February 19, 2024
【前日の為替概況】予想を上回る米1月PPIでドル高 対円150.65円、対ユーロ1.0732ドル
16日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは小幅ながら3日続伸。
終値は1.0777ドルと前営業日NY終値(1.0772ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ高水準となった。
米労働省が発表した1月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.3%/前年比0.9%と予想の前月比0.1%/前年比0.6%を上回り、食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.5%/前年比2.0%と予想の前月比0.1%/前年比1.6%より強い内容だったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行。
22時30分過ぎに一時1.0732ドルと日通し安値を付けた。
ただ、前日の安値1.0725ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが進んだ。
市場では「米国の3連休を控えたポジション調整目的のドル売りが出た」との声も聞かれ、4時過ぎには一時1.0787ドルと日通し高値を更新した。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは米PPIの上振れを受けて一時104.67まで上昇したものの、4時30分前には104.17まで低下した。
ドル円は3営業日ぶりに反発。
終値は150.21円と前営業日NY終値(149.93円)と比べて28銭程度のドル高水準だった。
予想を上回る米PPIを受けて一時150.65円と日通し高値を付けたものの、13日の1月米消費者物価指数(CPI)後に付けた年初来高値150.89円がレジスタンスとして意識されると失速した。
週末を控えたポジション調整目的のドル売りが出ると150.09円付近まで下押しした。
もっとも、日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは出やすく、下押しも限定的だった。
ユーロ円は上昇。
終値は161.82円と前営業日NY終値(161.52円)と比べて30銭程度のユーロ高水準。
日銀の低金利政策が続くとの見方が強まる中、フランスやドイツの株価指数が史上最高値を更新するとリスク・オンの円売りが出た。
4時過ぎには一時161.95円と日通し高値を更新した。
また、ポンド円は一時189.52円、豪ドル円は98.26円、NZドル円は92.12円まで値を上げた。
【本日の東京為替見通し】ドル円、日経平均株価の史上最高値更新期待で底堅い展開か
本日の東京外国為替市場のドル円は、ニューヨーク市場が休場のため動きづらい展開の中、日経平均株価の史上最高値の更新期待から底堅い展開が予想される。
先週16日の日経平均株価は38865.06円まで上昇し、1989年12月29日のザラバの高値38957.44円に92.38円、終値38915.87円に50.81円まで迫った。
本日のドル円は、日経平均株価の史上最高値の更新期待から底堅い展開が予想される。
ちなみに、1989年12月29日のドル円は143円台で推移しており、1990年4月2日の高値160.15円に向けた上昇トレンドの途上だった。
米国1月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の伸び率鈍化傾向がやや収まりつつあることで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始は、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで先送りされている。
また、29日に発表される米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月のPCE総合価格指数は、1月のPPIでのポートフォリオ管理と投資アドバイスの指数が上昇していたことで、CPIやPPIと同様の伸び率が予想されつつある。
ドル円の懸念材料としては、イエレン米財務長官やバーFRB副議長(銀行監督担当)が懸念を表明した商業用不動産リスクが挙げられる。
また、ドル円は中期的には「ダブル・トップ(151.95円・151.91円)」を形成している。
2022年10月の高値151.95円では、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入で127円台まで反落、2023年11月の高値151.91円では、植田日銀総裁の「チャレンジング」発言で140円台まで反落している。
ドル円が現状の上昇トレンドで151円台に乗せた場合、本邦通貨当局からの円安抑制措置には警戒しておきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◎ 12月機械受注(予想:船舶・電力除く民需 前月比2.7%/前年比▲1.3%)
<海外>
○16:00 ◎ 1月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比▲0.4%/前年比5.1%)
コア指数(予想:前月比▲0.6%/前年比3.1%)
○22:30 ◇ 1月カナダ鉱工業製品価格
○22:30 ◇ 1月カナダ原料価格指数
○米国(プレジデンツデー)、カナダ(ファミリーデー)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
16日09:01 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「米労働市場と経済が依然強固であることから、利下げを急ぐ必要はない」
「インフレが2%の目標に持続可能な方法で向かっていることが明らかになるまで待つべき」
「米国経済は金利変動の影響を受けにくい」
「1月のCPIは、インフレ率低下の傾向に大きな変化は見られない」
「今年は9月と12月の計2回の利下げを見込んでいる」
17日01:10
「最近のインフレデータを受け入れられるが、FRBは政策について忍耐強くあるべき」
「CPIには少し驚いた」
「夏には正常化を始める時期が来るだろうと信じているが、さらに進展があればその前に時期をずらせることも出来る」
「ドットプロットでは2回の利下げにしたが、3回の利下げに変えられる」
16日09:03 鈴木財務相
「金融政策は日銀にお任せ、日銀の独立性を尊重」
「為替は安定的に推移するのが望ましい」
「引き続き高い緊張感もって市場を注視」
「円安が経済に与える影響、輸入価格上昇で企業・消費者に負担増とのマイナス面がある」
「政府として円安のマイナス面を緩和しながら、プラス面最大化するのが重要」
「(日独GDP)バブル崩壊以降の消費や投資低迷、日本の低い成長率続いてきたのは事実」
「為替の急激な変動は好ましくない」
「円安、プラスマイナス両面あるがマイナスの方に懸念を持っている」
「為替の動向、極めて緊張感をもってみている」
「日銀のマイナス金利解除など金融政策変更でただちにデフレ脱却と判断するわけではない」
「デフレ脱却がマイナス金利解除と連動するかはコメントできない」
「デフレ脱却を宣言するか、今のところ確たることは決まってない」
16日11:53 植田日銀総裁
「マイナス金利を解除したとしても、緩和的な金融環境が当面続く可能性が高い」
「財務の健全性を確保することは重要」
「引き続き財政の健全性に留意しつつ、適切な政策運営に努める」
「24・25年度物価見通し実現なら、デフレからはほど遠い状態」
「2024年度の物価見通し下方修正は原油価格下落を反映」
「賃金上昇に伴う物価安定目標の実現を目指している」
「春闘など各種データ分析し、賃金・物価好循環強まり確認」
「さまざまな情報やデータを丹念に分析し政策判断」
「2%目標見通せば、現在実行している措置の継続是非検討」
16日14:06 ビルロワドガロー仏中銀総裁
「利下げは遅くなりすぎよりも徐々に行うことが望ましい」
16日14:30 ハーパー豪準備銀行(RBA)委員
「さらなる利上げの必要性を排除できない」
16日17:54 シュナーベルECB専務理事
「ECBは拙速な政策調整にならないよう慎重になる必要がある」
16日23:15 バー米連邦準備理事会(FRB)副議長
「FRBは銀行の商業不動産融資に細心の注意を払っている」
17日02:51 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「インフレに関してはさらなる取り組みが必要」
「失業率が大幅に低下せずにインフレが鈍化することは、間違いなく良いニュース」
「インフレが継続的に進展していることを確認するには、もう少し時間が必要」
「今後のリスクには、インフレ進行の鈍化、労働市場の低迷などが含まれる」
「FRBは忍耐が必要なときに、迅速に行動したいという誘惑に抵抗する必要がある」
「生産性の向上が今後も続くかどうかは不透明」
「紅海とパナマ運河の混乱は新たなリスクになる可能性がある」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
孕み線で切り返して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 151.91(2023/11/13高値)
レジスタンス1 150.89(2/13高値)
前日終値 150.21
サポート1 149.26(日足一目均衡表・転換線)
サポート2 147.89(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=2/14安値を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、三役逆転の強い売りシグナルが点灯している。
しかし、3手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線1.0751ドルを念頭に置き、14日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0832(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 1.0777
サポート1 1.0695(2/14安値)
<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
抱き線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 162.95(2023/11/28高値)
前日終値 161.82
サポート1 160.48(日足一目均衡表・転換線)
<豪ドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。
本日は、上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 98.90(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 98.10
サポート1 97.35(日足一目均衡表・転換線)
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。