テクニカル分析解説

ストキャスティクスを2本の移動平均線に見立てた使い方


1.2本の移動平均線に見立てた使い方


ストキャスティクスの基本的な使い方は、20%以下を売られ過ぎゾーン、80%以上を買われ過ぎゾーンと考え、機敏に動く方のライン(ファスト:%K、スロー:%D)がそのゾーンを抜け出すときに逆張りするという戦略です。

それとは別の考え方として、2本のラインを移動平均線に見立て、ゴールデンクロス(GC)で買い、デッドクロス(DC)で売りとする戦略もあります。GCとは短期線が長期線を上抜けること、DCとは短期線が長期線を下抜けることですが、ストキャスティクスの場合は移動平均化した方(ファスト:%D、スロー:スロー%D)を長期線として見ます。

                                                                                   
【ストキャスティクスのゴールデンクロス/デッドクロス】
ファストストキャスティクスゴールデンクロス%Kが%Dを上抜けたときに買い
ファストストキャスティクスデッドクロス%Kが%Dを下抜けたときに売り
スローストキャスティクスゴールデンクロス%Dがスロー%Dを上抜けたときに買い
スローストキャスティクスデッドクロス%Dがスロー%Dを下抜けたときに売り

なお、全てのGC/DCでトレードするのではなく、売られ過ぎゾーンにおけるGC、買われ過ぎゾーンにおけるDCのみを対象とするのが通常です。

画像1/スローストキャスティクスのGC/DC

スローストキャスティクスのGC/DC

2.ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンス


オシレーター系指標を用いる際には、相場の転換を示唆する「ダイバージェンス」に注目しましょう。ダイバージェンスとは、価格が示す方向性とオシレーター系指標が示す方向性が逆行する現象のことで、これを売買シグナルとして活用することが可能です。

ダイバージェンスには種類があり、通常のダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンスに分類できます。前者はトレンドの転換を狙う逆張りに、後者はトレンドの押し目買い/戻り売りを狙う順張りに利用することができます。こちらでも、機敏に動く方のライン(ファスト:%K、スロー:%D)の動きを見ます。

                       
【ダイバージェンス(トレンド転換を示唆)】
価格の安値が切り下がり、%K(%D)の安値が切り上がる買いサイン
価格の高値が切り上がり、%K(%D)の高値が切り下がる売りサイン
                       
【ヒドゥンダイバージェンス(トレンドの押し目/戻りを示唆)】
価格の安値が切り上がり、%K(%D)の安値が切り下がる買いサイン
価格の高値が切り下がり、%K(%D)の高値が切り上がる売りサイン

画像2の左側では、価格の高値が切り上げているのに、ストキャスティクスの高値が切り下げているというダイバージェンスが発生し、それまで続いていた上昇から下降に転換しています。右側では、価格の高値が切り下げているのに、ストキャスティクスの高値が切り上げているというヒドゥンダイバージェンスが発生し、下降トレンド中の戻りを示唆しています。

画像2/ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンス

ダイバージェンスとヒドゥンダイバージェンス

これらを探すためのポイントは、まずストキャスティクス側にサポートラインやレジスタンスラインを引くことです。その後、価格側にもラインを引いて、方向性が異なっていればダイバージェンスと判断できます。

監修:山中康司氏

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長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、ストキャスティクスの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAでは、ストキャスティクスに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。このオリジナルインジケーターは、OANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


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