本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日銀による0.25%の利上げと植田日銀総裁の会見に要注目か(2025年1月24日)

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January 24, 2025

【前日の為替概況】トランプ大統領利下げ要請でドル下落 対円155.75円、対ユーロ1.0438ドル

23日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は156.05円と前営業日NY終値(156.53円)と比べて48銭程度のドル安水準だった。
前週分の米新規失業保険申請件数が22.3万件と予想の22.0万件よりも若干弱い内容となったことが分かると、円買い・ドル売りが先行。
トランプ米大統領がダボス会議でのオンライン演説で「すぐに金利を下げるよう要請するつもりだ。そして世界中で金利は下がるべきだ」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)に利下げを求める考えを示すと全般ドル売りが活発化した。
5時前には一時155.75円と日通し安値を更新した。

なお、市場では「FRBは来週28-29日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合ぶりに利下げを見送る」との見方が優勢となっている。

ユーロドルは小反発。
終値は1.0415ドルと前営業日NY終値(1.0409ドル)と比べて0.0006ドル程度のユーロ高水準だった。
新規材料に乏しい中、しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、トランプ米大統領が演説で欧州との貿易関係に言及すると1.0373ドルまで売られた。

ただ、そのあとはFRBに利下げを求める考えを示したことから一転上昇。
3時前には一時1.0438ドルと日通し高値を付けた。
もっとも、米長期金利が上昇基調を維持したため、前日の高値1.0457ドルを上抜けるほどの勢いはなかった。

ユーロ円は5営業日ぶりに反落。
終値は162.54円と前営業日NY終値(162.93円)と比べて39銭程度のユーロ安水準。
ドル円の下落につれた売りが出ると一時162.20円と日通し安値を付けた。
ただ、ユーロドルの上昇につれた買いが相場を下支えしたため、下落のスピードは緩やかだった。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日銀による0.25%の利上げと植田日銀総裁の会見に要注目か

本日の東京外国為替市場のドル円は、ほぼ確実視されている日銀金融政策決定会合での0.25%の追加利上げを確認した後は、15時30分からの植田日銀総裁のターミナルレート(利上げの最終到達点)への言及などに注目することになる。

日銀金融政策決定会合では、植田日銀総裁や氷見野日銀副総裁による利上げ示唆発言、そして複数の利上げ観測報道などから、追加利上げ(+0.25%⇒0.50%)はほぼ確実視されており、オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場が示す追加利上げ確率は95%前後に上昇している。

利上げが見送られる可能性としては、本日通常国会が召集され、25年度予算案が提出されるため、予算案成立の前の利上げは避けられるのではないかとの見方、そして植田日銀総裁が言及していた賃上げ動向の全容が不透明であることなどが挙げられる。

もし、予想外に利上げ見送りとなった場合、ドル円は157-158円台に向けて上昇することが予想されるため、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。

21日には三村財務官が、為替のコミットメントは、第1次トランプ政権時のG7合意「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」が続いていると述べており、過度な変動と見なされる可能性には警戒しておきたい。

予想通りに0.25%の利上げが決定されて0.50%に引き上げられた場合、植田日銀総裁の会見に注目することになる。
植田日銀総裁は昨年7月31日の会見で、「前回の利上げ局面のピークである0.5%が壁になるとは認識していない」と述べ、中立金利の下限である1%を意識した見通しを示していた。

また、トランプ米大統領は、関税などの貿易政策を「アメリカ第一の貿易政策」と題する大統領覚書に示し、関税を徴収する「外国歳入庁」の設立を表明し、関係閣僚に貿易赤字の原因究明、不公正な貿易慣行や為替操作の究明、既存の貿易協定の見直しなどを指示している。

昨日は「金利の即時引き下げを要求する。パウエルFRB議長と適切な時期に話す」と述べており、今後は、貿易赤字増大の要因となるドル高を抑制する発言には引き続き警戒しておきたい。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ☆ 12月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食品を除く総合、予想:前年比3.0%)
○08:30 ☆ 12月全国CPI(生鮮食料品・エネルギー除く、予想:前年比2.4%)
○未定 ☆ 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表(予想:0.50%に引き上げ)
○未定 ◎ 経済・物価情勢の展望(1月、基本的見解)
○15:30 ☆ 植田和男日銀総裁、定例記者会見

<海外>
○09:00 ◎ シンガポール金融通貨庁(MAS)、金融政策発表
○09:01 ◇ 1月英消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲18)
○17:15 ◎ 1月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:42.3)
○17:15 ◎ 1月仏サービス部門PMI速報値(予想:49.3)
○17:30 ◎ 1月独製造業PMI速報値(予想:42.7)
○17:30 ◎ 1月独サービス部門PMI速報値(予想:51.0)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:45.3)
○18:00 ◎ 1月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:51.5)
○18:30 ◎ 1月英製造業PMI速報値(予想:47.0)
○18:30 ◎ 1月英サービス部門PMI速報値(予想:50.9)
○19:00 ◎ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○20:00 ◎ チポローネECB専務理事、講演
○23:45 ◎ 1月米製造業PMI速報値(予想:49.7)
○23:45 ◎ 1月米サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○23:45 ◎ 1月米総合PMI速報値(予想:55.6)
○24:00 ◎ 1月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:73.2)
○24:00 ◎ 12月米中古住宅販売件数(予想:前月比1.2%/年率換算420万件)
○世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議、スイス・ダボス、最終日)

※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

23日17:11 レーン・フィンランド銀行(中央銀行)総裁
「金利は中立水準へと向かい、インフレも安定していくと予想」

24日01:13 トランプ米大統領
「減税措置について、上下両院が可決する見通し」
「石油輸出国機構(OPEC)に原油価格の引き下げを要請する」
「金利引き下げを要請する」
「ウクライナ戦争終結に向けてプーチン露大統領と近いうちに会談」
「フェアな米中関係を築く必要がある」
「ロシアと中国の非核化を望む」
「ウクライナは戦争終結に向け合意の用意ある」
「AIに関する行政措置に署名する」
「パウエルFRB議長と適切な時期に話す」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=基準線を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0124

パラメータ0124

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
孕み線で反落して、転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線156.49円を念頭に置き、基準線を抵抗に戻り売りスタンスで臨みたい。

レジスタンス2 158.20(1/14高値)
レジスタンス1 156.83(日足一目均衡表・基準線)
前日終値 156.05
サポート1 155.36(1/22安値)
サポート2 153.85(日足一目均衡表・雲の上限)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロドル0124

パラメータ0124

小陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の下で引けているものの、買いシグナルが優勢な展開となっている。
孕み線で切り返して転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0469(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0415
サポート1 1.0348(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ユーロ円=転換線を支持に押し目買いスタンス>

ユーロ円0124

パラメータ0124

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の上で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開。
しかし、孕み線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 163.81(1/8高値)
前日終値 162.54
サポート1 161.48(日足一目均衡表・転換線)

>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら

<豪ドル円=横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円0124

パラメータ0124

陰線引け。
転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けているものの、売りシグナルが優勢な展開となっている。
しかし、孕み線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は横ばいの転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 98.96(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値 98.07
サポート1 97.20(日足一目均衡表・転換線)

>豪ドル円のリアルタイムチャートはこちら

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