サーキットブレーカーとは|仕組み・発動条件・具体例などをわかりやすく解説
サーキットブレーカーとは、金融市場において短時間で過度な価格変動が起きた際に、取引が一時的に中断される制度です。
制限を設けることで、投資家の過熱感を抑えて冷静な対応を促します。
本記事では、サーキットブレーカーの意味、特徴、よくある質問などを解説します。
目次
- 1.サーキットブレーカーとは
- 2.サーキットブレーカーの発動条件
- 3.サーキットブレーカーの事例
- 4.サーキットブレーカーに関するQ&A
- 5.【まとめ】サーキットブレーカーとは|仕組み・発動条件・具体例などをわかりやすく解説
サーキットブレーカーとは
サーキットブレーカーの目的と仕組みについて解説します。
- ・サーキットブレーカーの目的
- ・サーキットブレーカーの仕組み
サーキットブレーカーの目的
サーキットブレーカーの目的は、投資家に冷静な対応を促して相場の過度な変動を抑えることです。
米国で1987年に発生した株価暴落(ブラックマンデー)を契機として導入されました。
ブラックマンデー発生の理由の1つにパニック売りがあります。
サーキットブレーカーの導入により、投資家のパニックを緩和する効果が期待できます。
サーキットブレーカーの仕組み
サーキットブレーカーは世界各国の市場で導入されており、仕組みもそれぞれ異なります。
共通点は、短時間で過度な価格変動が生じた場合に、値動きを抑える仕組みが発動するということです。
日本の場合、指数先物や指数オプション等の市場では導入されていますが、現物株市場では導入されていません。
その代わりに、個別銘柄ごとに値幅制限(ストップ高・ストップ安)という制度が設けられ、急激な価格変動を抑える仕組みとなっています。
サーキットブレーカーの発動条件
サーキットブレーカーの発動条件について、米国(S&P500)の場合と、日本(日経225先物)の場合を例に解説します。
- ・米国のサーキットブレーカーの発動条件
- ・日本のサーキットブレーカーの発動条件
米国のサーキットブレーカーの発動条件
前日終値比で7%下落すると、サーキットブレーカーが発動し、取引が15分間中断されます。
取引再開後に前日終値比で13%下落すると、再び取引が中断されます。
再開後にさらに下落して前日終値比で20%に達すると、その営業日の取引は終了となります。
なお、サーキットブレーカーは価格下落の場合に適用され、価格上昇時には発動しません。
日本のサーキットブレーカーの発動条件
先物取引の中心限月取引について、制限値幅の上限または下限で呼値が提示されたり約定したりした場合に、サーキットブレーカーが発動します。
取引の中断時間は10分間以上です。
その後、制限値幅を拡大しつつ取引が再開され、制限値幅の上限または下限に達すると、再び発動します。
制限値幅の拡大は最大で2回まで可能で、価格の下落だけでなく上昇でもサーキットブレーカーが発動される点が特徴です。
サーキットブレーカーの事例
日経225先物を例にして、日足チャートを使いつつサーキットブレーカーの発動事例を解説します。
日付 | 開始時刻 | 終了時刻 |
---|---|---|
4月7日(月) | 08:45 | 08:55 |
4月7日(月) | 23:17 | 23:27 |
4月10日(木) | 03:00 | 03:10 |
データ引用元:日本取引所グループ
出典:TradingView
2025年4月上旬から10日にかけて、日経225先物は大きく乱高下しました。
4月2日にトランプ米大統領が関税政策(相互関税)を発表すると、中国は4日に報復関税で応じました。
これを受けて、週明け7日の日経平均株価は取引開始直後から急落し、サーキットブレーカーが発動しています。
9日には米国による相互関税の90日間停止が発表され、翌10日の日経平均株価は急騰しました。
この結果、4月7日から10日にかけて、サーキットブレーカーが3回発動しています。
表を見ると、早朝・深夜を問わず、基準を満たした時点で発動している様子がわかります。
サーキットブレーカーに関するQ&A
サーキットブレーカーに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・日本のサーキットブレーカー制度はいつ導入されましたか?
- ・サーキットブレーカーが発動されたらどう対応すべきですか?
- ・サーキットブレーカーとストップ高との違いは?
日本のサーキットブレーカー制度はいつ導入されましたか?
日本のサーキットブレーカー制度は1994年に導入されました。
1987年のブラックマンデーで、相場の急変時に一時的に売買を停止する制度の必要性が認識されたことがきっかけです。
サーキットブレーカーが発動されたらどう対応すべきですか?
サーキットブレーカーは、価格が急に大きく変動したときに発動されます。
サーキットブレーカー発動中に自分のポジションや注文内容を確認し、過度なリスクを取りすぎていないか確認することが推奨されます。
リスクが過大な場合は、新規注文をやめるなどリスクを減らす対応が必要です。
サーキットブレーカーとストップ高との違いは?
サーキットブレーカーとは、相場の過度な変動に対して一時的に取引を中断する仕組みで、一定時間経過後に取引が再開されます。
一方、ストップ高とは、1日の値幅制限の上限まで株価が上昇した状態で、取引は継続するものの、当日中に値幅制限の上限を超えて上昇することはありません。
なお、このような急激な値動きを抑える制度は世界各国の市場にありますが、導入している制度は国や市場によって異なります。
【まとめ】サーキットブレーカーとは|仕組み・発動条件・具体例などをわかりやすく解説
サーキットブレーカーとは、金融市場で短時間に価格が過度に変動した場合に、投資家に冷静な対応を促す仕組みです。
1987年のブラックマンデーがきっかけで生まれた制度で、日本では1994年に導入されました。
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