◆ポンド、GDP上方修正も先行き不透明感残る
◆ポンド、英EU関係が新たな論点となる可能性も
◆加ドル、米加貿易摩擦の激化が重し、9月雇用統計に注目
予想レンジ
ポンド円 206.50-211.00円
加ドル円 109.50-112.50円
10月5日週の展望
来週は英国から目立った経済指標は乏しく、ポンドは今週までに相次いだ長期金利の急騰と欧州連合(EU)との関係を巡る新たな政治論点をどう織り込んでいくかが焦点となりそうだ。
9月30日発表の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は前期比0.5%・前年比1.4%と、速報値を上回った。サービス業や純輸出が成長をけん引したほか、設備投資は前年比5.2%と大幅に引き上げられた。英国は2026年上期、G7で最も速い成長を記録した計算となる。もっとも、エコノミストの多くはこの強さが下期まで続くとはみておらず、エネルギー価格やインフレ圧力が年末にかけて重しとなるとの見方が優勢だ。こうした先行き不透明感を映す形で、長期金利は一段と水準を切り上げている。9月29日の英10年債入札では応札倍率が前回を下回り需要の弱さが目立った。10月に入り30年債利回りは6%を超え、1998年以来の高水準に達した。米国債利回りの急伸を起点とする世界的な長期金利の高騰に、根強いインフレと財政への警戒が重なり、短期金融市場では2027年春までに英中銀が最大3回の利上げに動く可能性を織り込み始めている。
なお、バーナム首相は9月30日、英国とEUの長期的な関係について、現状維持から単一市場参加、EU再加盟までを含む複数の選択肢を検討する方針を示した。これを受けてマクロン仏大統領は、都合の良い部分だけの関係強化は認めないとしながらも歓迎の意を示した。一方、国内ではリフォームUKなどが反発しており、ブレグジットを巡る政治対立が再燃する可能性がある。
加ドルは、米加貿易摩擦の激化と労働市場の弱さが重しとなっている。米国は9月29日、カナダ産酒類・二輪車・乳清製品の輸入を禁止する措置を発動した。カナダの報復関税への対抗措置で、8月の対カナダ関税発動以降、応酬が続いている。トランプ米大統領は今週、カナダが近く関税を引き下げ「謝罪する」との見通しを示したが、カーニー首相は不利な合意を急がない姿勢を崩していない。一方、相場がより神経質に上下する可能性があるのは9日発表の9月雇用統計だろう。8月は雇用者数が4.2万人減と予想外の落ち込みとなり、フルタイムも3.6万人減少した。失業率は6.4%で横ばいだったが、平均時給の伸びは前年比2.0%と大きく鈍化しており、この弱さが9月も続くかが、BOCの次の判断材料の1つとなるのではないか。
もっとも、資源分野では中長期的な投資の動きもみられる。日本企業はLNGカナダの拡張計画で最終投資を決定し、生産能力を倍増させる見通しだ。対日関係の強化は、対米依存からの脱却を図るカナダにとって追い風となり得る。中長期的に加ドルを下支えする材料となりそうだ。
9月28日週の回顧
ポンド円は月末の円買いフローで206円後半まで下落するも、英GDPの上振れなども支えに210円まで反発。ただ、ポンドドルが1.33ドル超えから1.32ドル割れまで失速すると、208円を割り込む場面があった。加ドルは、対円で2025年11月以来の安値圏となる110.20円割れで下落が一服。対ドルでは同年4月以来の加ドル安水準、1.4260加ドル台を記録した。(了)
(執筆:10月2日、9:00)
Provided by
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
一覧へ戻る
◆ポンド、英EU関係が新たな論点となる可能性も
◆加ドル、米加貿易摩擦の激化が重し、9月雇用統計に注目
予想レンジ
ポンド円 206.50-211.00円
加ドル円 109.50-112.50円
10月5日週の展望
来週は英国から目立った経済指標は乏しく、ポンドは今週までに相次いだ長期金利の急騰と欧州連合(EU)との関係を巡る新たな政治論点をどう織り込んでいくかが焦点となりそうだ。
9月30日発表の4-6月期国内総生産(GDP)改定値は前期比0.5%・前年比1.4%と、速報値を上回った。サービス業や純輸出が成長をけん引したほか、設備投資は前年比5.2%と大幅に引き上げられた。英国は2026年上期、G7で最も速い成長を記録した計算となる。もっとも、エコノミストの多くはこの強さが下期まで続くとはみておらず、エネルギー価格やインフレ圧力が年末にかけて重しとなるとの見方が優勢だ。こうした先行き不透明感を映す形で、長期金利は一段と水準を切り上げている。9月29日の英10年債入札では応札倍率が前回を下回り需要の弱さが目立った。10月に入り30年債利回りは6%を超え、1998年以来の高水準に達した。米国債利回りの急伸を起点とする世界的な長期金利の高騰に、根強いインフレと財政への警戒が重なり、短期金融市場では2027年春までに英中銀が最大3回の利上げに動く可能性を織り込み始めている。
なお、バーナム首相は9月30日、英国とEUの長期的な関係について、現状維持から単一市場参加、EU再加盟までを含む複数の選択肢を検討する方針を示した。これを受けてマクロン仏大統領は、都合の良い部分だけの関係強化は認めないとしながらも歓迎の意を示した。一方、国内ではリフォームUKなどが反発しており、ブレグジットを巡る政治対立が再燃する可能性がある。
加ドルは、米加貿易摩擦の激化と労働市場の弱さが重しとなっている。米国は9月29日、カナダ産酒類・二輪車・乳清製品の輸入を禁止する措置を発動した。カナダの報復関税への対抗措置で、8月の対カナダ関税発動以降、応酬が続いている。トランプ米大統領は今週、カナダが近く関税を引き下げ「謝罪する」との見通しを示したが、カーニー首相は不利な合意を急がない姿勢を崩していない。一方、相場がより神経質に上下する可能性があるのは9日発表の9月雇用統計だろう。8月は雇用者数が4.2万人減と予想外の落ち込みとなり、フルタイムも3.6万人減少した。失業率は6.4%で横ばいだったが、平均時給の伸びは前年比2.0%と大きく鈍化しており、この弱さが9月も続くかが、BOCの次の判断材料の1つとなるのではないか。
もっとも、資源分野では中長期的な投資の動きもみられる。日本企業はLNGカナダの拡張計画で最終投資を決定し、生産能力を倍増させる見通しだ。対日関係の強化は、対米依存からの脱却を図るカナダにとって追い風となり得る。中長期的に加ドルを下支えする材料となりそうだ。
9月28日週の回顧
ポンド円は月末の円買いフローで206円後半まで下落するも、英GDPの上振れなども支えに210円まで反発。ただ、ポンドドルが1.33ドル超えから1.32ドル割れまで失速すると、208円を割り込む場面があった。加ドルは、対円で2025年11月以来の安値圏となる110.20円割れで下落が一服。対ドルでは同年4月以来の加ドル安水準、1.4260加ドル台を記録した。(了)
(執筆:10月2日、9:00)
Provided by
DZH Finacial Research
「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。
豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
