市場見通し
◆豪ドル、RBA理事会声明文が利上げを示唆するかに注目
◆豪ドル、雇用統計や米国のFOMCなどにも注目
◆ZAR、良好なGDPや鉱業需要強く堅調地合い維持
予想レンジ
豪ドル円 100.00-105.00円
南ア・ランド円 9.00-9.40円
12月8日週の展望
豪ドルは底堅い展開となりそうだ。来週は8−9日に今年最後になる豪準備銀行(RBA)理事会が開かれる。また、雇用統計の発表も予定されており、これらのイベントが豪ドルを大きく動意づけるだろう。市場では、利上げを期待する声も高まりつつあり、RBAの声明文がよりタカ派になった場合や、雇用統計が好結果だった場合の反応が敏感になりそうだ。
RBA理事会では政策金利の据え置きが予想されているが、今回は声明文に注目が集まる。7−9月期の消費者物価指数(CPI)は前年比でRBAのインフレ目標とする2−3%を上回った。また、今週発表された国内総生産(GDP)は2.1%となり2023年以来の高水準を記録した。豪州の金融政策に敏感な3年債利回りは1月以来となる4%台を記録。RBAが声明文で利上げを示唆するかどうかに注目したい。
11日には11月の雇用統計が発表される。ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べていたが、9月には4.5%まで上昇していた失業率が10月は4.3%へ低下し、RBA総裁の見通し通りになっている。景気回復、物価上昇圧力の持続が進み、更に11月の雇用統計が更に改善傾向を辿れば、利上げ期待の高まりから豪ドル買いを促すことになるだろう。
また、来週は豪州以外でも、米連邦公開市場委員(FOMC)が9−10日に行われ、その翌週から米政府機関の一部閉鎖の影響で発表が延期されていた米国の経済指標が続々と発表されていく。本来であれば12月相場は中旬以降、年末を控えて凪相場になるが、今年は年末まで予断を許さない相場展開になりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調な展開を予想している。市場では、8月からの米国による高関税賦課の影響で、南アの下半期は景気停滞予想となっていたが、今週発表された7−9月期のGDPは市場予想を上回ったほか、4−6月期も上方修正され、南アの経済活動が好転していることを示した。特に白金族金属(プラチナ、パラジウムなど)をはじめとした鉱業生産が好調で、経済の生産(供給)側10産業のうち9産業が好結果となった。堅調な南ア経済は財政再建にも好影響を与え、ZARの買いトレンドは継続しそうだ。なお、来週は南アからは9日に10−12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数、10日に10月小売売上高が発表される。またFOMCでは利下げが予想されているが、声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見がハト派となった場合は、更にコモディティ価格の上昇が予想されZARの支えになるだろう。
12月1日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円でいずれも堅調。豪州のGDPの結果を受けて徐々に上値を広げる展開。対ドルでは10月後半以来の0.66ドル台、対円では102円後半まで買われ年初来高値を更新した。ZARもしっかり。南アのGDPが好結果となり、対ドルでは17ZARを割り込み年初来高値を更新。対円でも年初来高値をうかがう動きとなっている。(了)
(執筆:12月5日、9:00)
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◆豪ドル、雇用統計や米国のFOMCなどにも注目
◆ZAR、良好なGDPや鉱業需要強く堅調地合い維持
予想レンジ
豪ドル円 100.00-105.00円
南ア・ランド円 9.00-9.40円
12月8日週の展望
豪ドルは底堅い展開となりそうだ。来週は8−9日に今年最後になる豪準備銀行(RBA)理事会が開かれる。また、雇用統計の発表も予定されており、これらのイベントが豪ドルを大きく動意づけるだろう。市場では、利上げを期待する声も高まりつつあり、RBAの声明文がよりタカ派になった場合や、雇用統計が好結果だった場合の反応が敏感になりそうだ。
RBA理事会では政策金利の据え置きが予想されているが、今回は声明文に注目が集まる。7−9月期の消費者物価指数(CPI)は前年比でRBAのインフレ目標とする2−3%を上回った。また、今週発表された国内総生産(GDP)は2.1%となり2023年以来の高水準を記録した。豪州の金融政策に敏感な3年債利回りは1月以来となる4%台を記録。RBAが声明文で利上げを示唆するかどうかに注目したい。
11日には11月の雇用統計が発表される。ブロックRBA総裁が「労働市場は崖から落ちることはない」と述べていたが、9月には4.5%まで上昇していた失業率が10月は4.3%へ低下し、RBA総裁の見通し通りになっている。景気回復、物価上昇圧力の持続が進み、更に11月の雇用統計が更に改善傾向を辿れば、利上げ期待の高まりから豪ドル買いを促すことになるだろう。
また、来週は豪州以外でも、米連邦公開市場委員(FOMC)が9−10日に行われ、その翌週から米政府機関の一部閉鎖の影響で発表が延期されていた米国の経済指標が続々と発表されていく。本来であれば12月相場は中旬以降、年末を控えて凪相場になるが、今年は年末まで予断を許さない相場展開になりそうだ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調な展開を予想している。市場では、8月からの米国による高関税賦課の影響で、南アの下半期は景気停滞予想となっていたが、今週発表された7−9月期のGDPは市場予想を上回ったほか、4−6月期も上方修正され、南アの経済活動が好転していることを示した。特に白金族金属(プラチナ、パラジウムなど)をはじめとした鉱業生産が好調で、経済の生産(供給)側10産業のうち9産業が好結果となった。堅調な南ア経済は財政再建にも好影響を与え、ZARの買いトレンドは継続しそうだ。なお、来週は南アからは9日に10−12月期南アフリカ経済研究所(BER)消費者信頼感指数、10日に10月小売売上高が発表される。またFOMCでは利下げが予想されているが、声明やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見がハト派となった場合は、更にコモディティ価格の上昇が予想されZARの支えになるだろう。
12月1日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円でいずれも堅調。豪州のGDPの結果を受けて徐々に上値を広げる展開。対ドルでは10月後半以来の0.66ドル台、対円では102円後半まで買われ年初来高値を更新した。ZARもしっかり。南アのGDPが好結果となり、対ドルでは17ZARを割り込み年初来高値を更新。対円でも年初来高値をうかがう動きとなっている。(了)
(執筆:12月5日、9:00)
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DZH Finacial Research
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