June 4, 2024
【前日の為替概況】米10年債利回り4.38%台でドル安 対円155.95円、対ユーロ1.0905ドル
3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。
終値は156.08円と前営業日NY終値(157.31円)と比べて1円23銭程度のドル安水準だった。
5月米ISM製造業景況指数が48.7と予想の49.6を下回ったほか、4月米建設支出が前月比0.1%減と予想の0.2%増に反して減少すると米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.38%台まで低下。
全般ドル売りが優勢となり、一時155.95円と日通し安値を更新した。
米株式市場でダウ平均が一時430ドル超下落したことも相場の重し。
主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.08まで低下した。
ユーロドルは3日続伸。
終値は1.0904ドルと前営業日NY終値(1.0848ドル)と比べて0.0056ドル程度のユーロ高水準だった。
欧州中央銀行(ECB)が今週6日にも利下げを決めるとの観測が相場の重しとなり、欧州市場では一時1.0828ドルまで値を下げた。
ただ、NYの取引時間帯に入ると米経済指標の下振れを受けて全般ドル売りが優勢となった。
米長期金利の低下に伴うドル売りも出て、取引終了間際には一時1.0905ドルと3月21日以来の高値を付けた。
ユーロ円は反落。
終値は170.19円と前営業日NY終値(170.62円)と比べて43銭程度のユーロ安水準。
ドル円の下落につれた売りが出ると一時169.72円と本日安値を更新した。
ダウ平均の下落を背景にリスク・オフの円買いも入った。
メキシコペソは軟調だった。
メキシコ大統領選では初の女性となるシェインバウム氏が勝利を収めたが、為替市場ではペソロングを手仕舞う動きが優勢となった。
原油先物価格の急落を受けて、産油国通貨とされるペソに売りが出た面もあった。
対円では8.80円、対ドルでは17.7476ペソといずれも4月19日以来の安値を付けた。
メキシコ株式市場では代表的な株式指数であるボルサ指数は6%を超す急落となった。
【本日の東京為替見通し】ドル円、上値が重い展開か 米10年債利回りの低下を受けて
本日の東京外国為替市場のドル円は、5月米ISM製造業景況指数などの悪化を受けて米10年債利回りが低下していることで上値が重い展開が予想される。
今月の米国の重要イベントは、昨日発表された5月ISM製造業景況指数や7日に発表される同月雇用統計を受けた11-12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)となっている。
経済指標の改善や悪化に関わらず、FOMCでは金融政策の維持が見込まれており、注目ポイントはドット・プロット(金利予測分布図)での利下げ回数が3回のままなのか、それとも1-2回へ減るのかとなる。
経済指標の影響は、利下げ開始時期や年内の利下げ回数を左右するのみであり、5月のISM製造業景況指数の悪化を受けて、「フェドウオッチ」での利下げ開始は、9月のFOMCとなった。
12月FOMCでも追加利下げが見込まれていることで、年末のFF金利誘導目標は4.75-5.00%となっている。
日本の注目イベントは、追加利上げや国債買い入れオペの減額、撤廃が警戒されている13-14日の日銀金融政策決定会合。
また、レパトリ減税が警戒されている今月末の経済財政運営と改革の基本方針(「骨太の方針」)も注視されており、ドル円の上値を抑える要因となっている。
先月末に明らかにされた4月29日と5月2日の本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の金額は、9兆7885億円と発表された。
一方、実需筋の1-4月の確認できる円売りは、投資信託経由の対外証券投資(新NISAなど)の約4.3兆円、貿易赤字の約2.22兆円などで、6.52兆円程度。
また、投機筋の円売り持ちポジションの目安であるIMM通貨先物の非商業(投機)部門取組のネットの円売り持ちポジションは、4月30日時点で168388枚(x1250万円=約2.1兆円)だった。
すなわち、確認できる円売り圧力は実需と投機を合わせて8.62兆円程度となり、円買い介入の9兆7885億円との売り買いの攻防により、157円台までの反発とも考えられる。
ドル円の160円が本邦通貨当局が死守するレッドライン(本丸)ならば、4月29日(推定約5.6兆円)の第1弾介入の159円台は内堀、第2弾介入と5月2日未明(推定約4.1兆円)の第3弾介入の157円台は外堀と捉えることもできるのではないか。
本邦通貨当局による円買い介入以降の反発が外堀の157円台で留まっているのは、日銀の金融政策正常化への警戒感や骨太の方針でのレパトリ減税への警戒感によるものだと思われ、当面は上値が重い展開を想定せざるを得ないのかもしれない。
【本日の重要指標】 ※時刻表示は日本時間
<国内>
○08:50 ◇ 5月マネタリーベース
<海外>
○08:01 ◇ 5月英小売連合(BRC)小売売上高調査(予想:前年比1.2%)
○10:30 ◇ 1-3月期豪経常収支(予想:51億豪ドルの黒字)
○15:30 ◎ 5月スイス消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.3%)
○16:55 ◎ 5月独雇用統計(予想:失業率5.9%/失業者数変化1.00万人)
○18:30 ◎ 1-3月期南アフリカ国内総生産(GDP、予想:前期比0.1%/前年同期比0.6%)
○21:00 ☆ 1-3月期ブラジルGDP(予想:前年同期比2.2%)
○23:00 ◎ 4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数(予想:835.5万件)
○23:00 ◎ 4月米製造業新規受注(予想:前月比0.6%)
○インド総選挙開票
※「予想」は特に記載のない限り市場予想平均を表す。▲はマイナス。
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
※指標などの発表予定・時刻は予告なく変更になる場合がありますので、ご了承ください。
【前日までの要人発言】
3日11:50 加藤日銀理事
「ETFの処分、今すぐに行うことは考えていない」
「ETFの処分含めた今後の取り扱い、ある程度時間かけてしっかり検討」
3日13:11 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁
「政策金利は当面の間、現状の水準で維持されるべき」
3日15:33 シェインバウム・メキシコ次期大統領
「我々は事業主の独立性を尊重する」
「我々は報道の自由を保証する」
「我々の政権は、節約を旨とし、メキシコ中銀の自主性を尊重し、財政責任を果たす」
3日21:20 シムシェキ・トルコ財務相
「トルコの経済成長は、より均衡の取れた構造に移行した」
「最新のインフレデータは驚くべきものではない」
「トルコの経常赤字はGDPの2.5%を下回る見込み」
「トルコ中銀は過去2カ月で650億ドルの外貨を獲得」
「短期的な外貨流入に依存していない」
※時間は日本時間
〔日足一目均衡表分析〕
<ドル円=転換線を抵抗に戻り売りスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を下回り、雲の中で引けていることで、売り買い中立となっている。
しかし、均衡表の最重要シグナルである遅行スパンが逆転し、抱き線で反落して転換線を下回って引けていることで続落の可能性が示唆されている。
本日は転換線を抵抗に戻り売りスタンスで臨み、同線を上抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス2 157.99(5/1高値)
レジスタンス1 156.83(日足一目均衡表・転換線)
前日終値 156.08
サポート1 155.25(5/17安値)
サポート2 154.93(日足一目均衡表・基準線)
<ユーロドル=転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
3手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 1.0981(3/8高値)
前日終値 1.0904
サポート1 1.0847(日足一目均衡表・転換線)
<ポンド円=6/3安値を支持に押し目買いスタンス>
陰線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯中。
孕み線で反落したものの、依然として転換線を上回って引けており反発の可能性が示唆されている。
本日は転換線199.75円を念頭に置き、3日の安値を支持に押し目買いスタンスで臨み、同水準を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 200.74(5/29高値)
前日終値 199.90
サポート1 199.23(6/3安値)
<NZドル円=上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンス>
陽線引け。
転換線は基準線を上回り、遅行スパンは実線を上回り、雲の上で引けていることで、三役好転の強い買いシグナルが点灯している。
2手連続陽線で転換線を上回って引けており続伸の可能性が示唆されている。
本日は上昇中の転換線を支持に押し目買いスタンスで臨み、同線を下抜けた場合は手仕舞い。
レジスタンス1 97.40(ピボット・ターニングポイント)
前日終値 96.65
サポート1 96.12(日足一目均衡表・転換線)
Provided by
DZH Finacial Research
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