度のユーロ安水準。
ユーロドルの上昇につれたユーロ買いが入ったものの、ドル円の下落につれた円買いの影響の方が大きく、1時過ぎに一時156.13円と日通し安値を付けた。

【本日の東京為替見通し】ドル円、本邦CPIを見極め その後は200日線が上値を抑える展開か

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、まずは日本の11月インフレ率を見極めたい。
その後は、米10年債利回りが3.8%台まで低下していることで、200日移動平均線(142.77円)が上値を抑える展開が予想される。

8時30分に発表される日本の11月コア消費者物価指数(CPI)は前年比+2.5%と予想されており、10月+2.9%から減速が見込まれている。
日銀が注視しているコアコアCPI(生鮮食品およびエネルギーを除く)は前年比+3.8%と10月+4.0%を下回るとの予想だ。

予想通りに伸び率が鈍化傾向を続けていた場合、日銀のマイナス金利解除の時期が来年3月以降となる可能性が高まることになる。

しかし、内閣府が21日公表した政府経済見通しによると、2024年度の消費者物価指数(総合CPI)は、日本銀行が掲げる物価目標の+2%を上回る+2.5%へと上方修正された。
政府による前向きな試算は、賃金と物価の好循環実現を目指す日銀による大規模緩和政策の正常化を後押しする材料になることが期待されている。

ドル円は、19日の日銀金融政策決定会合での大規模金融緩和の継続を受けて、142円台から200日線(※142.62円)や日足一目均衡表・転換線を上抜けて144.96円まで上昇。
しかしながらその後、米長期金利の低下を背景に上値が重くなり、転換線や200日線(※142.71円)を下抜けて142円台前半まで反落した。

ドル円のテクニカル分析では売りシグナルが点灯しており、下値目標値は「斜行三角形」の目標値である137.25円となる。

今夜発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している11月米PCEデフレーターは、前年比+2.8%と予想されており、10月+3.0%からの伸び率鈍化が見込まれている。
また、昨日発表された米7-9月期のPCEコア価格指数は前期比年率+2.0%となり、2020年10-12月期以来の低い伸びにとどまった。

米国のインフレ率がFRBのインフレ目標である+2.0%に収束しつつあることで、「フェドウオッチ」が示唆している来年3月のFOMCでの0.25%の利下げ開始が現実味を帯び始めてきた
米10年債利回りは3.8%台へ低下し、ドル売り要因となっている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ☆ 11月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比2.5%)
○08:30 ☆ 11月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比3.8%)
○08:50 ☆ 10月30-31日分の日銀金融政策決定会合議事要旨

<海外>
○16:00 ◇ 11月独輸入物価指数(予想:前月比▲0.5%/前年比▲9.3%)
○16:00 ◎ 11月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比▲1.3%)
○16:00 ◎ 11月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比0.4%/前年比▲1.5%)
○16:00 ☆ 7-9月期英国内総生産(GDP)改定値(予想:前期比横ばい/前年比0.6%)
○16:00 ◇ 7-9月期英経常収支(予想:150億ポンドの赤字)
○16:45 ◇ 12月仏消費者信頼感指数(予想:88)
○16:45 ◇ 11月仏卸売物価指数(PPI)
○21:00 ◇ 11月メキシコ貿易収支(予想:4.04億ドルの黒字)
○22:30 ☆ 10月カナダGDP(予想:前月比0.2%/前年比1.0%)
○22:30 ◎ 11月米耐久財受注額(予想:前月比2.2%/輸送用機器を除く前月比0.1%)
○22:30 ◎ 11月米個人消費支出(PCE、予想:前月比0.3%)
     ◎ 11月米個人所得(予想:前月比0.4%)
     ☆ 11月米PCEデフレーター(予想:前年比2.8%)
     ☆ 11月米PCEコアデフレーター(予想:前月比0.2%/前年比3.3%)
○24:00 ☆ 11月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.6%/69.0万件)
○24:00 ◎ 12月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:69.4)
○ニュージーランド、英国などはクリスマス前で短縮取引
○米債券市場は短縮取引(クリスマスの前営業日)

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

21日14:47 神田財務官
「為替市場、米利下げ期待の高まりなどで、今はドル安基調」
「円安の要因は日米金利差を材料にしたキャリートレードを含めた投機」
「一般論として日本に魅力がなければ(円は)下がるに決まっている」

21日16:16 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「金利は本来の役割を果たしていて、インフレ率が低下している」
「インフレ率が目標の2%に収束すると、金融政策は緩和し始める可能性がある」
「しかし、今それ(目標の2%に収束するの)が起こるにはまだ時期尚早」
「ECBは依然としてデータに依存している」
「最近のデータは良好だが、政策を変更するには十分ではない」
「利下げについて話すのは時期尚早だ」

21日20:04 トルコ中銀声明
「ディスインフレ過程を確立するために必要な金融引き締めの程度に相当程度近づいたと評価」
「できる限り早期に金融引き締めサイクルを完了することを予想」
「国内需要の堅調さ、サービスインフレの粘着性、地政学的リスクがインフレ圧力を後押し」
「金融政策の引き締めが金融状況を通じて国内需要の減速を示唆」
「物価の安定という主目標に沿って、あらゆる手段を断固として使い続ける」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=下向きの転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円=下向きの転換線を抵抗に戻り売りスタンス

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯中。
2手連続陰線で200日移動平均線や転換線を下回って推移しており、続落の可能性が示唆されている。

本日は143円半ばまで水準を下げてきた転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  144.96(12/19高値)
レジスタンス1  143.58(日足一目均衡表・転換線)
前日終値  142.12
サポート1  141.43(12/15安値)
サポート2  140.97(12/14安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=上昇中の転換線を支持に押し目買い>

ユーロドル=上昇中の転換線を支持に押し目買い

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
抱き線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
ただし、ダブル・トップ(1.1017ドル・1.1013ドル)
の可能性には依然として留意しておきたい。

本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  1.1150(7/27高値)
前日終値  1.1011
サポート1  1.0887(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線は上回って引け、12/19安値が支持に>

ユーロ円=転換線は上回って引け、12/19安値が支持に

各ラインの期間

 

 陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けているため三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、2手連続陰線でも転換線を上回って引けており、反発の可能性が残されている。

本日は156.20円台で横ばいの転換線を念頭に置き、19日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  158.12(12/20高値)
前日終値  156.46
サポート1  155.39(12/19安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=96円前半の転換線を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円=96円前半の転換線を支持に押し目買いスタンス

各ラインの期間

 

小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、孕み線で小反発して転換線を上回って推移しており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は96円前半の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  97.59(12/19高値)
前日終値  96.66
サポート1  96.10(日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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