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本日の東京為替見通し(為替/FXニュース):ドル円、日米金融政策への思惑から上値が重い展開か(2024年3月1日)

マーケットレポート

March 1, 2024

【前日の為替概況】ドル円149.21円まで下落後150円台回復、米1月PCEデフレーター+2.4%

29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は149.98円と前営業日NY終値(150.69円)と比べて71銭程度のドル安水準だった。
1月米PCEコア・デフレーターが予想通りながらも前年比で前月から鈍化したことを背景に米10年債利回りが低下すると売りが進行。
2月米シカゴ購買部協会景気指数や1月米住宅販売保留指数が相次いで弱い結果となり、米金利が一段と低下すると149.21円まで売り込まれた。
一方、市場では「月末のロンドンフィキシング(日本時間1時)にかけてドル買いのフローが持ち込まれた」との指摘があり、一転して150円台を回復するなど、NY市場だけで見れば行って来いの展開となった。

なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「夏から緩和を始めるのが適切だろう」、メスター米クリーブランド連銀総裁は「2024年は3回の利下げが妥当」などと述べたが、ドル相場への影響は見られなかった。

ユーロドルは3日続落。
終値は1.0805ドルと前営業日NY終値(1.0838ドル)と比べて0.0033ドル程度のユーロ安水準だった。
米長期金利の低下を手掛かりに買いが強まり、一時1.0856ドルまで本日高値を付けたが、ロンドンフィキシング前後からドル買いが活発化すると一転下落。
一時1.0796ドルまで下げ足を速め、昨日安値の1.0797ドルを下抜けた。

なお、2月独消費者物価指数(CPI)速報値は前年比で+2.5%と2021年6月以来の水準まで鈍化した。

ユーロ円は反落。
終値は162.06円と前営業日NY終値(163.33円)と比べて1円27銭程度のユーロ安水準だった。
ドル円の下落につれる形で161.69円まで売り込まれたが、ドル円が反発したため、一巡後は下げ渋った。

【本日の東京為替見通し】ドル円、日米金融政策への思惑から上値が重い展開か

本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から上値が重い展開が予想される。

3月19-20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きが確実視されており、市場の関心は利下げ開始時期となっている。

3月18-19日の日銀金融政策決定会合では、金融政策の維持が見込まれているものの、金融政策が正常化される可能性がやや高まりつつある。

昨日発表された米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月のPCEデフレーターは、前年比+2.4%となり、昨年12月の同比+2.6%から伸び率が鈍化して、FRBのインフレ目標2%へ接近した。
米1月消費者物価指数(CPI)が前年比+3.1%だった要因として、CPIの最大の構成要素であるオーナーの賃貸料に相当する部分(OER)における一戸建て住宅と集合住宅の加重手法の調整によるものだったことが判明している。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利下げ開始時期は、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)と見込まれている。

来週、パウエルFRB議長は下院(6日)と上院(7日)で議会証言を行うが、PCEデフレーターの数字でも、「物価上昇率が目標の2%へ持続的に向かっているとの確信(confidence)がより強まるまで、利下げは適切ではない」(1月FOMC声明)のか否かを見極めることになる。

植田日銀総裁や高田日銀審議委員の発言、日本の1月のコア消費者物価指数(CPI)を受けて、3月18-19日の日銀金融政策決定会合で金融政策正常化の可能性がやや高まりつつある。
植田日銀総裁は、2月22日に、政策決定で重視する基調的な物価上昇率は今後高まり、2%目標実現の鍵を握る賃金・物価の好循環が強まっていくとの見通しを示し、「日本経済はデフレではなくインフレの状態にある」と述べた。

ハト派の高田日銀審議委員は、昨日、「2%物価目標実現がようやく見通せる状況になってきた。
出口への対応も含め機動的かつ柔軟な対応に向けた検討も必要だ」とややタカ派的な見解を示した。

そして、日本の1月のコアCPIは前年比+2.0%となり、2月は物価の押し下げ要因となっていた政府の電気・ガス代負担軽減策の影響が一巡することから2%台後半まで上昇することが見込まれている。

【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間

<国内>
○08:30 ◎ 1月完全失業率(予想:2.4%)
○08:30 ◎ 1月有効求人倍率(予想:1.27倍)
○14:00 ◇ 2月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯、予想:38.3)

<海外>
○09:05 ◎ オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁、講演
○10:10 ◎ ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○10:30 ◎ 2月中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:49.1)
○10:45 ◎ 2月Caixin中国製造業購買担当者景気指数(PMI、予想:50.6)
○16:00 ◇ 2月英ネーションワイド住宅価格指数(予想:前月比0.3%)
○16:00 ◇ 2月トルコ製造業PMI
○16:30 ◇ 1月スイス小売売上高
○17:30 ◇ 2月スイス製造業PMI(予想:44.4)
○17:50 ◎ 2月仏製造業PMI改定値(予想:46.8)
○17:55 ◎ 2月独製造業PMI改定値(予想:42.3)
○18:00 ◎ 2月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:46.1)
○18:30 ◎ 2月英製造業PMI改定値(予想:47.1)
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値(予想:前年比2.5%)
○19:00 ☆ 2月ユーロ圏HICPコア速報値(予想:前年比2.9%)
○19:00 ◎ 1月ユーロ圏失業率(予想:6.4%)
○19:00 ◎ ホルツマン・オーストリア中銀総裁、講演
○21:00 ☆ 10-12月期ブラジルGDP(予想:前期比0.1%/前年同期比2.2%)
○22:30 ◎ バーキン米リッチモンド連銀総裁、講演
○23:00 ◎ ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○23:45 ◎ 2月米製造業PMI改定値(予想:51.5)
○24:00 ☆ 2月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:49.5)
○24:00 ◇ 1月米建設支出(予想:前月比0.2%)
○24:00 ◎ 2月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値、予想:79.6)
○24:00 ◇ 2月メキシコ製造業PMI
○2日00:15 ◎ ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、ローガン米ダラス連銀総裁、討議に参加
○2日02:15 ◎ ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演
○2日03:30 ◎ デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、シュミッド米カンザスシティ連銀総裁、討議に参加
○2日05:30 ◎ クーグラーFRB理事、講演
○韓国(三一節)、休場

※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。

>本日発表予定のその他の経済指標についてはこちら

【前日までの要人発言】

29日06:34 バスレ・スロベニア中銀総裁
「利下げのタイミングはインフレ次第」
「大きなサプライズがなければ、利下げフェーズを検討している」

29日07:44 神田財務官
「為替で行き過ぎた変動があれば対応する」
「G20では為替相場の過度な変動は好ましくないと発言した」
「為替市場の変動が高まるリスクに留意すべき」
「為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に動くことが望ましい」
「為替相場を緊張感を持って監視している」

1日 06:55
「為替は従来のコミットメントを再確認」
「世界経済はソフトランディング見通しも不確実性を共有」
「共同声明は発出されなかった」

29日09:19 オアNZ準備銀行(RBNZ)総裁
「ニュージーランド経済は予想通りに発展した」
「最新のデータはインフレが鈍化していることを裏付けている」
「5.5%のオフィシャルキャッシュレート(OCR)は中立金利よりかなり上」
「見通しのリスクは均衡している」

29日10:36 高田日銀審議委員
「2%目標の実現がようやく見通せる状況になってきた」
「YCC運用見直し後も、緩和的な金融環境を継続している」
「賃金・物価が上がらないノルム、ようやく転換する変曲点を迎えている」
「非常に強い金融緩和からもう少し一段ギアを下げてもいいのではないか」
「賃上げ、半年前・1年前に比べ中小企業でも実現の動きが出てきており注目」
「(出口戦略について)どんどん利上げをすることではない」

3月1日00:58 ボスティック米アトランタ連銀総裁
「夏から緩和を始めるのが適切だろう」
「警戒心を持ち続け、注意深くいる必要」
「インフレ率は私の予想以上に早く低下した」

3月1日01:40 グールズビー米シカゴ連銀総裁
「私が最も注視しているのは、住宅インフレがこれまで以上に改善していない理由」
「生産性の大幅な成長が続けば、金融政策に影響を与えるだろう」

3月1日  05:46メスター米クリーブランド連銀総裁
「PCEデータはさらなる行動が必要であることを示している」
「2024年は3回の利下げが妥当」

3月1日 07:05植田日銀総裁
「基本的には日本の景気は緩やかに回復している」
「世界経済は米国中心にソフトランディングがベースラインの見方」
「(物価目標達成見通しについて)まだそこまでは至っていない」
「春闘がひとつのポイントと考えている」
「(賃金動向について)ある程度まとまった数字が出てくるのは3月以降」

3月1日 07:09 ホークスビーNZ準備銀行(RBNZ)副総裁
「インフレ期待を2%に確実に固定するには、制限的な政策が必要」
「政策はまだしばらくは制限的なままになるだろう」
「たとえ需給ギャップがマイナスであっても政策は制限的であり続ける必要」
「現在の需給ギャップは、若干マイナスではないにしても、ほぼゼロだと考えている」
「将来のインフレショックに関しては、対処できる余地はあまりない」
「インフレに関して正しい道を進んでいるが、方針を堅持する必要がある」
「今は利下げするつもりはないが、いずれ利下げするだろう」

※時間は日本時間

>本日の要人発言をリアルタイムで確認するならこちら

〔日足一目均衡表分析〕

<ドル円=2/13高値を抵抗に戻り売りスタンス>

ドル円0301

パラメータ0301

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
しかし、抱き線で反落して転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線150.03円を念頭に置き、2月13日の高値を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同水準を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス2 151.91(2023/11/13高値)
レジスタンス1 150.89(2/13高値)
前日終値 149.98
サポート1 149.21(2/29安値)
サポート2 148.40(日足一目均衡表・基準線)

>ドル円のリアルタイムチャートはこちら

<ユーロドル=雲の下限を抵抗に戻り売りスタンス>

ユーロドル0301

パラメータ0301

陰線引け。
転換線は基準線を上回っているものの、遅行スパンは実線を下回り、雲の下で引けていることで、売りシグナルが優勢な展開。
3手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線1.0825ドルを念頭に置き、雲の下限を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 1.0929(日足一目均衡表・雲の下限)
前日終値 1.0805
サポート1 1.0695(2/14安値)

>ユーロドルのリアルタイムチャートはこちら

<ポンド円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

ポンド円0301

パラメータ0301

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で推移していることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、3手連続陰線で転換線を下回って引けており続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 190.18(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 189.34
サポート1 188.28(日足一目均衡表・基準線)

>ポンド円のリアルタイムチャートはこちら

<NZドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>

NZドル円0301

パラメータ0301

陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
しかし、4手連続陰線で転換線を下回って引けており、続落の可能性が示唆されている。

本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。

レジスタンス1 92.25(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 91.29
サポート1 89.61(日足一目均衡表・雲の下限)

>NZドル円のリアルタイムチャートはこちら

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