June 20, 2024
【前日の為替概況】ドル円、5日続伸 米休場で商いは低調
19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5日続伸。
終値は158.09円と前営業日NY終値(157.86円)と比べて23銭程度のドル高水準だった。
日本時間夕刻に一時157.61円と日通し安値を付けたものの、前日の安値157.52円が目先サポートとして働くと徐々に買い戻しが優勢に。
米国市場はジューンティーンスで休場のため、市場参加者が激減し商いは低調だったが、5時30分前に一時158.12円と日通し高値を更新した。
なお、市場では「前日の高値158.23円や14日の高値158.26円が目先レジスタンスとして意識されている」との指摘があった。
ユーロドルは小幅ながら3日続伸。
終値は1.0744ドルと前営業日NY終値(1.0740ドル)と比べて0.0004ドル程度のユーロ高水準だった。
米国市場が休場で取引参加者が少ない中、大きな方向感は出なかった。
また、新規材料にも乏しく、商いも低調だった。
今日の安値は欧州時間に付けた1.0725ドル、高値は1.0753ドルで値幅は0.0028ドル程度と小さかった。
ユーロ円は3日続伸。
終値は169.85円と前営業日NY終値(169.54円)と比べて31銭程度のユーロ高水準。
米国市場が休場となる中、円売り・ユーロ買いがじわりと強まり5時30分前に169.89円と日通し高値を更新した。
ユーロ円以外のクロス円もじり高となった。
ポンド円は一時201.12円、豪ドル円は105.50円、カナダドル円は115.36円、スイスフラン円は178.79円、南アフリカランド円は8.81円まで値を上げた。
【本日の東京為替見通し】明日の本邦CPI発表前に動きにくいが円安地合継続、農中玉には警戒
本日のドル円相場も底堅い動きになるだろうが、値動きは限定されそうだ。
市場の値動きが限られるのは、明日に本邦の5月消費者物価指数(CPI)、その2営業日後に日銀が注目している「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」(刈込平均値、加重中央値、最頻値)などが公表されることで、インフレ指標の結果を見るまでは動きにくいことが要因。
市場では生鮮食料品を除くコア指数は前年比で上昇予想、しかし、コア指数にエネルギーを省いたコアコア指数は前年比より低下予想になるなど、まちまちな予想になっている。
また、補足インフレ指標は、先月にはそれぞれ大幅に低下したこともあり、これらのインフレ指標の詳細を見るまでは動きにくいだろう。
ただし、リスクとしては市場予想よりもインフレが上昇していない場合になる。
すでに日銀が次回7月の政策決定会合で、長期国債の買い入れの減額計画を発表し、短期金利の引き上げも示唆したことで、日銀自らが利上げのハードルを上げてしまった。
よって、インフレ圧力は弱まった場合に、日銀のタカ派方針に変化が生じ、7月の減額計画などがとん挫する可能性もありそうだ。
一方で、円買い要因としては、農林中央金庫の動きが注目される。
既報されているように、外債を10兆円売却することは決定済みのようだが、同金庫理事長はインタビューで、状況次第で米欧債の追加売却の可能性も示唆し、「通貨をドルやユーロから、(金利がついてきた)円に入れ替えることもある」と発言している。
農林中央金庫は直接市場に出てくるだけではなく、本邦・外資系の各金融機関を通して、為替市場に円買いを仕掛けることが多々あるので、東京時間でも円が買われることも想定できる。
本日は本邦からは、対外対内証券投資以外は市場を動意づけるような経済指標等の発表予定はない。
また、アジア・オセアニア国も、早朝に発表されたニュージーランドの1-3月期国内総生産(GDP)以外は主だった経済指標の発表は予定されていない。
需給的には、本日は5・10日(ゴトー日)ということで、東京仲値の値決めにかけての実需勢の動きには警戒しておきたい。
なお、主要通貨の値動きは限られているが、南ア・ランドは連日上げ幅を大きく広げている。
与党アフリカ民族会議(ANC)、第1野党民主同盟(DA)、インカタ自由党(IFP)を中心とした国民統一政府(GNU=Government of National Unity)が無事船出したことで、JPモルガンが南ア株の投資判断をアンダーウェイトからオーバーウェイトに引き上げたことも主要因。
対円では2022年以来の水準まで上昇している。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
<海外>
○15:00 ◇ 5月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.1%)
○16:30 ☆ スイス国立銀行(中央銀行、SNB)、政策金利発表(予想:1.50%で据え置きと1.25%に引き下げで拮抗)
○17:00 ◎ ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:4.50%で据え置き)
○20:00 ☆ 英中銀(BOE)、政策金利発表(予想:5.25%で据え置き)
○20:00 ☆ 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
○21:30 ◎ 1-3月期米経常収支(予想:2064億ドルの赤字)
○21:30 ◎ 5月米住宅着工件数(予想:137.0万件、前月比0.7%)
◎ 建設許可件数(予想:145.0万件、前月比0.7%)
○21:30 ◎ 6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:5.0)
○21:30 ◎ 前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:23.5万件/180.5万人)
○21:45 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、イベントに参加
○23:00 ◎ 6月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲13.6)
○24:00 ◇ EIA週間在庫統計
○21日05:00 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
19日05:56 コリンズ米ボストン連銀総裁
「インフレ鈍化には多少の時間がかかるだろう」
「金利の道筋はデータに基づき判断」
「今年、利下げ1回と2回の両方のシナリオを想定することが可能」
19日06:09 コンウェイ・RBNZチーフエコノミスト
「短期的にはインフレがさらに強まる可能性」
「しかし、中期的にはインフレはより急速に低下する可能性がある」
「将来を見据えると、インフレを持続的に目標に戻すにはいくつかの課題が残る」
「全体として、インフレが合理的な期間内に目標に戻るという確信を得るためには、一定期間の引き締め政策が必要」
19日19:27 センテノ・ポルトガル中銀総裁
「インフレが減速すれば追加利下げが可能に」
「少なくとも9月までは2度目の利下げを想定していない」
20日02:42 カナダ銀行(BOC、カナダ中央銀行)議事要旨
「理事会は利下げを7月まで待つことを検討」
「当局者はインフレが停滞する可能性があることを認識。ただ、指標は利下げを正当化するのに十分な進展を示しているとのコンセンサスあった」
「今後の緩和はおそらく段階的、かつタイミングはデータ次第であると同意」
「一部の当局者は財政の下振れリスクに焦点を当てていた」
「他の当局者は、持続的な賃金上昇と住宅市場の回復の可能性に関連する上振れリスクをより重視」
「為替レートに影響を与える可能性のある多くの潜在的な要因について議論」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=下げ渋りのポイント探り、じり高の流れ維持へ>
小陽線引け。
下押し局面でも上昇中の5日移動平均線前後の水準を維持してじり高の流れをたどった。
本日5日線は157.82円前後へ切り上がって推移。
同線を割り込んでも昨日安値157.61円や18日安値157.52円、上昇傾向の一目均衡表・転換線156.99円といった水準をめどに下げ渋りのポイントを探り、じり高の流れを維持するとみる。
レジスタンス2 159.08(6/11-12下落幅の倍返し)
レジスタンス1 158.45(ピボット・レジスタンス2)
前日終値 158.09
サポート1 157.52(6/18安値)
<ユーロドル=転換線を超えた水準が重そう>
下影小陽線引け。
一目均衡表・雲を下回る水準で陽線ながら気迷い気味の小さな足型を形成した。
一目均衡表・転換線が1.0760ドルまで低下し、目先の重しとなる。
同線前後の重さを明確に克服できれば、来週25-26日にかけて発生する相場の潮目が変化しやすい雲のねじれ部分を攻略して上伸することも想定できるが、まずは上昇が限定されそうだ。
レジスタンス1 1.0792(6/4-14下落幅の半値戻し)
前日終値 1.0744
サポート1 1.0668(6/14安値)
<ポンド円=5日線前後の底堅さ維持してじり高>
陽線引け。
上昇中の5日移動平均線前後の底堅さを維持してじり高の動きが続いた。
本日5日線は200.55円前後で推移。
同線付近の底堅さを背景とした上向きの流れが期待できる。
少し気掛かりなのは現状からすれば一目均衡表・転換線が現水準200.27円でいったん頭打ちとなり、一時的に低下する可能性もあること。
下押し局面で支えとなる転換線の頭打ちや、一時的にせよ低下することを回避するためにも、高値を更新してレンジを切り上げたい。
レジスタンス1 201.62(6/14高値=年初来高値)
前日終値 201.10
サポート1 200.55(5日移動平均線)
<NZドル円=転換線の低下前に高値更新したい>
下影小陰線引け。
14日につけた年初来高値97.25円の更新をうかがう様相となっている。
やや足踏みの状態だが下げ渋り、下ひげをともなう足型を形成するなど底堅さは失われていない。
下支えとなる一目均衡表・転換線が明日96.67円へ上昇したところで頭打ちとなる点は気掛かりだが、転換線が低下へ向かう前に高値更新を果たしたいところ。
レジスタンス1 97.79(2007/7/24高値=2007年高値)
前日終値 96.93
サポート1 96.39(日足一目均衡表・転換線)
Provided by
DZH Finacial Research
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