株式の基礎

ブラックマンデーとは|原因・影響・歴史的背景をわかりやすく解説


ブラックマンデーとは1987年10月19日(月)の株価暴落を指します。

現在でも、大きな株価下落の際にブラックマンデーが比較対象として挙げられるほど、市場の歴史に残る象徴的な大暴落として語り継がれています。

本記事では、ブラックマンデーの背景、影響、よくある質問などを解説します。

ブラックマンデーとは

ブラックマンデーの発生日や、名称の理由について解説します。

  • ・ブラックマンデーの発生日
  • ・ブラックマンデーと呼ばれる理由

ブラックマンデーの発生日

ブラックマンデーの発生日は1987年10月19日(月)です。

米国市場での大暴落を皮切りに、翌20日にはアジア市場をはじめ世界中の株価が連鎖的に下落しました。

ブラックマンデーの発生日_20250524

チャート引用元:TradingView

上の日足チャートは1987年付近のNYダウの推移です。

チャート中ほどで急落している部分がブラックマンデーであり、先週末比で22.6%下落しました。

ブラックマンデーと呼ばれる理由

さかのぼること1929年10月24日の木曜日、米国市場で発生した大暴落(世界恐慌の引き金)は、「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)」と呼ばれました。

以降、株式市場で暴落が発生すると「ブラック+曜日」と呼ばれるようになり、1987年10月19日の月曜日に起こった暴落はブラックマンデー(暗黒の月曜日)と呼ばれました。

ブラックマンデーが発生した主な原因や背景

ブラックマンデーが発生した理由は、単一の原因によるものではなく、複雑な原因や背景が重なっていると考えられます。

ここでは主要な要因を整理します。

  • ・株価の過熱
  • ・金利上昇
  • ・ドル安懸念
  • ・プログラム売買の影響
  • ・パニック売り

株価の過熱

1982年から1987年にかけて、米国では好景気や規制緩和を背景に株価が高騰していました。

NYダウは約3倍に上昇し、実体経済や企業業績を上回る株価上昇が進む中で、市場では株価の割高感が意識されていたと指摘されています。

金利上昇

1980年代、米国は双子の赤字(財政赤字と経常赤字)を抱え、長期金利が上昇していました。

1987年秋にFRBが金融引き締め姿勢を強めると、金利上昇への警戒感が強まり、株式売却が誘発されたと言われています。

ドル安懸念

1980年代前半の為替レートは米ドルが過度に強く、各国の経済状況等を適切に反映していないと考えられました。

そこで、1985年に国際的合意が形成され、米ドルを安く誘導することとしました(プラザ合意)。

その後、行き過ぎたドル安を止めるためにルーブル合意がまとまったもののドル安は止まらず、国際資本市場に不安感が高まっていたと考えられています。

プログラム売買の影響

下落を加速させた要因として、大口投資家によるプログラム売買の存在が指摘されています。

プログラム売買とはコンピュータによる自動的な取引を指し、取引ごとに人の判断を要しません。

すでに高値圏にあった市場で投資家心理が悪化する中、株価が下落すると売るという内容が組み込まれており、売りが売りを呼んで暴落につながったとされています。

パニック売り

株価の暴落を受けて投資家がパニックに陥り、売り注文が殺到した模様です。

売り注文が殺到する中、買い注文の数量は売り注文よりも少なく、これが暴落につながっています。

ブラックマンデーが与えた影響

ブラックマンデーがもたらした各種影響を紹介します。

  • ・世界の株式市場で暴落
  • ・サーキットブレーカー制度の導入

世界の株式市場で暴落

前述の通り、NYダウは22.6%下落、S&P500は20.5%下落しました。

また、日本の日経平均株価は14.9%、英国のFTSE100も12.2%下落しました。

NYダウは、暴落前の水準(1987年8月〜10月にかけての2,700ドル前後)に回復するまでに、約1年半から2年を要しました。

サーキットブレーカー制度の導入

ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、ブラックマンデーを契機としてサーキットブレーカー制度を導入しました。

サーキットブレーカー制度とは、S&P500が前日比で一定基準の下落率(7%・13%・20%の3段階)に達した際に、取引が一時的に中断される仕組みです。

取引の中断により、投資家等に冷静な投資判断を促します。

ブラックマンデーに関するQ&A

ブラックマンデーに関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・ブラックマンデーで日経平均株価はどうなりましたか?
  • ・株価が元の水準に戻るのにどれくらいかかりましたか?

ブラックマンデーで日経平均株価はどうなりましたか?

ブラックマンデーで日経平均株価_20250524

チャート引用元:TradingView

日本も海外諸国と同様、ブラックマンデーで株価が大きく下落しました。

日経平均株価が暴落したのはブラックマンデーの翌日で、下落幅は約3,800円でした。

下落率は14.9%に達し、過去最大の下落率を記録しています。

株価が元の水準に戻るのにどれくらいかかりましたか?

ブラックマンデー1_20250524

チャート引用元:TradingView

上の週足チャートはNYダウを示し、表示期間は1986年から1990年後半までです。

ブラックマンデーによる暴落後、NYダウは株価の回復におよそ2年を要しています。

ブラックマンデー2_20250524

チャート引用元:TradingView

上の日足チャートは日経平均株価の推移で、表示範囲は1987年後半から1988年後半までです。

日経平均株価は、ブラックマンデーで大きく下落したものの、翌年前半には下落分を回復したことがわかります。

この後、バブル景気で株価はさらに上昇しました。

【まとめ】ブラックマンデーとは|原因・影響・歴史的背景をわかりやすく解説

ブラックマンデーとは、1987年10月19日(月)の株価暴落を指します。

米国市場での大暴落を皮切りに、翌20日にはアジア市場をはじめ世界中の株価が連鎖的に下落し、NYダウは22.6%、日経平均株価は14.9%の暴落を見せました。

この暴落をきっかけにNY証券取引所でサーキットブレーカー制度が導入されるなど、株式市場に大きな影響を与えた出来事です。

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