December 27, 2023
【前日の為替概況】ユーロ円、続伸 米株上昇でリスク選好意欲が高まり円売り・ユーロ買い優勢
26日のニューヨーク外国為替市場でユーロ円は続伸。
終値は157.24円と前営業日NY終値(156.73円)と比べて51銭程度のユーロ高水準だった。
連休明けの米国株相場が上昇すると、投資家のリスク選好意欲が高まり円売り・ユーロ買いが優勢となった。
5時前に一時157.37円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。
ポンド円は一時181.30円、豪ドル円は97.24円、NZドル円は90.21円、カナダドル円は108.01円、スイスフラン円は167.00円まで値を上げた。
ユーロドルは3日続伸。
終値は1.1042ドルと前営業日NY終値(1.1008ドル)と比べて0.0034ドル程度のユーロ高水準だった。
10月米住宅価格指数や同月米ケース・シラー住宅価格指数が予想を下回ったことでユーロ買い・ドル売りが先行。
ユーロ円の上昇につれた買いも入り、一時1.1045ドルと日通し高値を更新した。
ただ、クリスマスは過ぎたものの、欧州市場はボクシングデーで本日も休場。
ニューヨーク勢も本格的な参入は明日以降となるため、閑散取引の中での動意に乏しい展開となった。
今日一日の値幅は0.0036ドル程度と小さかった。
ドル円は小幅ながら続伸。
終値は142.40円と前営業日NY終値(142.35円)と比べて5銭程度のドル高水準だった。
ユーロ円などクロス円の上昇につれた買いが入り一時142.63円と日通し高値を付けたものの、22日の高値142.66円が目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。
【本日の東京為替見通し】年末スポット応当日で仲値に警戒、インフレ基調指標低下は円安要因
本日からオセアニア(オーストラリア、ニュージーランド)市場や、香港市場が休場明けとなるほか、主だった欧州市場やカナダ市場も再開される。
市場流動性は若干回復するとは思われるが、年末に向けてリスクを積極的に取る地合いにはなりにくく、わずかなフローでも市場が大きく動く相場展開は変わらないだろう。
本日のドル円は、まずは東京仲値にかけての値動きが警戒される。
本日はスポット応当日が月末・期末・年末とあって、実需勢の動きが活発化する可能性がある。
昨年も仲値にかけては、邦銀を中心にドル円を買い上げ、仲値は右寄りのレートに設定された。
しかし、今週に入り仲値直前になるとドル売り・円買いが優勢になり、25・26日はともに東京時間の安値を仲値直前に更新する動きを見せている。
流動性が引き続き悪いことで、仲値にかけては強引に値幅を伴う動きには要警戒となる。
ドル円の下値を支えるのは、昨日日銀が11月の全国消費者物価指数(CPI)から算出した「刈込平均値」「加重中央値」「最頻値」のインフレ基調3指標が、それぞれ低下したこと。(「刈込平均値」は、品目別価格変動分布の両端の一定割合(上下各10%)を機械的に控除した値。「加重中央値」は、中央値の近傍にある価格変化率を加重平均した値。「最頻値」は、価格変動分布において最も頻度(密度)の高い価格変化率を指す。)
この3指標の伸び率が同時にすべて縮小したのは、生鮮食料品を除くコアCPIが2%を超えてからは22年4月以来となる。
刈込平均値は日銀がインフレを判断する際に重要視しているともいわれているが、同平均値は9月には3.4%となり、統計が遡れる2001年以降最高となった。
しかし、10月には3.0%、11月は今年2月以来となる2.7%まで低下した。
11月のコア全国CPIが昨年7月以来となる2.5%まで低下したことで刈込平均値も低下予想とはなっていたが、インフレ傾向が抑えられている状況となれば、日銀の早期の金融緩和解除が遠のき円売り要因となる。
一方で、ドル円の上値を抑えるのは、昨日の米住宅指標が弱い結果となったこと。
グールズビー米シカゴ連銀総裁が11月に「インフレ改善の鍵は住宅」と発言したように、第4四半期の住宅価格が落ち着いたことが確認されれば、来年の米連邦公開市場委員会(FOMC)での早期利下げ開始期待が高まることが挙げられる。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 日銀金融政策決定会合における主な意見(12月18-19日分)
○14:00 ◇ 11月新設住宅着工戸数(予想:前年比▲4.3%)
<海外>
○24:00 ◎ 12月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲3)
○28日01:00 ◎ 11月ロシア失業率(予想:2.9%)
○28日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
26日17:47 岸田首相
「30年来のデフレ心理の蔓延が経済に深刻な劣化を生んだ」
「ようやく30年の出口に移りつつある」
「コロナ以降、経済の潮目は確実に変わっている」
「大事なのは物価上昇を上回る賃上げ」
「今年を上回る賃上げを強力に後押しする」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=200日線や転換線の上昇へ追随しにくいか>
小陽線引け。
相場の強弱を判断する際の分岐点とされる200日移動平均線を下回る水準で動意の鈍い状態が続いた。
142.93円前後へ切り上がった200日線を追うような展開を期待したいところ。
一目均衡表・転換線が143.20円と上昇へ転じたことも足もとの支援になるかもしれない。
だが、転換線がほどなく頭打ちとなる見込みは変わらず。
むしろ142.33円前後で低下傾向の5日移動平均線が示唆する下向きのリスクがより懸念される。
レジスタンス1 143.05(12/19-22下落幅の38.2%戻し)
前日終値 142.40
サポート1 141.87(12/22安値)
サポート2 141.43(12/15安値)
<ユーロドル=5日線を上回る水準の底堅さ維持>
小陽線引け。
大きな動きではないが、1.10ドル台前半で上昇中の5日移動平均線を上回る水準の底堅さを維持した。
22日に上値が抑えられた際の高値1.1040ドルを抜けたところでも伸び悩まず1.1045ドルまで8月10日以来、4カ月半ぶりの高値を更新。
本日1.1024ドル前後へ切り上がった5日線を調整で割り込むようなことがあっても、上昇傾向の一目均衡表・転換線1.0967ドルが支えとなりそうな構図は変わらず。
じり高の流れが続くとみる。
レジスタンス1 .1086(12/22-25下落幅の倍返し)
前日終値 1.1042
サポート1 1.0994(12/22・25安値)
<ユーロ円=低下予想される基準線が上伸を妨げる可能性も>
小陽線引け。
一目均衡表・転換線付近の底堅さを維持した。
本日156.49円へ切り上がった同線を支えに158円割れ水準へ低下してきた21日移動平均線を試す展開となりつつある。
ただ、21日線の抵抗をこなしたとしても、現状からすれば来週にも現水準158.48円から157円台へ低下する見込みの一目・基準線が次の抵抗となるか。
転換線の頭打ちも予想され、上伸にはこれらの重さを克服する必要がある。
レジスタンス1 157.85(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 157.24
サポート1 156.58(12/26安値)
<豪ドル円=雲を上回って小高く推移>
小陽引け。
緩やかな上昇傾向の一目均衡表・雲の上限は強い抵抗にならず、雲を上回って小高く推移した。
19日高値97.59円が目先の上値の節目。
同水準を抜けて上昇に勢いがつけば、11月16日につけた年初来高値98.62円も位置する98円台が視野に入ってくる。
レジスタンス1 97.59(12/19高値)
前日終値 97.18
サポート1 96.63(ピボット・サポート2)
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DZH Finacial Research
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