本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):本邦当局の行動に警戒か、GDPや中国指標・RBA議事要旨にも注目(2023年8月15日)

マーケットレポート

August 15, 2023

【前日の為替概況】ドル全面高、米長期金利の上昇を受け 対円では145.58円

 

14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は6日続伸。
終値は145.56円と前営業日NY終値(144.96円)と比べて60銭程度のドル高水準だった。
米10年債利回りが一時は4.2129%前後と昨年11月以来の高水準を更新すると、日米金利差拡大への思惑から円売り・ドル買いが先行。
23時前に一時145.58円と昨年11月以来の高値を付けた。

ただ、米10年債利回りが4.14%台まで低下した場面ではドル円も145.18円付近まで伸び悩んだ。
NY連銀の調査で米消費者の短期インフレ見通しが7月に4カ月連続で低下し、2021年4月以来の低水準となったことも相場の重しとなった。
もっとも、引けにかけては145.57円付近まで再び強含んだ。

ユーロドルは続落。
終値は1.0906ドルと前営業日NY終値(1.0949ドル)と比べて0.0043ドル程度のユーロ安水準だった。
米長期金利の上昇を手掛かりに全般ドル買いが先行すると、23時前に一時1.0875ドルと7月7日以来の安値を付けた。
ただ、米長期金利が低下に転じた場面では1.0936ドル付近まで買い戻される場面があった。

主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.46と7月6日以来の高値を付けた。

ユーロ円は小幅ながら続落。
終値は158.74円と前営業日NY終値(158.78円)と比べて4銭程度のユーロ安水準。
23時過ぎに一時158.26円付近まで売られたものの、アジア時間に付けた日通し安値158.19円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。
2時前には158.80円付近まで持ち直した。

ロシアの通貨ルーブルは対ドルで一時102.23ルーブル前後と昨年3月以来1年5カ月ぶりの安値を付けた。
欧米による対ロシア制裁の影響で経常収支が悪化する中、ルーブル売りが加速した。
市場では「ルーブル安による資産の目減りを警戒したロシア国民のルーブル売り・外貨買いが出ている」との声も聞かれた。
ただ、ロシア中銀が「政策金利について討議するために明日15日に臨時会合を開く」と発表するとルーブルを買い戻す動きも見られ、99ルーブル台後半まで下げ渋る場面があった。

【本日の東京為替見通し】本邦当局の行動に警戒か、GDPや中国指標・RBA議事要旨にも注目

 

本日の東京外国為替市場のドル円は、145円台に乗せていることで本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開となる。
昨年9月22日にドル円が145.90円まで上昇した局面で、本邦通貨当局はボラティリティー抑制を名目にしたドル売り・円買い介入を断行した。

2022年9月22日の第1弾の円買い介入(2兆8382億円)では、ドル円は高値145.90円から安値140.36円まで、5.54円(3.8%)下落。
当時のボラティリティーを反映するボリンジャー・バンドの+2σは146.12円だった。
本日の+2σも146.12円付近にあり、またこの水準は、151.95円から127.23円までの下落幅のフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しとなる。

8時50分に発表される4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値の予想は、前期比+0.8%、この成長ペースが1年続いた場合の年率換算は+3.1%と、3四半期連続のプラス成長が見込まれている。
自動車産業で半導体などの部品供給制約が緩和し、生産と輸出が回復した他、輸出に計上されるインバウンド(訪日客)の増加が牽引するとの見込みだ。
輸出が1-3月期の-4.2%から+2.7%程度まで回復する見通しだが、中国経済の減速が引き続き逆風となっており、依然として中国経済のデフレ懸念や景気減速への警戒感が継続する状況が続く。

その中国経済だが、11時に7月の同国鉱工業生産(予想:前年比+4.4%)や小売売上高(予想:前年比+4.5%)が発表予定。
売上高に関係する7月消費者物価指数が前年比-0.3%、鉱工業生産に関係する生産者物価指数が前年比-4.4%だったことで、個人消費や生産部門での低迷を裏付けるネガティブサプライズに警戒しておきたい。

10時30分に発表される8月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では、「理事会は8月の会合で利上げを検討したが、より有力な案は据え置きであると判断。
引き締めはインフレの上振れリスクに対するさらなる保険となる可能性」の背景を見極めることになる。

豪ドル/ドルは、中国経済の減速懸念や米10年債利回りの上昇などから下落基調にある。
中国の経済指標のネガティブサプライズやハト派的なRBA理事会議事要旨により下落トレンドに拍車がかかる可能性には警戒しておいた方がよいだろう。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:50 ☆ 4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比0.8%/前期比年率3.1%)
○13:30 ◇ 6月鉱工業生産確報
○13:30 ◇ 6月設備稼働率

<海外>
○10:30 ◎ 4-6月期豪賃金指数(予想:前期比0.9%)
○10:30 ◎ 8月豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨
○11:00 ◎ 7月中国鉱工業生産(予想:前年比4.4%)
○11:00 ◎ 7月中国小売売上高(予想:前年比4.5%)
○15:00 ◎ 7月英雇用統計(失業率/失業保険申請件数推移)
○15:00 ◎ 4-6月英失業率(ILO方式、予想:4.0%)
○15:00 ◎ 7月スウェーデン消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.1%/前年比9.3%)
        コア指数(予想:前月比横ばい/前年比6.5%)
○15:30 ◇ 7月スイス生産者輸入価格
○16:30 ◎ ロシア中銀、政策金利について討議するための臨時会合
○18:00 ◎ 8月独ZEW景況感指数(予想:▲14.7)
○18:00 ◎ 8月ユーロ圏ZEW景況感指数
○18:30 ◎ 4-6月期南アフリカ失業率(予想:32.9%)
○21:30 ◎ 7月カナダ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%/前年比3.0%)
○21:30 ◇ 6月カナダ製造業出荷(予想:前月比▲2.0%)
○21:30 ☆ 7月米小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.4%)
○21:30 ◎ 8月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:▲1.0)
○21:30 ◇ 7月米輸入物価指数(予想:前月比0.2%)
○23:00 ◎ 8月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:56)
○23:00 ◇ 6月米企業在庫(予想:前月比0.1%)
○24:00 ◎ カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、講演
○16日05:00 ◎ 6月対米証券投資動向
○インド(独立記念日)、韓国(解放記念日)、ポーランド(聖母被昇天祭)、休場

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

【前日までの要人発言】

14日の金融市場では、要人の発言は特になかった。

※時間は日本時間

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=8/14安値を支持に押し目買いスタンス>

ドル円=8/14安値を支持に押し目買いスタンス

各ラインの期間

 

陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
145円半ばまで上昇し、昨年11月以来の高値をつけた。
6手連続陽線で転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、14日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2  146.59(2022/11/10高値)
レジスタンス1  146.12(151.95円~127.23円の76.4%戻し)
前日終値  145.58
サポート1  144.66(8/14高値)
サポート2  143.55(日足一目均衡表・転換線)

<ユーロドル=水準を下げた転換線を抵抗に戻り売り>

ユーロドル=水準を下げた転換線を抵抗に戻り売り

各ラインの期間

 

陰線引け。
雲の上で引けているものの、転換線は基準線を下回り、遅行スパンは実線を下回っているため売りシグナル優勢な展開。
7月前半以来の1.08ドル台に突入するも、薄い一目雲の辺りでは支えられた。

2手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆され、本日は同線を抵抗水準に戻り売りスタンスで臨みたい。
転換線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  1.0970(日足一目均衡表・転換線)
前日終値  1.0906
サポート1  1.0863(日足一目均衡表・雲の下限)

<ユーロ円=押し目買いスタンス、8/11高値を意識>

ユーロ円=押し目買いスタンス、8/11高値を意識

各ラインの期間

 

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陰線でも転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。

本日は11日につけた2008年以来の高値159.22円を意識しながらの取引か。
トレンドは変わらず押し目買いスタンスで臨み、転換線を下抜けるようならば手仕舞い。

レジスタンス1  159.22(8/11高値)
前日終値  158.74
サポート1  157.38(日足一目均衡表・転換線)

<豪ドル円=雲の下限を支持に押し目買いスタンス>

豪ドル円=雲の下限を支持に押し目買いスタンス

各ラインの期間

 

陽線引け。
雲の中での推移だが、転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回ったため、買いシグナルが優勢な展開となっている。
抱き線で反発して転換線を上回って引けており、続伸の可能性が示唆されている。

本日は、93.40円台まで上昇してきた雲の下限を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1  95.03(日足一目均衡表・雲の上限)
前日終値  94.43
サポート1  93.42(日足一目均衡表・雲の下限)

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