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FXのリスクリワード比率とは?計算ツールや改善方法を解説


FXのリスクリワード比率とは?


FXのリスクリワード比率(リスクリワードレシオ)とは、1回の取引における利益と損失の比率です。言い換えると1回の取引でとるリスク(損失1)に対して、どのくらいの利益を上げているかを数値化したものです。

一般的にFXは、プロの投資家でも予想を外します。つまり100%取引が成功する取引手法や分析方法などはありません。どんな投資家でも必ず損失を出します。

プロの投資家は損失が発生することを許容しているため、利益よりもリスクを抑えることに重点を置きつつ取引をします。

リスクリワード比率を活用することで、将来的に利益を上げ続けられるかを把握することが可能です。


FXのリスクリワード比率の計算方法


リスクリワード比率の計算方法は、以下の通りです。

  • リスクリワード比率=勝ちトレードの平均利益÷負けトレードの平均損失

勝ちトレードの平均利益と負けトレードの平均損失が同額であれば、リスクリワード比率は「1」です。つまりリスクリワード比率が「1」を超えると、勝ちトレードの平均利益が上回ります。

一方リスクリワード比率が「1」を下回ると、負けトレードの損失が上回ります。仮に勝率が50%の場合、「1」を上回ると利益が出て「1」を下回ると損失が出るといった計算が可能です。


FXのリスクリワード比率と勝率の関係


FXのリスクリワード比率と勝率の関係性について解説します。以下の画像を御覧ください。

損益比率と勝率の関係

上記画像はリスクリワード比率を縦軸として、勝率を横軸としたものです。水色の曲線を損益分岐点として、それを上回れば利益が出るリスクリワード比率、下回れば損失が発生するリスクリワード比率です。

つまりこの表にトレードの結果を当てはめると、現在の戦略でトレードを続けると安定した収益を上げられるのか、損失を出す可能性が高いかを簡易的に判断できます。

例えばリスクリワード比率が0.5の場合は、勝率は7割近くないと利益が出ません。それに対しリスクリワード比率が2の場合、勝率は40%程度でもしっかりと利益をあげられます。

トレードの収益を改善するには、このリスクリワード比率と勝率をバランスよく改善させる必要があります。


口座残高の推移


続いて実際に口座残高推移の例を見ながら考えてみましょう。以下の条件で口座資産の推移を示したのが次の図です。

  • 勝率:50%前後
  • リスクリワード比率:1
  • 1回のトレードリスクやリターン:2万円

口座残高推移(口座資産の2%のリスク、リターン)

口座資産は10回のトレードを終えた時点での残高は100万円です。リスクリワード比率、勝率のいずれかが高くなれば利益を上げられます。ただしこれは毎回同じ金額のリスク、リターンを狙った場合です。

同じ条件の上で毎回のトレードにおいて、口座資産の2%のリスク、リターンを狙うといった方法に変更した場合はどうなるでしょうか?このリスク管理方法の方が、口座資産が減った場合にリスクを減らし口座資産の減少を和らげられ、柔軟な資金管理方法ができるかもしれません。

口座残高推移(リスクリワード1・リターン2万円)

しかし結果を見ると連敗の後に連勝が続いた場合、連勝の後に連敗が続いた場合、勝敗が交互となった場合のいずれも、勝率5割で資金が減少しています。つまりリスク、リターンを口座資産に対しての割合でとる場合は、リスクリワード比率が「1」で勝率が50%であっても利益が出ません。

これは減少した資産を取り戻すには、同じ割合の増加では足りないというのが理由です。具体的な例で見てみましょう。10万円の口座があったとします。口座が10%減った場合は残金が9万円です。次に10%の資産の増加があった場合は、9万9000円となり結果として1勝1敗では口座資産が1000円減少しています。

このため口座資産に対する割合で1回のトレードのリスク、リターンの金額を決定する場合に利益を上げようと考える場合は、リスクリワード比率「1」、勝率50%では足りないことがわかるでしょう。

この口座資産に対する割合でリスク、リワードを計算するといった方法は、口座資産の残金に対して柔軟にリスクをコントロールできます。また口座資産が増えた際は、大きなリターンを狙えるという点では優秀です。ただし固定金額で行った場合に比べると、勝率やリスクリワード比率が少し高いトレードを行わなければならないといった点で注意が必要です。

ちなみに勝率50%の場合、リスクリワード比率は1.03付近が損益分岐点といえます。よって口座資産に対する割合でリスクを管理する場合は、利益を上げるためにリスクリワード比率、勝率は固定金額のリスク、リターンを強く意識する必要があります。

口座残高推移(10万円の例)


FXのリスクリワード比率や勝率の改善方法


リスクリワード比率、勝率をバランスよく改善する必要があるといいましたが、どのように改善すればよいのでしょうか?トレードスタイルにより、リスクリワード比率を上げることに力を入れるのか、勝率を高めることに力を入れるのかは変わってきますが、初心者の方が、コントロールしやすいのは、リスクリワード比率の方です。

リスクリワード比率のうち、一番トレーダーがコントロールしやすいのはリスクの部分です。損切り注文を入れることで、基本的にはリスクを一定額に抑えられます。またリターンもコントロールしやすい部分の一つです。あらかじめ利益確定の水準を考えておき、指値注文を入れておけば一定水準の利益を確保することが可能です。

例えばエントリー前にチャート上で損切り水準や利益確定の水準を考え、リスクリワード比率がしっかりと目標水準を超えられた場合にのみエントリーを行います。そして同時に損切り注文と利益確定の注文を出しておくというルールを定めておけば、基本的にリスクリワード比率は目標水準を維持することが可能です。

トレードを難しくしている要因の一つに、早すぎる利益確定が原因というものがあります。これは人間の本能として、利益は早く確定してしまいたいという衝動が働くことによるものです。

その結果としてリスクリワード比率が低下し、結果として口座資産を減らしてしまうというパターンです。このようにならないためにも、最初に設定した利益確定水準は基本的に動かさないというルールも定めておきましょう。

ただしリスクに対して大き過ぎるリターンを狙ってしまうと、勝率が悪化する可能性も高まるため、損失とのバランスが重要です。初心者の方は、まずは勝率50%以上で利益が出るリスクリワード比率1以上を目指しましょう。

エントリーをする前に、そのトレードが割の合わないトレードでないかをチェックし、エントリーするかどうかを決定するようにすることをオススメします。

具体的には、エントリーする前に損切り、利益確定の水準までの距離を比較し、損切りまでの水準の方が大きいようであれば、リスクリワード比率が「1」を割り込んでしまうので、エントリーを見送るというような対策を行います。

エントリーをしても良い場合

エントリーを見送る場合

特に、相場の動きに乗じて衝動的にトレードを行うような場合には、このリスクリワード比率を考える余裕もなく、エントリーしてしまいがちなケースですので注意しましょう。

また勝ちトレードの後に気持ちが大きくなった精神状態で行なうトレードや、負けトレードの後の不安定な精神状態で行うトレードも同様です。

これらに共通するのは次のトレードまでに十分な準備をする時間的、精神的余裕がないケースも考えられます。このような場合でもしっかりとリスクリワード比率を考えてトレードする癖をつけましょう。

これに対し勝率は運にも左右されることが多いため、コントロールが難しいと言えます。テクニカル分析を駆使し、リスクリワード比率が「1」以上で勝率50%以上のエントリーポイントを、根気強く探していくしかありません。

できる限りの過去のデータでバックテストを行う、またデモトレードや少額のトレードで検証を行い、成績の良いものを中心に実戦で使うといった方法が一般的です。ただし過去の相場と将来の相場は異なり、まったく同じ値動きになることはありません。過去のデータを過信しすぎるというのも禁物といえます。

トレードはリスクリワード比率が1であれば、上か下かの2択(50%)のゲームです。それを少しでも超えられれば、利益を上げられやすくなります。繰り返しですがエントリーのタイミングを考えるときには、必ず損切りの水準も考え狙える利益を比較して考える癖をつけておきましょう。

まずはリスクリワード比率が「1」以上になるように徹底しましょう。そしてそれに併せて勝率も上げるための分析を続ける地道な作業も続ける必要があります。簡単なことではありませんが、言い方を変えれば、リスクリワード比率、勝率を少し高める優位性のある売買戦略を見つけ出せれば、利益を上げられるといえます。

これらの点を意識して自己のトレード戦略を見直せば、改善策が見えてくるかもしれません。


FXのリスクリワード比率の計算ツール


OANDA(以下、弊社)ではオリジナルインジケーターや描画ツールを活用して、リスクリワード比率を簡単に求める計算ツールを提供しています。以下で使い方を詳しく解説するため、ぜひご活用ください。


Tradingviewの描画ツール


Tradingviewの描画ツールを使えば、リスクリワード比率を簡単に求めることが可能です。

FXのリスクリワードレシオの計算ツール

上記画像は、弊社が提供する「fx trade」のチャート画面です。「fx trade」ではTradingviewと同じようなUIや機能で取引できます。

Tradingviewの機能にあるリスクリワード比率を求めるツールも搭載しているので、簡単に計算することが可能です。

使い方に関しては以下のコンテンツで詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。

TradingView(トレーディングビュー)の損益比率の計算ツールの使い方を紹介


OANDAが提供するインジケーター「OANDA Mini Terminal」


弊社が提供するインジケーター「OANDA Mini Terminal」では、ストップロス注文(S/L)とテイクプロフィット注文(T/P)をチャート上で調節することが可能です。

OANDA Mini Terminal

OANDA Mini Terminal」は、デフォルトのMT4ではできない注文方法を可能にしたインジケーターです。例えばデフォルトのMT4では、ワンクリック注文時にストップロス注文やテイクプロフィット注文を同時に発注することは出来ません。

しかし「OANDA Mini Terminal」であれば、ワンクリック注文時にストップロス注文やテイクプロフィット注文を同時に発注できます。効率的にリスク管理をすることができるといった点が、「OANDA Mini Terminal」の特徴です。

また弊社MT4東京サーバを利用している方、デモ口座では使えないといった条件があります。リスク管理を徹底したい方は、ぜひご活用ください。

「OANDA Mini Terminal」の詳しい使い方はこちら


FX用資産シミュレーション


リスクリワード比率を求めることで、利益を出せるか出せないかを分析することが可能です。弊社では口座資産の変化をより具体的にシミュレーションできる、「FX/CFD用資産シミュレーション」を提供しています。

1回のトレードでどの程度のリスクをとり、どの程度のリターンを狙っていけばよいのかが分かります。またどの程度の勝率があれば資産が増えていくのかを、イメージすることが可能です。

投資戦略を考えるうえでの参考データとして、ぜひご活用ください。以下で使い方を解説します。


FX用資産シミュレーションの使い方


FX用資産シミュレーションの使い方は、以下の通りです。

FX用資産シミュレーションの使い方

FX用資産シミュレーションの使い方-2

例えば以下の条件で、取引をします。

  • 口座資産:100万円
  • 1回の取引で想定する損失:2%
  • 1回の取引で想定する利益:3%
  • 想定している勝率:50%
  • 想定している破産水準:50%
  • トレード回数:10回
  • 1回あたりのトレード件数:100回

シミュレーション結果

シミュレーション結果-2

取引後に想定される口座残高や破産確率などを分析できます。ただしここで良い数字が出たからと言って将来の取引結果を約束できるものではありません。あくまで現在のトレード戦略を見直す目的でご活用ください。

FX/CFD用資産シミュレーションはこちら

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OANDAではこれからFXを始める初心者の方向けに、様々なコンテンツを提供しています。コンテンツを読み進めていくことで、初心者の方でもスムーズにFXを始めることが可能です。またOANDAの口座保有者だけが使えるOANDAオリジナルインジケーターも提供しています。是非OANDAの口座開設をご検討ください。

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OANDA Lab編集部

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