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週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、プラチナ急騰など受け高値更新

市場見通し
◆豪ドル、年末年始は流動性枯渇でフラッシュクラッシュなどに警戒
◆豪ドル、トランプ関税の最高裁判断に注目
◆ZAR、プラチナ価格急騰などを受け年初来高値を更新

予想レンジ
豪ドル円 103.00-106.00円
南ア・ランド円 9.20-9.50円

12月29日週の展望
 豪ドルは方向感なく閑散な取引になりそうだ。年末は豪州からの主だった経済指標の発表予定がないだけでなく、31日から日本・ドイツ・スイスなど複数市場が休場、1日は豪州を含めすべての市場が休場、2日も日本やニュージーランドをはじめ複数市場が休場になる。多くの市場が休場となることで、トレンドを作る動きを期待するのは難しい。ただ、年末年始の流動性の少ない中で、フラッシュクラッシュのような急激な値動きには警戒しておきたい。

 年初の経済指標は1月7日に11月消費者物価指数(CPI)と住宅建設許可件数、8日に11月貿易収支が発表される。月次のCPIは四半期CPIバスケットの6割から7割程度しか含まれていないこともあり、通常は市場の反応は限定的となる。ただ、今週の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨では「10月の月次CPIデータの詳細から、10-12月期のインフレ率も高くなる可能性がある」ことが判明。RBAがインフレ高進を警戒しており、予想を上回るインフレ率となれば、反応も大きなものとなる可能性が高い。なお、10‐12月期のCPIは1月28日の発表予定となっている。

 一方、年末年始は米国の経済指標や要人発言、政治動向次第で相場が急転するリスクには警戒。米国の今後の金融政策の方向性が不透明となるなか、遅延していた米経済指標の結果次第では相場が動意づく可能性がある。また、トランプ政権が発動した「相互関税」などの合法性について、最高裁判所の判断が年末から年始に下されるとの観測もある。違憲となった場合は、貿易不均衡を為替で調整するとの予測もあり、市場の反応は大きくなりそうだ。また、日銀の利上げ後も全般円安が進んでいるが、米政府は6月の為替報告書や10月の日米財務相会談後の公式発表において、日銀の利上げでドル高・円安調整を促していたことを考えると、日米当局者の動向にも注意が必要だろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は堅調な動きを予想している。今週もプラチナ価格の急騰がZAR買いを促し、対円、対ドルともに年初来高値を更新した。今月初旬に1600ドル台だったプラチナ価格は、24日には一時2400ドル台乗せ。1カ月弱で約5割上昇し過去最高値を更新した。プラチナはもともと中国が買い占めていた中で、欧米の自動車産業の方針転換で自動車触媒としての需要が高まっていることが支えになっている。上げ幅が大きいことから高値警戒感もあるが、プラチナとランドの買いトレンドは継続しそうだ。なお、経済指標では31日に11月貿易収支が発表される。

12月22日週の回顧
 豪ドルは対円では104.72円まで、対ドルでは0.67台まで上昇。それぞれ年初来高値を更新した。ZARはプラチナ価格の上昇に連れて、対円・対ドルともに上げ幅を大幅に広げた。対円では一時2015年8月以来となる9.43円まで、対ドルでも2022年以来の高値となる16.61ランド台までランド高が進行した。(了)

(執筆:12月26日、9:00)


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