市場見通し
◆豪ドル、米金利先高観や不安定な米株が重し
◆豪ドル、RBAのインフレ警戒感は支えに
◆ZAR円、原油・貴金属・米金利など複数要因が絡み合う相場
予想レンジ
豪ドル円 110.50-113.00円
南ア・ランド円 9.60-9.90円
6月29日週の展望
豪ドルは、上値の重い展開となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が高まったことで、市場では豪ドル売り・ドル買いが優勢となっている。豪ドル円も円買い介入への警戒感からドル円の上昇余地が限られており、これが上値を抑える要因になった。また、半導体株を中心に米国株が不安定な動きなことも、リスクセンチメントに敏感な豪ドルの重しとなりそうだ。
ただ、豪準備銀行(RBA)が依然としてインフレへの警戒感を緩めていないことは、豪ドルの下支え要因になる。今週発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想の4.3%や4月の4.2%を下回り4.0%となった。しかし、RBAが重視するトリム平均値は前年比で市場予想の3.5%を上回る3.6%だった。この結果を受けて、CPI発表後に行われた講演では、ハウザーRBA副総裁は「依然として高すぎるインフレを抑制するために、やるべきことがまだ残っている」と述べ、従来通りのインフレ警戒姿勢を示している。
なお、来週の経済指標では、7月1日に5月住宅建設許可件数、7月2日に5月貿易収支が公表予定。29日にはブロックRBA総裁がスイス・バーゼルで開催されるパネルディスカッションに参加するほか30日には15−16日に開催された理事会の議事要旨が公表される。また、隣国ニュージーランドでは、30日に6月ANZ企業景況感、7月2日に5月住宅建設許可件数が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、方向感が定まらず神経質な動きが予想される。原油先物価格の続落は、エネルギー輸入国である南アにとってポジティブな要因。一方で、ドル高を背景とした貴金属価格の下落は、資源輸出国である南アにとってネガティブな要因。今後は原油価格や貴金属価格、米金利動向など複数の要因が絡み合うことで、ZARは方向感に欠ける展開が続くだろう。
また、インフレ見通しも複雑になっている。原油価格の下落が今後のインフレ抑制要因となる一方で、7月1日から電気、水道、下水、ごみ収集、固定資産税などの料金・税率の引き上げが予定されており、物価を押し上げる可能性が高い。このトレードオフによってインフレ率の低下ペースが鈍化すれば、今後の南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策にも影響を与えることになりそうだ。
6月22日週の回顧
豪ドルは弱含み。米金利の先高観が豪ドル売りを促し、対ドルでは0.70ドル台前半から0.68ドル台後半まで下落した。対円でも、ドル円が円買い介入への警戒感から上値が限定されたことも響き、113.44円を高値に4月30日以来となる111円台前半まで下押しした。5月の豪雇用統計では、新規雇用者数が市場予想を上回ったものの、市場の反応は限られた。
ZARは神経質に上下。ランド円は貴金属価格が下げ幅を拡大したことで9.87円から9.70円まで下落した。ただ、その後は下値も支えられ再び9.80円台を回復した。(了)
(執筆:6月26日、9:00)
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◆豪ドル、RBAのインフレ警戒感は支えに
◆ZAR円、原油・貴金属・米金利など複数要因が絡み合う相場
予想レンジ
豪ドル円 110.50-113.00円
南ア・ランド円 9.60-9.90円
6月29日週の展望
豪ドルは、上値の重い展開となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)後に米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が高まったことで、市場では豪ドル売り・ドル買いが優勢となっている。豪ドル円も円買い介入への警戒感からドル円の上昇余地が限られており、これが上値を抑える要因になった。また、半導体株を中心に米国株が不安定な動きなことも、リスクセンチメントに敏感な豪ドルの重しとなりそうだ。
ただ、豪準備銀行(RBA)が依然としてインフレへの警戒感を緩めていないことは、豪ドルの下支え要因になる。今週発表された5月消費者物価指数(CPI)は前年比で市場予想の4.3%や4月の4.2%を下回り4.0%となった。しかし、RBAが重視するトリム平均値は前年比で市場予想の3.5%を上回る3.6%だった。この結果を受けて、CPI発表後に行われた講演では、ハウザーRBA副総裁は「依然として高すぎるインフレを抑制するために、やるべきことがまだ残っている」と述べ、従来通りのインフレ警戒姿勢を示している。
なお、来週の経済指標では、7月1日に5月住宅建設許可件数、7月2日に5月貿易収支が公表予定。29日にはブロックRBA総裁がスイス・バーゼルで開催されるパネルディスカッションに参加するほか30日には15−16日に開催された理事会の議事要旨が公表される。また、隣国ニュージーランドでは、30日に6月ANZ企業景況感、7月2日に5月住宅建設許可件数が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は、方向感が定まらず神経質な動きが予想される。原油先物価格の続落は、エネルギー輸入国である南アにとってポジティブな要因。一方で、ドル高を背景とした貴金属価格の下落は、資源輸出国である南アにとってネガティブな要因。今後は原油価格や貴金属価格、米金利動向など複数の要因が絡み合うことで、ZARは方向感に欠ける展開が続くだろう。
また、インフレ見通しも複雑になっている。原油価格の下落が今後のインフレ抑制要因となる一方で、7月1日から電気、水道、下水、ごみ収集、固定資産税などの料金・税率の引き上げが予定されており、物価を押し上げる可能性が高い。このトレードオフによってインフレ率の低下ペースが鈍化すれば、今後の南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策にも影響を与えることになりそうだ。
6月22日週の回顧
豪ドルは弱含み。米金利の先高観が豪ドル売りを促し、対ドルでは0.70ドル台前半から0.68ドル台後半まで下落した。対円でも、ドル円が円買い介入への警戒感から上値が限定されたことも響き、113.44円を高値に4月30日以来となる111円台前半まで下押しした。5月の豪雇用統計では、新規雇用者数が市場予想を上回ったものの、市場の反応は限られた。
ZARは神経質に上下。ランド円は貴金属価格が下げ幅を拡大したことで9.87円から9.70円まで下落した。ただ、その後は下値も支えられ再び9.80円台を回復した。(了)
(執筆:6月26日、9:00)
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