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本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):日豪経済指標を受けたリスクセンチメントの強弱を見定め(2024年2月15日)

マーケットレポート

February 15, 2024

【前日の為替概況】ユーロドル、3日ぶり反発 ECB副総裁が早期利下げに慎重な姿勢を示す

14日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反発。
終値は1.0727ドルと前営業日NY終値(1.0709ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ高水準となった。
欧州市場では米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となり、一時1.0695ドルと昨年11月14日以来3カ月ぶりの安値を付ける場面があった。

ただ、デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁がECBの早期利下げに慎重な姿勢を示すと買い戻しが優勢に。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.24%台まで低下したこともユーロ買い・ドル売りを促し、2時前に一時1.0735ドルと日通し高値を付けた。

主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.66と日通し安値を付けた。

ドル円は3日ぶりに反落。
終値は150.58円と前営業日NY終値(150.80円)と比べて22銭程度のドル安水準だった。
前日の1月米CPIの上振れを受けて急伸した反動が出たほか、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入り、3時過ぎに一時150.35円と日本時間夕刻に付けた日通し安値に面合わせした。
ただ、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しも限定的だった。

ユーロ円は小幅ながら続伸。
終値は161.53円と前営業日NY終値(161.48円)と比べて5銭程度のユーロ高水準。
日本時間夕刻に一時160.96円と日通し安値を付けたものの、前日の安値160.79円がサポートとして働くと下げ止まった。
米国株や日経平均先物の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となり、取引終了間際に161.59円と日通し高値を更新した。

代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインはこの日も買いが優勢となった。
対ドルでは一時5万2053ドル前後と2021年12月以来の高値を付けたほか、対円では782万円台と史上最高値を更新した。

【本日の東京為替見通し】日豪経済指標を受けたリスクセンチメントの強弱を見定め

本日の東京為替市場では、序盤に発表される本邦GDPや豪雇用統計を受けたリスクセンチメントの強弱に振らされる展開となりそうだ。
ただし、昨日は米10年債利回りの上昇は一服したとはいえ日米金利差は広がったままと考えると、ドル円の下値の堅さは継続されるのではないか。
またゴトー日(5・10日)ということもあり、東京仲値にかけたフローにも注意しておきたい。

10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値の市場予想は前期比0.3%/前期比年率1.4%とされ、マイナス成長だった前四半期から改善が見込まれている。
遅行指標ではあるが、景気の持ち直しが指標でも確認されるようだと、高止まりする日本株に対して買い安心感が更に強まることになりそうだ。

なお日銀が金融政策の正常化に転じるうえで重要視する賃金動向だが、春闘において大手企業の労働組合からは強気な要求が目立つもよう。
日経新聞によれば、自動車メーカーの労働組合では5%超の賃上げ、製鉄業界では約10%の賃金改善を求めているようだ。
大手企業が中心の動きとはいえ、賃金の着実な上昇が春闘で確認されれば、日銀4月会合でマイナス金利解除が現実味を増してきそうだ。

ただし景気改善や賃上げから日銀の政策修正への思惑が高まっても、本邦金利が一気に上昇幅を拡大することは考えづらい。
そういった中で為替が円買いに動いたとしても、大きな流れのなかの調整の範囲に留まるかもしれない。

米国に目を向けると早期の利下げ観測は後退したまま。
金利先物市場は3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利据え置きを確実視、次回の4月30日-5月1日会合でも据え置き織り込み度が60%以上とされている。

日本時間9時30分には1月豪雇用統計が発表予定。
市場は失業率が4.0%と前回から0.1ポイント悪化、一方で新規雇用者数は3万人増と前回6万人超の減少から改善を予想している。
注目ポイントの1つは、12月分で10万人以上減少していた常勤雇用者数か。
ヘッドラインが良くても内容がさえないとなれば、昨日は株高を背景に強含んだ豪ドルの腰折れに繋がるかもしれない。

先週の豪準備銀行(RBA)理事会を通過し、こちらも早期の利下げ観測が後退している。
豪雇用データ次第で先行き金利見通しに不透明感が広がるかもしれず、そうなると豪ドルもかなり神経質な動きとなるだろう。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 10-12月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.3%/前期比年率1.4%)
○13:30 ◇ 12月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 12月設備稼働率

<海外>
○09:00 ◎ 10-12月期シンガポール国内総生産(GDP)確定値(予想:前期比年率1.4%)
○09:30 ◎ 1月豪雇用統計(予想:失業率4.0%/新規雇用者数3.00万人)
○16:00 ☆ 12月英国内総生産(GDP、予想:前月比▲0.2%)
○16:00 ☆ 10-12月期英GDP速報値(予想:前期比▲0.1%/前年比0.1%)
○16:00 ◎ 12月英鉱工業生産(予想:前月比▲0.1%/前年比▲0.4%)
○16:00 ◎ 12月英製造業生産高(予想:前月比横ばい)
○16:00 ◇ 12月英商品貿易収支/英貿易収支(予想:149.00億ポンドの赤字/24.00億ポンドの赤字)
○16:30 ◇ 1月スイス生産者輸入価格
○17:00 ◇ 1月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲33.0)
○17:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○17:30 ◎ デコス・スペイン中銀総裁、講演
○19:00 ◇ 12月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前215億ユーロの黒字/季節調整済156億ユーロの黒字)
○21:00 ◎ レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○22:00 ◎ グリーン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:15 ◇ 1月カナダ住宅着工件数(予想:23.50万件)
○22:30 ◇ 12月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲0.6%)
○22:30 ◎ 2月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲15.0)
○22:30 ☆ 1月米小売売上高(予想:前月比▲0.1%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:30 ◎ 2月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:▲8.0)
○22:30 ◇ 1月米輸入物価指数(予想:前月比横ばい)
○22:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:22.0万件/188.0万人)
○22:50 ◎ マン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○23:15 ◎ 1月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
     ◇    設備稼働率(予想:78.8%)
○24:00 ◎ 2月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:46)
○24:00 ◇ 12月米企業在庫(予想:前月比0.4%)
○16日03:00 ◎ ナーゲル独連銀総裁、講演
○16日03:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○16日03:40 ◎ オア・ニュージーランド準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○16日06:00 ◎ 12月対米証券投資動向
○中国(旧正月)、休場

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

14日08:01 神田財務官
「最近の為替の動きはかなり急速」
「必要があれば適切に対応」
「高い緊張感を持って注視」
「災害対応と同じで24時間365日対応できる準備を整えている」
「投機的な動き、いかがなものか」
「(150円超えでコメントした理由を問われ)特定の水準を考えて行動していない」
「為替、ファンダメンタルズに沿った部分と明らかな投機的な動きと両方ある」
「金融政策について、日銀の出した判断を尊重する」

14日08:46 鈴木財務相
「為替の急激な変動は望ましくない」
「より一層強い緊張感を持って市場動向をみている」

14日16:10 林官房長官
「為替相場は安定的に推移することが重要」
「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視したい」

14日17:39 デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁
「必要な情報が揃うまでにはもう少し時間がかかる」
「データ次第の動きを続ける」
「利上げの影響の多くはまだこれから現れる」
「ディスインフレプロセスは続いている」

14日23:38 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「インフレ率が12カ月ベースで2%になるまで利下げを待つことには賛成しない」
「昨日のCPIデータは不可解だったが、注目している」
「現在の政策スタンスはかなり制限的」

15日00:14 ベイリー英中銀(BOE)総裁
「賃金の伸びが鈍化している兆しがある」
「賃金上昇緩和のさらなる証拠を確認する必要」
「我々はどの程度制限的な政策を行う必要があるかという問題から、どの程度の期間政策を維持する必要があるかという問題に移行した」
「最新のインフレデータは良いニュース。予想よりも下押し圧力が強いことを示唆」
「成長が加速し始める兆しが見え始めている」

15日01:21 ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事
「フォワードガイダンスはより柔軟であるべきだ」
「フォワードガイダンスは政策金利の道筋の可能性も示唆」
「FRBのガイダンスは制限的すぎた可能性」

15日02:49 イエレン米財務長官
「CPIのわずかな変動に注目するのは大きな間違いだ」
「やるべきことはまだたくさんあることはわかっているが、米国全土で良い雇用が創出されている」
「ガソリン、卵、自動車、トラックの価格が下落した。全体的なインフレは正常な水準に戻りつつある」

15日06:57 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長
「1月の雇用やインフレ関連の統計は予想より強かった、FRBは数字全体を見ている」
「現在の金融政策決定、歴史的に類似事例なく『困難』」
「データはFRBが『良い道筋』にあることを示唆、ソフトランディングになるかどうかの判断は時期尚早」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=高値圏でいったん小休止>

ドル円=高値圏でいったん小休止

パラメータ(2.15)

小陰線引け。
高値圏でいったん小休止。
ただ、一目均衡表の主要指標をはじめ主なトレンド系テクニカル指標は軒並み上方向を示したままで、上昇継続の流れに大きな変調はない。

高値圏の調整が相応に大きめな反落となる可能性を視野に入れつつも、足もとの上昇の半値押しや、上昇が続く見込みの一目均衡表・転換線といった水準からの折り返しを狙いたいところ。

レジスタンス1 151.43(2023/11/16高値)
前日終値 150.58
サポート1 149.91(2/12-13上昇幅の半値押し)
サポート2 149.26(日足一目均衡表・転換線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換線は引き続き重しも、現水準に接近>

ユーロドル=転換線は引き続き重しも、現水準に接近

パラメータ(2.15)

小陽線引け。
一目均衡表・転換線を下回る水準の推移が続いた。
本日1.0751ドルへ大きく切り下がった転換線は引き続き目先の重しとなりそう。
しかし、現相場水準へ近づいてきたことで、少しずつ戻しては横ばいを続けるペースで同線をやがてこなすパターンを想定しやすくなってきた。

レジスタンス1 1.0806(2/12高値)
前日終値 1.0727
サポート1 1.0665(2023/11/13安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=5日線や転換線を支えに底堅い>

ユーロ円=5日線や転換線を支えに底堅い

パラメータ(2.15)

下影小陽線引け。
160.96円まで下押しが先行も、161円台で上昇中の5日移動平均線をやや下回った同水準では下げ渋り、161円半ばへ戻しNYを引けている。
本日161.28円前後へ切り上がった5日線や、上昇が続く見込みの一目均衡表・転換線160.28円を支えとした底堅い推移が続くとみる。

レジスタンス1 161.86(1/19高値)
前日終値 161.53
サポート1 160.96(2/14安値)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=21日線付近で底堅さ示し98円回復うががう>

豪ドル円=21日線付近で底堅さ示し98円回復うががう

パラメータ(2.15)

下影陽線引け。
一時97.07円と、先週末9日以来の97円割れをうかがう場面もあった。
しかし21日移動平均線前後で下げ渋る格好となり、そこから戻す動きに。
本日21日線は97.15円前後へ切り上がっている。
昨年11月29・30日高値などが控える98円台の回復をうかがう上向きの流れが続くと予想する。

レジスタンス1 98.11(2023/11/29・30高値)
前日終値 97.76
サポート1 97.15(21日移動平均線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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DZH Finacial Research

「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。 豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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