本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、米金利低下もレンジから抜け出せず|イベント控えもみ合いか(2024年11月26日)

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November 26, 2024

【前日の為替概況】ドル円、反落も153円台では下げ渋る ユーロドルは5日ぶり反発

25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は154.23円と前営業日NY終値(154.78円)と比べて55銭程度のドル安水準だった。
ただ、NYの取引時間帯に限れば方向感に乏しい展開だった。
市場では「米感謝祭ウィークに入り、すでに市場参加者が少なく流動性が低下。薄商いの中、大きな方向感が出にくい面があった」との声も聞かれた。

トランプ次期米大統領は22日、米財務長官に投資ファンド経営者のベッセント氏を指名すると発表。
同氏は財政規律を重視しており、次期政権の政策で財政赤字が急拡大するとの過度な懸念が後退すると、米長期金利が急低下。
米金利低下に伴う円買い・ドル売りが先行し一時153.63円付近まで下押しした。

ただ、アジア時間に付けた日通し安値153.55円が目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。
市場参加者の間ではベッセント氏が米メディアとのインタビューで示した「大型減税などが一番のプライオリティである」「ドルは世界の基軸通貨としての地位を維持していく」との見解をドル高容認と受け止める向きもあり、2時前には154.52円付近まで持ち直した。
もっとも、米2年債入札が「好調」と受け止められると、米長期金利がさらに低下。
ドル円にも再び売りが出て154.00円付近まで押し戻された。

ユーロドルは5営業日ぶりに反発。
終値は1.0495ドルと前営業日NY終値(1.0418ドル)と比べて0.0077ドル程度のユーロ高水準だった。
米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると23時過ぎに一時1.0530ドルと日通し高値を付けたものの、2時前には1.0467ドル付近まで押し戻された。
ただ、米2年債入札をきっかけに米長期金利が低下幅を拡大すると再び強含んだ。
4時過ぎには一時1.0511ドル付近まで持ち直している。
ドル円と同様に、NY市場に限れば方向感に乏しい展開が続いた。

ユーロ円は3日ぶりに反発。
終値は161.87円と前営業日NY終値(161.24円)と比べて63銭程度のユーロ高水準。
ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、米金利低下もレンジから抜け出せず イベント控えもみ合いか

本日の東京時間のドル円も154円台でのもみ合いになりそうだ。
昨日の東京時間は、週末にベッセント氏が次期トランプ政権の財務長官に指名されることが発表されたことで、財政赤字の削減を目指す期待感が高まり、米金利低下でドル売りとなった。
同氏は2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減することを含めた、「3-3-3」と呼ぶ政策を推進する政策を提唱している(他の「3」は日量300万バレル相当の原油増産、GDP成長率3%の実現)。

ただし、財政規律がある程度守られるとの憶測があるものの、同氏は「政策上の優先事項はトランプ大統領のさまざまな減税公約を実現すること」と述べているように、米国の財政赤字が急速に減少するのを期待するのも難しいかもしれない。
米商務長官には財務長官の最有力候補であったラトニック氏はじめ、多くの政権スタッフには国内での大幅減税と他国への高関税というトランプ次期大統領の意向を組んだメンバーで固められ、財務長官もトランプ氏の意向を組んだ政策を推し進める可能性が高い。

昨日のNY時間でも米債は買われ、米金利が低下したが、今週は28日木曜日から米国は感謝祭休場になることで、米債市場は通常よりも早めに、過度に反応していることが低下幅を広げたともいえそうだ。
また、ユーロ圏の景気指標が大幅に悪化し、明日のNZ準備銀行(RBNZ)・金融政策委員会(MPC)では大幅な利下げが予測されているなど、対円以外ではドル買い意欲が根強いこともドル円の支えとなりそうだ。

一方、ドル円の上値も限られている。
上述のように米金利が低下していることに加え、12月の日銀政策決定会合での利上げの可能性もドル売り・円買い要因になる。
昨日のオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では12月利上げが50%を上回るなど、昨年12月のように日銀がタカ派に傾くことを期待する声が多い。
この流れは、本邦の経済指標が利上げを促すほどの結果になっていないのにも関わらず、植田日銀総裁の発言がタカ派に傾いたのは、総選挙が終わったことで石破政権も利上げを容認しているとの憶測もある。
他中銀の利下げ路線にかかわらず、日銀が利上げを行えば、中銀間の方向性の違いがドル円の重しになりそうだ。

様々な憶測が流れる中で、本日は大きな値動きを期待するのが難しいのは、明日以後に多くのイベントを控えていること。
上述のようにアジア時間にはRBNZのMPCだけでなく、豪州からは10月の消費者物価指数(CPI)が発表される。
また、米国からは10月の個人消費支出(PCE)デフレーターが発表されることもあり、相場は明日までは大きくトレンドを作るのは難しそうだ。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ◇ 10月企業向けサービス価格指数(予想:前年比2.5%)
○未定 ◇ 11月月例経済報告

<海外>
○17:00 ◎ ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○18:00 ◎ センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:00 ◎ レーン・フィンランド中銀総裁、議会証言
○22:00 ◎ ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○22:30 ◎ カザークス・ラトビア中銀総裁、講演
○23:00 ◇ 9月米住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
     ◇ 7-9月期米住宅価格指数
○23:00 ◎ 9月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比4.7%)
○24:00 ◎ 11月米消費者信頼感指数(予想:111.8)
○24:00 ☆ 10月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲1.8%/72.5万件)
○24:00 ◎ 11月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:▲11)
○24:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○27日03:00 ◎ 米財務省、5年債入札
○27日04:00 ☆ 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6日-7日分)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

5日15:12 レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼チーフ・エコノミスト
「ECBの急速な利上げにより住宅投資が減速し、消費よりも貯蓄が促進された」
「金融政策は長期間にわたって過度に制限的であることを避けるべき」
「金利の段階的な引き下げを示唆」
「インフレが持続可能なレベルに達するまでにはさらなる調整が必要」

25日15:19 カザークス・ラトビア中銀総裁
「12月にさらなる利下げが必要」

25日18:07 ロンバルデリ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁
「今後数カ月間、データの流れを監視し必要に応じて政策の方向性を調整」
「労働力調査におけるデータの質の課題があり障害」
「段階的な利下げを支持」
「インフレの持続的な要素と労働市場の進展に関する不確実性が懸念材料」
「英国経済はディスインフレーションで良好な進展を遂げている」

26日04:10 ナーゲル独連銀総裁
「ディスインフレに対する自信が高まっている」
「リスクが残るため、利下げは段階的に行う必要がある」
「第4四半期の成長は停滞する可能性が高い」
「賃金上昇の鈍化でサービス価格が緩和」
「トランプ関税がユーロ圏のインフレを押し上げる現実的なリスクがある」

26日04:49 マクルーフ・アイルランド中銀総裁
「利下げのスピードについてはオープンマインド」
「サービスインフレの硬直性は注意の余地を残す」
「主要金利が下降傾向にあることは明らか」
「2025年に2%のインフレ目標を達成できると確信」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=上向き基準線から昨日安値が支持帯か>

ドル円1126

パラメーター1126

陰線引け。
週明けは売りが先行し、153.55円まで下げ幅を拡大。
そこからの切り返しも、先週引け水準154.70円台では上値を抑えられた。

日足一目・基準線は本日153.60円台まで上昇し、週後半にも154円台乗せが示唆されている。
同線から昨日安値辺りまでが目先の支持帯か。
上サイドは、横ばいの転換線が依然としてポイント。
両線の間で方向感を探る展開となりそうだ。

レジスタンス1 155.02(11/22高値=日足一目均衡表・転換線)
前日終値 154.23
サポート1 153.55(11/25安値)
サポート2 152.64(11/11安値)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=一目・転換線を念頭に置いた取引き>

ユーロドル1126

パラメーター1126

陽線引け。
買い戻しが強まると、1.0530ドルまで上昇。
21日高値には届かず1.05ドル割れまで上値を切り下げるも、5手ぶりの陽線引け。

日足一目・転換線は1.0473ドルまで下りてきた。
本日は同線を念頭に置いた取引か。
下押した場合、昨日安値や先週引け水準の1.04ドル前半で下値固めができるか注目。
上サイドは21日高値が目先のめどとなりそうだ。

レジスタンス1 1.0555(11/21高値)
前日終値 1.0495
サポート1 1.0429(11/25安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=雲の上限から90日線辺りが支持帯となるか>

ポンド円1126

パラメーター1126

小陰線引け。
強含む局面でも194円後半の200日線や22日高値が重しとなった。
193円前半では下げ渋るも、3手連続の陰線引け。

日足一目・雲の上限は本日193円手前まで上昇し、明日には194円台まで一気に水準を切り上げ見込み。
本日は雲の上限と192円後半の90日線が支持帯となるか見極めたい。
上値は22日高値を超えると、195.65円の転換線が意識される。

レジスタンス1 194.81(11/22高値)
前日終値 193.81
サポート1 192.83(90日移動平均線)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=上向きの一目・雲の上限を巡る攻防に>

NZドル円1126

パラメーター1126

小陰線引け。
90円半ばの22日高値の手前で頭を抑えられて下値を試すも、日足一目・雲の中に入り込んだところでは下げ渋った。
小幅ながら4手連続の陰線引け。

雲の上限は本日90.18円まで水準を上げ、来週前半にかけて91円台まで上昇が示唆されている。
暫く雲の上限を巡る攻防か。
雲の中で推移するようだと、下限の89円前半が視野に入る。
上サイドは90円後半の転換線が目先のポイント。

レジスタンス1 90.87(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 90.13
サポート1 89.28(日足一目均衡表・雲の下限)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


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