March 26, 2024
【前日の為替概況】ユーロドル、3日ぶり反発 ドル円は151.40円台でほぼ横ばい
25日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反発。
終値は1.0837ドルと前営業日NY終値(1.0808ドル)と比べて0.0029ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる中、前週末までにユーロ安・ドル高が進んでいたため、この日はポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
2月米新築住宅販売件数が予想を下回ったことが伝わると全般ドル売りが加速し、23時30分前に一時1.0842ドルと日通し高値を付けた。
その後の下押しも1.0832ドル付近にとどまった。
なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「今年の利下げは1回のみと予想」「経済が想定通りに進展すれば、米連邦準備理事会(FRB)は忍耐強くなることが可能」と述べた一方、グールズビー米シカゴ連銀総裁は「年内3回の利下げを予想」「(6月は利下げ検討の対象となっているかとの質問に対して)すべて検討中だがデータ次第」などと述べたと伝わった。
ドル円はほぼ横ばい。
終値は151.42円と前営業日NY終値(151.41円)と比べて1銭程度のドル高水準だった。
米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.25%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。
週明け早朝取引で付けた151.45円を上抜けて一時151.54円まで値を上げた。
ただ、政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、一本調子で上昇する展開にはならなかった。
22日の高値151.86円や2022年10月21日の高値151.95円、ノックアウトオプションが観測されている152.00円などがレジスタンスとして意識された。
ユーロ円は3日ぶりに反発。
終値は164.09円と前営業日NY終値(163.67円)と比べて42銭程度のユーロ高水準。
ユーロドルの上昇につれた円売り・ユーロ買いが出ると一時164.21円と日通し高値を更新した。
【本日の東京為替見通し】口先介入効果も限定的、相場の勢いは弱いが円安地合い継続か
本日のドル円も堅調地合いが継続すると予想する。
昨日は神田財務官が登庁時の会見で、「(為替)緊張感をもって注視してきた」「(現行の為替動向)違和感を持っている」「大きな変動がみられ、ファンダメンタルズに沿っていない」「日米金利差は明らかに縮小し、今後も縮小が期待される」などと述べた。
円安をけん制する発言が伝わると、実際に為替介入が行われることへの警戒感から一時円が買い戻される場面があった。
一部の海外メディアなどは、財務官による「強固な(robust)な発言」と表現していた。
しかしながら、市場はメディアほど強固なメッセージとは受け取らず、円の買い戻しも限られ、151円すら割り込むことが出来なかった。
円買いに繋がるような日米金利差が縮小するには、米国の金利低下頼みでしかない。
日本のインフレが高進した場合でも、賃金上昇を伴う景気拡大というような状況ではないからだ。
日経新聞とテレビ東京が行った今月22日から24日の調査でも、77%が「物価上昇を上回る賃上げ」が実現するとは思わない、と回答している。
2月の80%からほぼ横ばいで推移していることは、春闘の引き上げと国民全体との間では、かい離があると言えよう。
実質賃金が昨年12月時点で21カ月連続のマイナスとなっていることや、昨年7-9月の家計可処分所得も4半期連続で減少していることを考えると、国民全体の意識が変わることを期待するのが難しい。
(なお、10-12月期の可処分所得は4月中旬に公表予定)このような状況下で、本邦金利が上昇し、円を積極的に買うのは難しく、むしろ財務官が昨年末に述べていた「一般論として日本に魅力がなければ(円は)下がるに決まっている」との状況は続きそうだ。
本日のアジア時間で市場を動意づけるものは乏しい。
経済指標では本邦のPPI指数の2月企業向けサービス価格指数が発表される。
昨夏から2%台を回復し、2月予想も2%台を維持するとの予想。
よほど大きく市場予想からかい離がない限りは、ドル円の動意は繋がらないだろう。
なお、イスラエルのガザ南部・ラファ市への地上攻撃が懸念されていることもあり、原油先物価格が再び底堅い動きになるなど、市場は中東情勢の更なる混迷の高まりをリスク要因として組み込み始めている。
中東情勢が、再び市場を大きく動かすことになりかねないので注意深く見ていきたい。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 2月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.1%)
<海外>
○08:30 ◇ 3月豪ウエストパック消費者信頼感指数
○16:00 ◇ 4月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲27.9)
○18:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○21:30 ◎ 2月米耐久財受注額(予想:前月比1.1%/輸送用機器を除く前月比0.4%)
○22:00 ◇ 1月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○22:00 ◎ 1月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.7%)
○23:00 ◎ 3月米消費者信頼感指数(予想:107.0)
○23:00 ◎ 3月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲5)
○27日02:00 ◎ 米財務省、5年債入札
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
25日07:58 神田財務官
「(為替)緊張感をもって注視してきた」
「(現行の為替動向)違和感を持っている」
「大きな変動がみられ、ファンダメンタルズに沿っていない」
「日米金利差は明らかに縮小し、今後も縮小が期待される」
25日20:18 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「インフレに関してよい進展が見られている」
「賃金の伸びが正常に戻りつつあると確信」
25日20:22 パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事
「利下げの可能性について政策立案者内でコンセンサスが出来つつある」
「インフレ率は2%の目標に向けて急速に低下している」
25日21:50 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「今年の利下げは1回のみと予想」
「経済が想定通りに進展すれば、FRBは忍耐強くなることが可能」
「経済・物価は穏やかに減速する見込み」
25日23:18 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「年内3回の利下げを予想」
「(6月は利下げ検討の対象となっているかとの質問に対して)すべて検討中だがデータ次第」
「最新の報告書はインフレの全体像を変えるものではない」
「インフレのさらなる進展を見たい」
25日23:48 クック米連邦準備理事会(FRB)理事
「予想通り、ディスインフレの道はでこぼこで平坦ではない」
「時間をかけて緩和政策に慎重に取り組むことで、堅調な労働市場の維持に努めながら、インフレ率を持続的に2%に戻すことが可能となる」
「雇用とインフレ目標のバランスがより良くなりつつある」
「インフレは大幅に低下、労働市場は引き続き堅調」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=151円手前で下値の堅さを確認、買いスタンス継続>
ほぼ寄引き同事線引け。
週明けは売り先行も22日安値151.01円の手前で下げ止まり、151円半ばまで持ち直した。
下値の堅さを確認できたことで、2023年高値151.91円や22年高値151.95円、1990年以来の152円台を意識した動きは変わらず。
目先は22日安値や150円前半の21日安値を支持水準と考えて、買いスタンスで臨みたい。
レジスタンス2 152.30(1990/7/6高値)
レジスタンス1 151.95(2022/10/21高値)
前日終値 151.42
サポート1 150.27(3/21安値)
<ユーロドル=1.08ドル後半に控える主要線が抵抗帯に>
陽線引け。
1.08ドル手前の22日安値に並んだところで下げ止まり、一時200日移動平均線超えまで下値を切り上げた。
1.0790ドル台の日足一目・雲の下限が支持水準として働いたことになり、3手ぶりの陽線引け。
雲の中で方向感を探る展開となっているが、主要線が控える1.08ドル後半(一目・基準線1.0872ドル、同転換線1.0879ドル、90日線1.0880ドル)は抵抗帯として意識されるだろう。
本日1.0838ドルに位置する200日線を念頭に売り目線で臨み、雲の下抜けを期待したい。
レジスタンス1 1.0880(90日移動平均線)
前日終値 1.0837
サポート1 1.0795(日足一目均衡表・雲の下限)
<ポンド円=転換線や基準線を意識しながらの取引>
陽線引け。
190.30円台の22日安値を割り込んだものの、ほぼ同水準に位置する21日移動平均線に支えられる形となった。
買い戻しが強まると191円付近の日足一目・転換線も上回り、3手ぶりの陽線引け。
転換線は本日、191.06円まで水準を切り上げてきた。
21-22日の大幅下落の影響はまだ残っており、同線や190.70円台の基準線を意識しながらの値動きとなりそうだ。
レジスタンス1 192.24(3/22高値)
前日終値 191.34
サポート1 190.35(3/25安値)
<NZドル円=雲の上限や転換線を超えれるかがポイントに>
小陽線引け。
91円台で伸び悩み、先週末安値を割り込んで90円半ばまで下落。
もっとも90日移動平均線が支持となって、3手ぶりの陽線引け。
上向きの日足一目・雲の上限は本日91.30円台に位置しており、その直ぐ下の転換線とともに上値で意識される水準。
クリアに超えて行くことができれば、92円手前の基準線を目指すことになるか。
レジスタンス1 91.32(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 90.89
サポート1 90.29(日足一目均衡表・雲の下限)
Provided by
DZH Finacial Research
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