February 7, 2024
【前日の為替概況】ドル円、147.83円まで下落 米10年債利回りが4.07%台まで低下
6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。
終値は147.94円と前営業日NY終値(148.68円)と比べて74銭程度のドル安水準だった。
20時過ぎに一時148.79円と日通し高値を付けたものの、前日に付けた年初来高値148.89円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。
好調な米3年債入札を受けて米10年債利回りが4.07%台まで低下したことも相場の重しとなった。
前日の安値148.27円を下抜けて一時147.83円まで値を下げた。
なお、米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を有するメスター米クリーブランド連銀総裁は「インフレが低下しなければFRBは現行政策を維持」「時期尚早の利下げは間違い」「年内に3回の利下げを依然として見込む」「利下げを急ぐ必要性があるとは思わない」などと述べたが、相場の反応は限られた。
ユーロドルは3日ぶりに小反発。
終値は1.0755ドルと前営業日NY終値(1.0743ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ高水準となった。
米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0723ドルと前日の安値に面合わせしたものの、売り一巡後は下げ渋った。
米長期金利が低下に転じたことで全般ドル売りが優勢になると、6時前に1.0757ドル付近まで持ち直した。
ただ、ユーロの戻りは鈍かった。
ユーロ豪ドルなどユーロクロスの下落が相場の重し。
ユーロ豪ドルは一時1.6481豪ドル、ユーロNZドルは1.7683NZドル、ユーロポンドは0.8533ポンドまで値を下げた。
ユーロ円は続落。
終値は159.11円と前営業日NY終値(159.73円)と比べて62銭程度のユーロ安水準。
ドル円の下落につれた売りが強まると前日の安値159.39円を下抜けて一時158.97円と日通し安値を更新した。
ユーロクロスの下落につれた売りも出た。
【本日の東京為替見通し】ドル円、米長期金利の低下で上値が重い展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期金利の低下を受けて上値が重い展開が予想される。
昨日のドル円の高値は148.79円、米10年債利回りは4.16%まで上昇する局面があった。
しかしながら、同債利回りが4.07%台まで低下したことで147.83円まで反落。
今年のドル円の高値水準と米10年債利回りの関係は、1月19日が148.80円で4.19%、2月5日が148.89円で4.17%となっている。
昨年のドル円は、早期の米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始と日銀によるマイナス金利解除観測から、11月13日の高値151.91円から12月28日の安値140.25円まで11.66円下落した。
米10年債利回りは11月13日には4.69%台へ上昇したものの、12月28日には3.79%台へ低下していた。
今年は、日米金融政策の早期転換観測の後退や新NISA(少額投資非課税制度)による円売り圧力などから、昨年末の下落幅の半値戻し(146.08円)や61.8%戻し(147.46円)を上抜けて、76.4%戻しの149.16円に迫っている。
ドル円が149円の手前で伸び悩んでいる要因としては、日銀会合での「物価見通しが実現する確度」への言及により、春闘での賃上げ確認後にマイナス金利が解除される可能性。
また、5月FOMCでの利下げが開始される可能性が残されていることなどがあるのかもしれない。
昨日発表された12月毎月勤労統計調査(速報)によると、実質賃金は前年比1.9%減と21カ月連続のマイナスとなったが、減少率は2カ月ぶりに縮小した。
名目賃金は1.0%増と24カ月連続でプラスとなり、実質賃金の改善に寄与していた。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」は、3月のFOMCでの0.25%の利下げ開始確率は20%程度、据え置き確率は80%程度。
5月FOMCでの利下げ開始確率は55%程度、年内の利下げ予想は5回で、12月FOMCでのFF金利予想は4.00-25%となっている。
なお、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのドット・プロット(金利予測分布図)では、今年末時点でのFF金利は4.6%(※4.50-75%)と予想されており、0.25%での3回の利下げが示唆されていた。
パウエルFRB議長は先日のCBSニュースの番組「60ミニッツ」で、利下げ開始に関して、「拙速に行動することの危険性」に言及していた。
そして、2021年までに、「インフレ高進は一時的」との判断から、「拙速」な利上げに踏み切らなかったことを後悔していた。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 1月外貨準備高
○14:00 ◇ 12月景気動向指数速報値(予想:先行109.3/一致116.1)
<海外>
○09:00 ◎ ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○15:45 ◇ 1月スイス失業率(季節調整前、予想:2.5%)
○16:00 ◎ 12月独鉱工業生産(予想:前月比▲0.4%/前年同月比▲2.4%)
○16:45 ◇ 12月仏貿易収支
○16:45 ◇ 12月仏経常収支
○17:40 ◎ ブリーデン英中銀(BOE)副総裁、講演
○18:30 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○未定 ◎ ポーランド中銀、政策金利発表(予想:5.75%で据え置き)
○21:00 ◇ MBA住宅ローン申請指数
○21:00 ◎ 12月ブラジル小売売上高(予想:前年同月比2.9%)
○22:30 ◇ 12月カナダ貿易収支(予想:11.0億カナダドルの黒字)
○22:30 ◎ 12月米貿易収支(予想:622億ドルの赤字)
○8日00:30 ◇ EIA週間在庫統計
○8日01:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○8日01:00 ◎ 12月ロシア失業率(予想:3.0%)
○8日01:30 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○8日02:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○8日03:00 ◎ 米財務省、10年債入札
○8日03:00 ◎ 1月ブラジル貿易収支(予想:73.50億ドルの黒字)
○8日04:00 ◎ ボウマンFRB理事、講演
○8日05:00 ◇ 12月米消費者信用残高(予想:160.0億ドル)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
6日08:47 鈴木財務相
「金融政策は日銀の独立性を尊重」
「適切な金融政策運営を行っていただきたい」
6日12:35 オーストラリア準備銀行(RBA)声明
「最近のデータはインフレが緩和していることを示しているものの、依然として高水準にある」
「理事会はインフレ率が持続的に目標範囲内に収まるにはまだ時間がかかると予想」
「妥当な期間内にインフレ率が目標に戻ることを最も確実にする金利の道筋はデータとリスク評価の進展に依存しており、さらなる金利上昇の可能性を排除することはできない」
「明るい兆しはあるものの、経済見通しは不透明」
「中心的な予測ではインフレ率が2025年に2-3%の目標範囲に戻り、2026年には目標中間点に戻る」
6日12:35 豪準備銀行(RBA)四半期金融政策報告
「インフレは引き続き緩やかになり、目標の範囲に戻ると予想」
「サービス価格のインフレ率は依然として高い水準」
「インフレが目標に戻ることを支援するため、政策金利は据え置き」
「金融引き締め政策の影響で、過去1年間の需要の伸びは顕著に鈍化」
「労働市場の状況は依然逼迫しているが、ここ数カ月間は緩和が続いている」
「高インフレと早期の利上げが引き続き消費の重しとなり、全体的な需要の伸びは短期的には抑制された状態が続くと予想」
6日13:40 ブロック豪準備銀行(RBA)総裁
「インフレで良い進展があるが、仕事は終わっていない」
「インフレ期待がさらに変動するリスクがある」
「インフレが目標に戻っていることを保証するデータを求めている」「CPIには良い兆候が見られるものの、警戒が必要」「金利リスクはかなりバランスの取れた状態と判断」「利下げにはCPIが持続的に2.5%になるという確信が必要」
6日14:37 植田日銀総裁
「ETF買い入れ、物価目標見通せるようになったときは
継続が良いか検討。保有ETFの処分は考える時間的余裕がある」
6日14:38 岸田首相
「政府の経済政策理解した上で日銀独自の金融政策判断があるべき」
6日17:56 デコス・スペイン中銀総裁
「インフレは目標に戻りつつある」
7日02:31 メスター米クリーブランド連銀総裁
「金融政策は良好な状況。FRBは年内利下げの可能性」
「FRBが利下げする場合、利下げは緩やかなペースになる可能性が高い」
「インフレが低下しなければFRBは現行政策を維持」
「時間の経過とともにインフレ率は2%に戻ると予想」
「今年は成長と雇用が鈍化するとみられる」
「労働市場が予想よりも早く冷え込むリスクに注意が必要」
「時期尚早の利下げは間違い」
「インフレは予想よりも持続する可能性がある」
「インフレ率が2%に到達するには賃金上昇率が依然として高すぎる」
「年内に3回の利下げを依然として見込む」
「利下げを急ぐ必要性があるとは思わない」
「バランスシート縮小のペースを落とす緊急性ない」
7日02:48 マックレム・カナダ銀行(中央銀行)総裁
「当局者らは金利5%をどれだけ維持するかに焦点を当てている」
「2024年半ばまで成長が停滞すると見ている」
「金融政策にもっと時間を与える必要」
「2%のインフレへの道は遅れる可能性が高い」
7日03:11 イエレン米財務長官
「ドル離れのインセンティブは存在する」
「ドルへの深刻な脅威は認識せず」
7日03:40 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「インフレデータは前年比がまだ十分ではない」
「インフレに関してはまだ完了していないものの、データは前向き」
「金利を設定する際、政治や選挙のことは考慮しない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陽線で年初来高値148.89円まで上昇した後、抱き線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており、反発の可能性が示唆されている。
本日は、横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 149.75(2023/11/22高値)
レジスタンス1 148.89(2/5高値)
前日終値 147.94
サポート1 147.40(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 146.08(日足一目均衡表・雲の上限)
<ユーロドル=低下中の転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けたことで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
2手連続陰線の後に孕み線で切り返したものの、依然として転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は低下中の転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0811(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0755
サポート1 1.0656(2023/11/10安値)
<ユーロ円=2/5高値を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、2手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線159.51円を念頭に置き、5日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 160.27(2/5高値)
前日終値 159.11
サポート1 158.77(日足一目均衡表・雲の上限)
<豪ドル円=転換線・基準線を念頭に置いた取引>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回っているものの、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、買いシグナルが優勢な展開。
しかし、抱き線で反発したものの転換線を下回って引けており、反落の可能性が示唆されている。
本日は転換線96.60円や基準線96.69円を念頭に置いた取引に。
それら水準の下で推移するようであれば下値余地が広がりそうだ。
クリアに両線を超えて行くようであれば、1月29日の高値が意識される。
レジスタンス1 97.70(1/29高値) 前日終値 96.51 サポート1 95.50(2/1安値)
Provided by
DZH Finacial Research
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