テクニカル分析解説

決済の目安となるシャンデリア・ストップ


1.トレールする損切り注文


テクニカル指標といえば、新規注文のきっかけとなるエントリー系のものを連想する人が多いでしょうが、決済注文のタイミングを判断するイグジット系のものもあります。そのイグジット系テクニカル指標の一つが、シャンデリア・ストップです。

シャンデリア・ストップは、過去の一定期間の値幅を基に、損切り注文(ストップロス)の水準を示します。ボラティリティをベースにしたトレーリングで、トレンドフォロー時に有効なストップの水準を示してくれます。画像1のように、上昇トレンド時はローソク足の下方でストップが切り上がり(緑色)、下降トレンド時はローソク足の上方でストップが切り下がり(桃色)、トレンドを追従していくのが特徴です。

画像1/シャンデリア・ストップ

シャンデリア・ストップ

2.シャンデリア・ストップの算出方法


シャンデリア・ストップは、次の計算式により求めます。

                       
【シャンデリア・ストップの計算式】
買いポジションのストップHH-Factor×EMA(Range Length)
売りポジションのストップLL-Factor×EMA(Range Length)

HH(Highest High)は買いポジションを建てて以降の最高値、LL(Lowest Low)は売りポジションを建てて以降の最安値です。またFactorの値は2.5~4.0が推奨され、値が大きいと価格から離れ、小さいと近づきます。EMAの期間は10~20を利用するのが推奨されます。なお、カスタムインジケーターによってはEMAのレンジにATRを使う場合があり、その場合は期間14が一般的です。


3.トレンドフォローで効果を発揮


シャンデリア・ストップは、トレンドを追従するストップであるため、もみ合いは苦手ですが、トレンド発生時は使いやすいのが特徴です。画像2の例では、Aで建てた売りポジションは、下降していく中で何回かの戻りを見せるもののそこでは決済とならず、最終的にBの箇所でストップと接触して決済されています。

画像2/売りポジションの決済例

売りポジションの決済例

監修:山中康司氏

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