市場見通し
海外市場では、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容だったことが分かると円売り・ドル買いが先行し、一時138.95円と日通し高値を付けた。ただ、同時に発表された6月米卸売物価指数(PPI)が、予想より弱い内容だったことが分かると一転円買い・ドル売りが優勢になり、137.92円と5月22日以来の安値を更新した。タカ派として知られるブラード米セントルイス連銀総裁が本日付で辞任したこともドル売りを誘った。ユーロドルは1.1228ドルと昨年3月以来1年4カ月ぶりの高値を更新した。
本日のドル円は、上値の重さは変わらずか。先週7日の日経新聞による内田日銀副総裁へのインタビューから始まった円高相場だが、ドル安相場の勢いも加わっていることが、ドル円の重しになる。昨日のアジア市場のドル円は、4営業日だけで6円超の下落幅を見せたのにもかかわらず、ドル円は1円すら買い戻すことが出来なかった。これは、円高地合いだけでなく、ドル安が鮮明だからといえる。一昨日発表された、6月の消費者物価指数(CPI)は前年比で米国が3.0%上昇、ドイツは6.4%上昇、フランスは4.5%上昇、英国は19日発表予定だが8.3%程度の上昇予想、本邦は21日発表されるが5月は4.2%の上昇だった。他国と比較し米国がインフレ鈍化になっていることもあり、ドルが売られやすい状況に陥るのは致し方のないことだろう。
日銀の金融政策の変更については、実質賃金が14カ月連続でマイナスとなっていることで、緩和姿勢を継続するとの声が依然として多い。しかしながら、6月から電気料金が大幅に値上がりするなど、インフレ高進への懸念が高まっていることで、7月には変更がない場合でも年後半にはイールドカーブコントロール(YCC)の引き上げなどを含め、日銀の緩和姿勢に変化が見えてくる可能性は高そうだ。また、市場が7月の日銀政策決定会合に向けて若干前のめりで、政策変更への期待が高まっているにもかかわらず、日銀関係者のけん制発言がほぼ伝わってこないことも不気味な様相を呈している。なお、昨年12月にYCC拡大の観測記事が発表されたのが12月17日土曜日の日経新聞だったこともあり、同様の地ならし記事が週末にかけて掲載される可能性にも注意を払いたい。
本日は本邦からは5月鉱工業生産確報、同月設備稼働率などが発表されるが、両指標とも為替を動意づけるのは難しい。アジア時間では引き続き、時間外の米金利や、続伸が期待される日経平均株価の動向、連日東京仲値を中心に円売り地合いが強い本邦勢の動きを見ながらの取り引きになりそうだ。
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本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
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本日のドル円は、上値の重さは変わらずか。先週7日の日経新聞による内田日銀副総裁へのインタビューから始まった円高相場だが、ドル安相場の勢いも加わっていることが、ドル円の重しになる。昨日のアジア市場のドル円は、4営業日だけで6円超の下落幅を見せたのにもかかわらず、ドル円は1円すら買い戻すことが出来なかった。これは、円高地合いだけでなく、ドル安が鮮明だからといえる。一昨日発表された、6月の消費者物価指数(CPI)は前年比で米国が3.0%上昇、ドイツは6.4%上昇、フランスは4.5%上昇、英国は19日発表予定だが8.3%程度の上昇予想、本邦は21日発表されるが5月は4.2%の上昇だった。他国と比較し米国がインフレ鈍化になっていることもあり、ドルが売られやすい状況に陥るのは致し方のないことだろう。
日銀の金融政策の変更については、実質賃金が14カ月連続でマイナスとなっていることで、緩和姿勢を継続するとの声が依然として多い。しかしながら、6月から電気料金が大幅に値上がりするなど、インフレ高進への懸念が高まっていることで、7月には変更がない場合でも年後半にはイールドカーブコントロール(YCC)の引き上げなどを含め、日銀の緩和姿勢に変化が見えてくる可能性は高そうだ。また、市場が7月の日銀政策決定会合に向けて若干前のめりで、政策変更への期待が高まっているにもかかわらず、日銀関係者のけん制発言がほぼ伝わってこないことも不気味な様相を呈している。なお、昨年12月にYCC拡大の観測記事が発表されたのが12月17日土曜日の日経新聞だったこともあり、同様の地ならし記事が週末にかけて掲載される可能性にも注意を払いたい。
本日は本邦からは5月鉱工業生産確報、同月設備稼働率などが発表されるが、両指標とも為替を動意づけるのは難しい。アジア時間では引き続き、時間外の米金利や、続伸が期待される日経平均株価の動向、連日東京仲値を中心に円売り地合いが強い本邦勢の動きを見ながらの取り引きになりそうだ。
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DZH Finacial Research
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