株式明日の戦略-4日続落も後場は下げ渋る、25日線を巡る攻防に注目

市場見通し
 27日の日経平均は4日続落。終値は160円安の32538円。米国株安を受けて下落スタート。32600円台で寄り付いてほどなく節目の32500円を割り込むと、前場では売りに勢いがついて下げ幅を400円近くまで広げた。32300円は割り込まずにいったん切り返したが、後場は前引けから水準を切り下げて始まり、改めて下を試しに行った。ただ、前場の安値近辺で踏みとどまると、そこからはじわじわと下げ幅を縮小。3桁下落ではあったものの32500円を上回り、後場の高値圏で取引を終えた。弱さが目立ったマザーズ指数も、引けにかけては下げ幅を縮めた。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆4300億円。業種別では海運、石油・石炭、空運などが上昇している一方、医薬品、精密機器、不動産などが下落している。不安定な地合いの中でオリエンタルランドが買いを集めており、3%を超える上昇。5月につけた上場来高値に顔合わせした。反面、国税庁が「タワマン節税」などの防止に向けて相続税の算定ルールを見直すと伝わったことから、三菱地所や住友不動産など大手不動産株が軒並み安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり701/値下がり1049。海運株が人気化しており、川崎汽船が全市場の売買代金2位となる大商いで11.5%高。トヨタ、三菱UFJ、東京エレクトロン、任天堂など、主力ど真ん中銘柄の動きが良かった。1Qの好業績が確認できた壱番屋が年初来高値を更新。上方修正を発表したTHEグローバル社や配当見通しを引き上げた三東工業社が、一時ストップ高となるなど値を飛ばした。

 半面、ソシオネクストやアドバンテストなど半導体株の一角が大幅安。ソニーG、キーエンス、リクルートなどグロース系の主力銘柄が売りに押された。1Q決算が失望を誘った瑞光が大幅安。提携先のファイザーが「Lotiglipron」の開発を継続しないことを決定したことがネガティブサプライズとなったそーせいGが、場中は値が付かずストップ安比例配分。アンジェスも新株予約権の発行を発表して大幅安となっており、ペプチドリームやカルナバイオサイエンスなど創薬系の銘柄全般に警戒売りが広がった。

 きょうは持ち越し含めて4社の初値がついた。強かったのが持ち越しのブリッジコンサルティンググループとスタンダード市場に新規上場したエリッツホールディングスで、高い初値をつけた後にストップ高まで買い進まれた。グロース市場に新規上場したクオリプスは公開価格を上回って始まったものの、場中は売りに押されて終値は初値や公開価格を下回った。札幌証券取引所の本則市場に新規上場したGSIは公開価格割れスタートとなり、終値も初値を下回った。

 日経平均は4日続落。ただ、安値は32306円までで、25日線(32273円、27日時点)を支えに下げ渋って終えた。マザーズ指数の方も25日線近辺で切り返している。先週後半に崩れた時点でテクニカル重視の投資家は、軽い押しでもこの25日線近辺までは調整することをイメージしていたと思われる。あす、反発できるようなら押し目買い機運が盛り上がり、上に値幅が出やすくなるだろう。一方、反発できずに25日線を明確に割り込むようなら、下げはここでは止まらないとの見方が強まる。その場合には逆に仕掛け的な売りが出やすくなることから、下に値幅が出る可能性がある。日経平均は4月11日に25日線を上回って以降、約2カ月半、同水準を下回っていない。中期での上向き基調が継続するのか否かを占う意味で、要注目の1日となる。

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