ホーム » マーケットニュース » 週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、SARBの金融政策に注目

週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、SARBの金融政策に注目

市場見通し
◆豪ドル、雇用統計の行方を注視
◆NZドル、四半期GDPで景気回復の進展を確認
◆ZAR、SARBの金融政策に注目

予想レンジ
豪ドル円 96.00-99.50円
南ア・ランド円 8.25-8.70円

9月15日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。来週は18日に8月雇用統計の発表が予定されている。豪準備銀行(RBA)は前回(8月11-12日)の理事会で利下げを決めた際に、金利引き下げの根拠の一つとして労働市場の状況が若干軟化していることを挙げていた。ただ、その後に発表された4−6月期の国内総生産(GDP)が市場予想を上回る強い結果となり、ブロックRBA総裁は「この状況が続けば今後の利下げは限られるかもしれない」との見解を示すなど、足もとでは豪金利先安観が後退しつつある。今回の雇用統計を受けて再び豪利下げ期待が高まるか、豪ドルの反応とともに注意深く見極めることになるだろう。

 また、来週は日米で金融政策の発表が予定されており、日銀は金利の据え置き、米連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げが確実視されている。米国は金利見通し(ドットチャート)やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見、日本は声明文や植田日銀総裁の会見などから次回以降の金融政策判断に関するヒントを探りたいところだ。

 隣国のニュージーランド(NZ)では来週17日に4-6月期経常収支、18日に4−6月期GDP、19日に8月貿易収支が発表予定。NZ準備銀行(RBNZ)のホークスビー総裁は今週、「政策金利に関する中心的な予測は年末までに2.50%程度まで低下するというものだが、景気回復の進展次第ではより早くも遅くもなり得る」と述べ、政策金利の先行きは景気回復に関する今後のデータ次第との見解を示した。次回(10月8日)のRBNZ会合まで主だった経済指標の発表が予定されていないこともあり、来週の4−6月期GDPでNZ経済の状況を確認することになる。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は荒い値動きに警戒する必要があるだろう。来週は17日に8月消費者物価指数(CPI)や7月小売売上高、18日に南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策決定委員会(MPC)が予定されている。SARBの政策決定に関しては市場の意見も分かれており、追加利下げが実施されるかどうかは、前日のCPIも見極めながら慎重な判断が必要となる。SARBはインフレ目標を従来の3-6%の下限に設定する方針を示しており、8月CPIが7月の前年比3.5%からさらに上昇した場合は追加利下げが困難となるかもしれない。なお、SARBと南アフリカ財務省はインフレ目標に関して既に合意している模様。目標が確定次第、今後の方向性を発表する予定と伝わっている。

9月8日週の回顧
 豪ドルは対ドル・対円でともにしっかり。対ドルでは0.66ドル台で底堅く推移し、年初来の高値を更新。対円でも1月以来の高値水準となる98円台前半まで上値を伸ばした。

 ZARも対ドルのレートでは17.35ZAR台まで下落して、年初来のZAR高水準を更新。対円では8.4円台で底堅く推移し、年初来高値の8.53円を視野に入れた動きとなった。(了)
(執筆:9月12日、9:00)


OANDA CFD

Provided by
DZH Finacial Research

「投資を面白く、投資家を笑顔に」をスローガンに、株式や為替など様々な金融マーケットの情報を提供。 豊富な経験を持つエキスパートが多数在籍し、スピーディー且つオリジナルな視点からの情報をOANDA Labに配信しています。
会社名:株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
所在地:東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー32階
商号等:【金融商品取引業者】投資助言業/【登録番号】関東財務局長(金商)907号


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
一覧へ戻る