June 18, 2024
【前日の為替概況】ユーロドル、3日ぶり反発 仏株価指数が反発してリスク回避姿勢が和らぐ
17日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは3営業日ぶりに反発。
終値は1.0734ドルと前営業日NY終値(1.0703ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ高水準だった。
フランスの政治情勢を巡る不透明感から前週に大幅下落した仏株価指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、全般ユーロ買いが優勢となった。
4時前には一時1.0738ドルと日通し高値を更新した。
ユーロはドル以外の通貨に対しても買い戻しが優勢となった。
ユーロ豪ドルは一時1.6263豪ドル、ユーロNZドルは1.7543NZドル、ユーロポンドは0.8462ポンド、ユーロカナダドルは1.4750カナダドル、ユーロスイスフランは0.9568スイスフランまで値を上げた。
ドル円は3日続伸。
終値は157.74円と前営業日NY終値(157.40円)と比べて34銭程度のドル高水準だった。
6月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が▲6.0と予想の▲10.5を上回ると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行。
23時30分前に一時157.96円と日通し高値を更新した。
ただ、米長期金利が上昇幅を縮めるとドル円も伸び悩んだ。
4時前には157.68円付近まで下押しする場面があった。
ユーロ円は3日ぶりに反発。
終値は169.31円と前営業日NY終値(168.43円)と比べて88銭程度のユーロ高水準。
仏株価指数の反発や米国株相場の上昇を背景に、投資家のリスク回避姿勢が後退すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。
5時30分過ぎに一時169.34円と日通し高値を更新した。
【本日の東京為替見通し】投機的ではない円安トレンド継続、豪ドルはRBA声明文に要警戒
本日のドル円相場は引き続き底堅い動きか。
先週末の日銀政策決定会合で7月の国債購入の減額方針が示されたのにもかかわらず、円買いへの反応は限られたままになっている。
日銀が次回会合の手札を見せてしまったことで、市場では余程のサプライズがない限りは、7月の政策決定会合でも円買いに動きにくくなってしまったと思われる。
また、国内からの円売りが継続的に出ていることも、円安トレンドの要因。
新NISA(少額投資非課税制度)を通じたものを含め、海外投資のための円売りシフトが止まらず、本日の日経新聞朝刊にも記載されている通りに、家計からの円売りはすでに前年を超えている。
国が円安を促す政策(新NISA)を導入したのにもかかわらず、円安に動くと円買い介入を行ったのは支離滅裂ともいえ、他国(特に米国)から為替介入への拒否反応が出るのは至極当然ともいえる。
円安傾向は、国外投資に対しては新NISAの対象を外さない限りは、今後もスピードは緩やかになったとしても「投機的な動き」ではない円売りが今後も続きそうだ。
本日は本邦からは市場を動意づけるような主だった経済指標の発表などがないことで、円相場は需給的な動きが中心になるだろう。
ただし、油断をしているときに相場が急変してしまうこともあることで、水準的にも再びドルが上値をトライしにいくようなことがあれば警戒したい。
円相場はイベント不足で動きにくいが、本日は豪ドルの動向には要注目。
昨日から行われている豪準備銀行(RBA)理事会が、本日政策金利などを発表する。
9割以上のエコノミスト予想は、RBAは第3四半期までは政策金利を据え置きと予想している。
オセアニア4大銀行のうち3行(ウェストパック、NBA、CBA)は11月、ANZは先週予想を後倒し、来年2月の利下げ予想に変更している。
よって、政策金利は4.35%への据え置きで無風となるだろう。
しかしながら、同時に発表される声明文の内容次第で豪ドルは動意づきそうだ。
前回5月の理事会では「インフレリスクが高まっていることを踏まえ、利上げを検討していた」ことが明らかになっている。
そして、先月5月29日に発表された4月の月次消費者物価指数(CPI)は昨年11月以来の水準となる3.6%まで上昇し、RBAのインフレ目標レンジ(2-3%)から再び遠ざかった。
データ的にもインフレリスクが証明されたことで、更にタカ派的な声明が発表されるかが注目される。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
特になし
<海外>
○10:00 ◎ クック米連邦準備理事会(FRB)理事、あいさつ
○13:30 ☆ 豪準備銀行(RBA)政策金利発表(予想:4.35%で据え置き)
○18:00 ◎ 6月独ZEW景況感指数(予想:50.0)
○18:00 ◎ 6月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:00 ☆ 5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比2.6%)
○18:00 ☆ 5月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比2.9%)
○19:00 ◎ ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、講演
○21:00 ◎ チポローネ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○21:30 ☆ 5月米小売売上高(予想:前月比0.2%/自動車を除く前月比0.2%)
○22:15 ◎ 5月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
◇ 設備稼働率(予想:78.6%)
○22:30 ◎ デギンドスECB副総裁、講演
○23:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、討議に参加
○23:00 ◇ 4月米企業在庫(予想:前月比0.3%)
○24:00 ◎ クノット・オランダ中銀総裁、講演
○19日00:40 ◎ コリンズ米ボストン連銀総裁、講演
○19日01:00 ◎ ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○19日02:00 ◎ ローガン米ダラス連銀総裁、質疑応答
○19日02:00 ◎ クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○19日02:20 ◎ ムサレム米セントルイス連銀総裁、講演
○19日03:00 ◎ グールズビー米シカゴ連銀総裁、パネルディスカッションに参加
○19日05:00 ◎ 4月対米証券投資動向
○トルコ(犠牲祭)、休場
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
17日15:46 ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「欧州中央銀行(ECB)の9月の利下げには、インフレの改善が必要」
17日16:52 植田日銀総裁
「円安や輸入物価の動向には注視必要」
「サービス価格の緩やかな上昇が続いている」
17日16:58 岸田首相
「日銀と密接に連携を図り、機動的な政策運営を行っていく」
「物価高は、円安を通じた輸入物価上昇を起点としている」
17日17:34 レーンECB専務理事兼主任エコノミスト
「来年は、新たなコスト圧力はかなり抑制される見通し」
「月ベースのインフレ指標に過度に反応すべきではない」
「市場はリプライシング、無秩序な動きではない」
17日21:10 デギンドスECB副総裁
「市場の値動きは、流動性や秩序が保たれている」
「個人的な見解だが、欧州議会での極右勢力の躍進は懸念材料」
18日02:37 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「今年は1回の利下げが適切だと思う」
「データ次第では2回の利下げ、あるいは利下げなしもあり得る」
「今年これまでの不安定さを考えると、利下げ決定にはさらなるデータが不可欠」
「今後数カ月間、インフレ、労働市場、経済活動に関するデータを引き続き注意深く監視する」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=上伸ペース緩やかと予想>
小陽線引け。
一時157.96円と、158円台回復目前までじり高となったものの、伸び悩んでいる。
昨日の陽線の値幅が限定的で、先週末も押し戻され上値の重さを示唆する長めの上ひげをともなう足型を形成しており、上昇の勢いは限られている。
一目均衡表・転換線156.69円、その下の一目・基準線155.93円も上昇傾向をまだ維持する見込みで底堅いとみるが、上伸するにしてもペースは緩やかと予想する。
レジスタンス1 158.26(6/14高値)
前日終値 157.74
サポート1 157.16(6/17安値)
サポート2 156.69(日足一目均衡表・転換線)
<ユーロドル=転換線など控え、反発限定されそう>
陽線引け。
先週末安値1.0668ドルや次のめど5月1日安値1.0650ドルを下抜けての底割れは回避できた。
一目均衡表・雲の下限付近に戻している。
本日1.0747ドルに切り上がり、今後しばらく上昇が続く雲の下限は強い抵抗にならないとみるが、目先は1.0743ドル前後で推移する5日移動平均線の抵抗をこなすことが必要で、その上には低下傾向の一目均衡表・転換線1.0785ドルも控えている、反発を限定しそうだ。
レジスタンス1 1.0785(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 1.0734
サポート1 1.0668(6/14安値)
<ポンド円=転換線前後の底堅さ続くとみる>
下影陽線引け。
199.07円まで下落が進む場面もあったが200円台を回復している。
先週末も198.93円まで一時下落したものの一目均衡表・転換線を上回る水準へ持ち直した。
本日200.01円に切り上がった転換線前後の底堅さが続くとみる。
押し目が深くなっても上昇傾向が続く見込みの一目均衡表・基準線198.33円の切り上がりとともに、現水準前後へ戻すことが期待できる。
レジスタンス1 201.37(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 200.40
サポート1 200.01(日足一目均衡表・転換線)
<NZドル円=21日線・転換線付近が底堅い、高値更新へ>
下影小陽線引け。
先週末安値に並ぶ96.10円まで売りを強める場面もあった。
しかし21日移動平均線や一目均衡表・転換線を下回る同水準での底堅さを確認し、96.75円まで上昇した。
本日96.28円前後で推移する21日線、上昇傾向の転換線96.39円付近で底堅さを示し、14日につけた年初来高値を試す展開を想定する。
レジスタンス1 97.25(6/14高値=年初来高値)
前日終値 96.72
サポート1 96.10(6/14・17安値)
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DZH Finacial Research
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