市場見通し
◆ドル円、日米金融政策の結果次第で荒い値動き
◆石破首相の進退、米雇用統計など相次ぐ指標にも警戒
◆ユーロドル、米EU交渉期待やECBの利下げ観測後退で底堅い
予想レンジ
ドル円 144.00-149.50円
ユーロドル 1.1600-1.2000ドル
7月28日週の展望
ドル円は、日米の金融政策発表が予定されているため、荒い値動きが想定される。特に注目されるのが30-31日の日銀金融政策決定会合だろう。米国との関税交渉期限である8月1日を前に日銀が金融政策の変更には動かないとの見方が広がっていたが、22日に日米交渉が合意に至ったことで、市場では「来週の会合で利上げに動くのでないか」との思惑が浮上している。また、仮に据え置いたとしても、植田日銀総裁が会見で利上げについて前向きな姿勢を示した場合には円高での反応となりそうだ。なお、今会合では四半期に一度の展望レポートも公表される予定。一部報道では食品価格上振れなどを理由に物価見通しが上方修正される可能性が指摘されている。
29-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)については、金融政策の現状維持が見込まれているが、注目はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見となるだろう。16日にはFRB議長の解任報道が相次ぎ、一時ドルが急落する場面があったが、米政府からの利下げ圧力が一段と高まるなかでFRB議長の見解に変化が見られるかどうかが焦点となる。
また、石破首相の進退問題にも注意したい。参院選の結果で党結成以来、初めて衆参両院で少数与党となり、自民党内でも石破首相の退陣を求める声が多く挙がっている。「石破首相退陣へ」との読売新聞の報道に対して石破首相は否定したが、来週以降も関連ニュースには気を付けたい。
なお、来週は日米金融政策の他にも、米国では29日に6月JOLTS求人件数、30日に7月ADP全米雇用報告や4-6月期GDP速報値、31日には6月米PCEコアデフレータ、8月1日には7月雇用統計や7月ISM製造業景気指数など重要指標が目白押しとなっている。
ユーロドルは、底堅い地合いとなりそうだ。交渉が難しいとされていた日米通商交渉が合意したことで欧州連合(EU)との交渉への期待感も高まっており、ユーロの押し上げ要因となるだろう。また、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が後退していることも支え。ECBは24日に8会合ぶりに政策金利を据え置き、ラガルドECB総裁は会見で「リスクが今後数カ月の間にどう展開していくかを見守ることが適切な状況にある」「様子見に入ったと言えるかもしれない」と語った。また、ECB当局者の話では「9月会合でも再び据え置きが見込まれる」と伝わっている。
7月21日週の回顧
ドル円は軟調。参院選での大敗にも関わらず、石破首相が続投を表明したことで売りが優勢に。弱い米指標による米長期金利の低下や石破首相が退陣報道を否定したことも売りを促し、一時145.86円まで売り込まれた。その後はショートカバーから147円台まで値を戻すなど神経質な動きが続いている。ユーロドルは堅調。米EUの交渉進展期待を背景に週明けから週後半にかけて強い地合いを維持。一時1.1789ドルまで上げ幅を拡大した。(了)
(執筆:7月25日、9:00)
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◆石破首相の進退、米雇用統計など相次ぐ指標にも警戒
◆ユーロドル、米EU交渉期待やECBの利下げ観測後退で底堅い
予想レンジ
ドル円 144.00-149.50円
ユーロドル 1.1600-1.2000ドル
7月28日週の展望
ドル円は、日米の金融政策発表が予定されているため、荒い値動きが想定される。特に注目されるのが30-31日の日銀金融政策決定会合だろう。米国との関税交渉期限である8月1日を前に日銀が金融政策の変更には動かないとの見方が広がっていたが、22日に日米交渉が合意に至ったことで、市場では「来週の会合で利上げに動くのでないか」との思惑が浮上している。また、仮に据え置いたとしても、植田日銀総裁が会見で利上げについて前向きな姿勢を示した場合には円高での反応となりそうだ。なお、今会合では四半期に一度の展望レポートも公表される予定。一部報道では食品価格上振れなどを理由に物価見通しが上方修正される可能性が指摘されている。
29-30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)については、金融政策の現状維持が見込まれているが、注目はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見となるだろう。16日にはFRB議長の解任報道が相次ぎ、一時ドルが急落する場面があったが、米政府からの利下げ圧力が一段と高まるなかでFRB議長の見解に変化が見られるかどうかが焦点となる。
また、石破首相の進退問題にも注意したい。参院選の結果で党結成以来、初めて衆参両院で少数与党となり、自民党内でも石破首相の退陣を求める声が多く挙がっている。「石破首相退陣へ」との読売新聞の報道に対して石破首相は否定したが、来週以降も関連ニュースには気を付けたい。
なお、来週は日米金融政策の他にも、米国では29日に6月JOLTS求人件数、30日に7月ADP全米雇用報告や4-6月期GDP速報値、31日には6月米PCEコアデフレータ、8月1日には7月雇用統計や7月ISM製造業景気指数など重要指標が目白押しとなっている。
ユーロドルは、底堅い地合いとなりそうだ。交渉が難しいとされていた日米通商交渉が合意したことで欧州連合(EU)との交渉への期待感も高まっており、ユーロの押し上げ要因となるだろう。また、欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測が後退していることも支え。ECBは24日に8会合ぶりに政策金利を据え置き、ラガルドECB総裁は会見で「リスクが今後数カ月の間にどう展開していくかを見守ることが適切な状況にある」「様子見に入ったと言えるかもしれない」と語った。また、ECB当局者の話では「9月会合でも再び据え置きが見込まれる」と伝わっている。
7月21日週の回顧
ドル円は軟調。参院選での大敗にも関わらず、石破首相が続投を表明したことで売りが優勢に。弱い米指標による米長期金利の低下や石破首相が退陣報道を否定したことも売りを促し、一時145.86円まで売り込まれた。その後はショートカバーから147円台まで値を戻すなど神経質な動きが続いている。ユーロドルは堅調。米EUの交渉進展期待を背景に週明けから週後半にかけて強い地合いを維持。一時1.1789ドルまで上げ幅を拡大した。(了)
(執筆:7月25日、9:00)
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DZH Finacial Research
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