市場見通し
◆豪ドル・ZAR、引き続きイラン情勢が焦点
◆豪ドル、インフレ指標(CPI・PPI)に注目
◆ZAR、原油高止まりで上値は重い
予想レンジ
豪ドル円 113.00-115.50円
南ア・ランド円 9.40-9.75円
4月27日週の展望
豪ドルは、引き続き米国とイランの和平交渉の帰趨に左右される展開が想定される。ただし、来週は豪州からインフレ指標が相次いで公表されるため、外部要因に加え、国内ファンダメンタルズへの注目度も高まりそうだ。対円では約16年ぶり、対ドルでも約4年ぶりの高値圏を維持しており、需給面から見ても上昇トレンドの強さはなお健在といえる。
今週に入り、トランプ米大統領はイランとの停戦期限を設けずに延長すると発表。従来から指摘されてきた今回の軍事行動における出口戦略の不透明さは、この決定によって一段と際立つ形となった。合意形成を伴わないまま延長が打ち出されたことで、今後のシナリオは引き続き米国の裁量に大きく依存する構図だ。ただ、完全な和平合意に至る可能性も、逆に大規模な軍事行動へと発展する可能性もいずれも低いとの見方が優勢で、市場では当面、方向感に欠けるこう着状態を前提とした動きが続く公算が大きい。焦点は、こうした地政学リスクを背景とした原油価格の高止まりが、各国のインフレ圧力としてどの程度波及していくかに移りつつある。
来週の豪州では、29日に3月消費者物価指数(CPI)および1-3月期CPI、5月1日に1−3月期生産者物価指数(PPI)が発表される。注目点は、中東情勢の影響が3月時点の物価にどの程度織り込まれているかだ。ドイツの事例では、CPIの伸びは限定的にとどまった一方、PPIは市場予想を大きく上回った。背景にはエネルギー価格が月間で7.5%上昇し、2022年8月以来の大幅な伸びを記録したことがある。一般にCPIがより重視される傾向にあるが、PPIは企業の仕入れ価格を反映するため、最終価格に転嫁される前段階の「インフレの芽」を捉える先行指標としての性格が強い。こうした観点からも、今回の豪州PPIは通常以上に市場の関心を集める可能性が高い。なお、隣国ニュージーランドでは29日にブレマンNZ準備銀行(RBNZ)総裁の講演が予定されており、金融政策に関する示唆にも注意が必要だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、上値が重いとみている。30日には3月PPIが発表予定であり、足元のインフレ動向を測るうえで重要な手掛かりとなる。今週公表されたCPIは市場予想通りで、上昇幅も小幅にとどまったが、即時性の高いPPIが中東情勢の影響をどの程度反映しているかが焦点。停戦は延長されたものの、原油先物価格は依然として高止まりしている。精製能力に制約を抱え、かつ在庫水準も相対的に低い南アにとって、エネルギーコストの上昇は極めて現実的なリスク。インフレ圧力の再燃は、ランド相場の上値を抑制する要因となり得る。
4月20日週の回顧
豪ドルは底堅い。中東情勢が硬直化していることで限られた値幅の取引に終始した。しかし、先週末に豪ドル円は1990年9月以来の高値をつけた堅調地合いを維持し、底堅い取引が続いた。対ドルでも0.71ドル台で買い意欲が強かった。ZARは上値が抑えられた。原油先物価格が高止まりしていることを受けて、貴金属価格が軟調な動きとなり、ZARの上値を抑える展開になった。(了)
(執筆:4月24日、9:00)
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◆豪ドル、インフレ指標(CPI・PPI)に注目
◆ZAR、原油高止まりで上値は重い
予想レンジ
豪ドル円 113.00-115.50円
南ア・ランド円 9.40-9.75円
4月27日週の展望
豪ドルは、引き続き米国とイランの和平交渉の帰趨に左右される展開が想定される。ただし、来週は豪州からインフレ指標が相次いで公表されるため、外部要因に加え、国内ファンダメンタルズへの注目度も高まりそうだ。対円では約16年ぶり、対ドルでも約4年ぶりの高値圏を維持しており、需給面から見ても上昇トレンドの強さはなお健在といえる。
今週に入り、トランプ米大統領はイランとの停戦期限を設けずに延長すると発表。従来から指摘されてきた今回の軍事行動における出口戦略の不透明さは、この決定によって一段と際立つ形となった。合意形成を伴わないまま延長が打ち出されたことで、今後のシナリオは引き続き米国の裁量に大きく依存する構図だ。ただ、完全な和平合意に至る可能性も、逆に大規模な軍事行動へと発展する可能性もいずれも低いとの見方が優勢で、市場では当面、方向感に欠けるこう着状態を前提とした動きが続く公算が大きい。焦点は、こうした地政学リスクを背景とした原油価格の高止まりが、各国のインフレ圧力としてどの程度波及していくかに移りつつある。
来週の豪州では、29日に3月消費者物価指数(CPI)および1-3月期CPI、5月1日に1−3月期生産者物価指数(PPI)が発表される。注目点は、中東情勢の影響が3月時点の物価にどの程度織り込まれているかだ。ドイツの事例では、CPIの伸びは限定的にとどまった一方、PPIは市場予想を大きく上回った。背景にはエネルギー価格が月間で7.5%上昇し、2022年8月以来の大幅な伸びを記録したことがある。一般にCPIがより重視される傾向にあるが、PPIは企業の仕入れ価格を反映するため、最終価格に転嫁される前段階の「インフレの芽」を捉える先行指標としての性格が強い。こうした観点からも、今回の豪州PPIは通常以上に市場の関心を集める可能性が高い。なお、隣国ニュージーランドでは29日にブレマンNZ準備銀行(RBNZ)総裁の講演が予定されており、金融政策に関する示唆にも注意が必要だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、上値が重いとみている。30日には3月PPIが発表予定であり、足元のインフレ動向を測るうえで重要な手掛かりとなる。今週公表されたCPIは市場予想通りで、上昇幅も小幅にとどまったが、即時性の高いPPIが中東情勢の影響をどの程度反映しているかが焦点。停戦は延長されたものの、原油先物価格は依然として高止まりしている。精製能力に制約を抱え、かつ在庫水準も相対的に低い南アにとって、エネルギーコストの上昇は極めて現実的なリスク。インフレ圧力の再燃は、ランド相場の上値を抑制する要因となり得る。
4月20日週の回顧
豪ドルは底堅い。中東情勢が硬直化していることで限られた値幅の取引に終始した。しかし、先週末に豪ドル円は1990年9月以来の高値をつけた堅調地合いを維持し、底堅い取引が続いた。対ドルでも0.71ドル台で買い意欲が強かった。ZARは上値が抑えられた。原油先物価格が高止まりしていることを受けて、貴金属価格が軟調な動きとなり、ZARの上値を抑える展開になった。(了)
(執筆:4月24日、9:00)
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DZH Finacial Research
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