ストップ高とは|制限値幅(値幅制限)・仕組みなどをわかりやすく解説
ストップ高とは、上場株式やETFなどの価格が制限値幅(値幅制限)の上限まで上がることです。
ストップ高に到達すると、当日中は原則的にそれを上回る価格で取引されることはありません。
本記事では、ストップ高の特徴やよくある質問などを解説します。
ストップ高とは
ストップ高の意味や目的などについて解説します。
特に言及がない限り、当記事は東証(東京証券取引所)の上場株式について紹介します。
- ・意味
- ・制限値幅とは
- ・制限値幅の目的
- ・制限値幅の一覧
意味
ストップ高とは、上場株式の価格が制限値幅の上限に達することです。
買い注文が売り注文よりも多いと、ストップ高に到達する可能性があります。
ストップ高に到達すると、当日中は原則的にそれを上回る価格で取引できません。
翌営業日になると、ストップ高の基準(基準値段)が更新され、それに応じてストップ高の価格も再設定されます。
なお、米国株には制限値幅の制度が存在せず、類似の制度としてサーキットブレーカー制度やリミットアップ・リミットダウンが存在します。
また、外国為替や暗号資産(仮想通貨)等には類似の制度がなく、価格が短時間で大きく上昇する例があります(一部の暗号資産取引所では、急激な変動を防ぐ目的でサーキットブレーカーに類似した一時的な取引停止措置を導入する場合があります)。
制限値幅とは
取引所では、当日の立会時間中における値動きの幅を制限しており、これを制限値幅といいます。
制限値幅は、前日終値の価格水準を基に設定され、株価水準が高ければ高いほど、制限値幅の範囲は広くなります。
なお、特別買い気配(大量の買い注文に対して売り注文が少なく、約定できない場合に、取引所が特別に呼び値の周知を図ること)のまま取引が終了する場合、翌日の制限値幅は特別買い気配の価格を基準にして設定されます。
また、配当落ちの場合にも、制限値幅の調整がなされます。
制限値幅の目的
制限値幅の目的は、株価の暴騰や暴落を一定範囲に制限することで、過度な価格変動を緩和し、投資家と市場を保護することです。
何らかの理由で相場が暴騰したり暴落したりする場合、投資家は判断を誤って思わぬ損失を計上する可能性があります。
このような不測の損害から投資家を守るために、制限値幅の制度が設けられています。
制限値幅の一覧
制限値幅は、価格水準によって値幅が異なり、一覧は以下の通りです。
例えば、基準値段(前日終値)が1,300円の場合、「1,500円未満」の区分に該当し、制限値幅は上下300円です。
このため、当日の値動きは1,000円〜1,600円の範囲に制限されます。
基準値段 | 制限値幅 |
---|---|
100円未満 | 30円 |
200円未満 | 50円 |
500円未満 | 80円 |
700円未満 | 100円 |
1,000円未満 | 150円 |
1,500円未満 | 300円 |
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2,000円未満 | 400円 |
3,000円未満 | 500円 |
5,000円未満 | 700円 |
7,000円未満 | 1,000円 |
1万円未満 | 1,500円 |
1.5万円未満 | 3,000円 |
2万円未満 | 4,000円 |
3万円未満 | 5,000円 |
5万円未満 | 7,000円 |
7万円未満 | 1万円 |
10万円未満 | 1.5万円 |
15万円未満 | 3万円 |
20万円未満 | 4万円 |
30万円未満 | 5万円 |
50万円未満 | 7万円 |
70万円未満 | 10万円 |
100万円未満 | 15万円 |
150万円未満 | 30万円 |
200万円未満 | 40万円 |
300万円未満 | 50万円 |
500万円未満 | 70万円 |
700万円未満 | 100万円 |
1,000万円未満 | 150万円 |
1,500万円未満 | 300万円 |
2,000万円未満 | 400万円 |
3,000万円未満 | 500万円 |
5,000万円未満 | 700万円 |
5,000万円以上 | 1,000万円 |
ストップ高が連続する場合:制限値幅の変更
大きな材料が出るなどして買い注文が集中する場合、ストップ高が連続する可能性があります。
この場合、売買が成立しやすくなるよう、制限値幅の範囲が拡大されます。
制限値幅の変更の条件は、2営業日連続で下のいずれかを満たす場合です。
この条件を満たすと、その翌日から制限値幅が2~4倍に拡大されます。
- ・ストップ高となり、かつ、ストップ配分も行われず売買高が0株の場合
- ・売買高が0株のまま午後立会終了を迎え、午後立会終了時に限りストップ高で売買が成立し、かつ、ストップ高に買呼値の残数がある場合
売り注文の数量よりも買い注文の数量が大幅に多い場合に、この条件が満たされる可能性があります。
ストップ高に関するQ&A
ストップ高に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・ストップ安との違いは何ですか?
- ・ストップ高になると買えないのですか?
- ・ストップ高4倍ルールとは何ですか?
ストップ安との違いは何ですか?
ストップ安は、株価が制限値幅の下限に到達することです。
原則的に、当日中はそれ以下の価格で取引できません。
売り注文が買い注文よりも多いと、ストップ安に到達する可能性があります。
ストップ高になると買えないのですか?
ストップ高に到達していても、同価格での売り注文が出れば、買い注文とマッチングして取引が成立する可能性があります。
買い注文が売り注文よりも一方的に多いまま大引けを迎える場合には、取引時間中に買うことができません。
なお、買い注文が多い中で少数の売り注文が出された場合には、「ストップ配分」と呼ばれる抽選的な配分方式により、限られた買い注文のみが約定します。
ストップ高4倍ルールとは何ですか?
ストップ高4倍ルールとは、制限値幅を4倍に広げるルールです。
制限値幅が拡大すると、より大きな値動きになって取引が成立する可能性が高まります。
ストップ高4倍ルールの適用条件は、2営業日連続でストップ高になることです。
制限値幅は、原則として2倍→3倍→4倍と段階的に拡大されます。
なお、対象は呼値の単位が1円以上の銘柄に限られます。
【まとめ】ストップ高とは|制限値幅(値幅制限)・仕組みなどをわかりやすく解説
ストップ高とは、上場株式やETFなどの価格が制限値幅の上限まで上がることです。
ストップ高に到達すると、当日中は原則的にそれを上回る価格で取引できません。
制限値幅は前日の株価水準によって決まり、一定の条件を満たすと制限値幅が拡大されます。
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