最終更新日:2021年9月6日 15時13分
FXの両建てとは?言葉の意味や取引手法、メリット・デメリットを紹介
FXの両建てとは?
FXにおける両建てとは、同一通貨ペアの売りポジションと買いポジションを同時に保有することをいいます。決済したのと同じ状況となるため、価格の変動による損失拡大を防ぐことができる反面で、スプレッドやスワップポイントの負担などのデメリットがあるため、経済的合理性を欠く取引と言えます。
画像1/両建てとは
FXの両建てのメリット
FX取引において両建てをするメリットは、以下の通りです。
- 一時的な損失拡大を防げる
- つなぎ売買をすることができる
それぞれ詳しく紹介します。
一時的な損失拡大を防げる
両建ては同一通貨ペアの売りポジションと買いポジションを同時に保有する取引手法なので、一時的な損失拡大を防ぐことができます。例えば、1ドル100円で買いポジションを保有したが1ドル98円まで下落すれば-2円の損失です。しかし、1ドル99円で売りポジションを保有すれば+1円の利益となるので-1円の損失になります。このように両建ては、一時的な損失を防ぐことができるメリットがあります。しかし、厳密にはスワップポイントやスプレッドを合わせると、損失を出してしまう可能性もあるので注意が必要です。
つなぎ売買をすることができる
同じ取引口座で長期取引と短期取引をする場合、長期的には買い・短期的には売りというつなぎ売買をすることが可能です。相場は上下に価格が変動し動いていくので、長期的には上昇トレンドだが短期的には押し目をつけることもあります。そのため取引が成功すれば、買いポジションと売りポジションの両方で利益を狙うことも可能です。
画像2/つなぎ売買
また、年末に含み益のポジションを保有していた場合、そのポジションを決済すれば税金が発生してしまうケースがあります。翌年に持ち越せば税金はかからない(個人の場合)ので、なるべくなら決済をしたくないところです。しかし、為替変動リスクがあるので、ポジションを持ち越すのにも不安があります。そこで両建てを使うことで、一時的にリスクヘッジをしポジションを保有することも可能です。
両建てにはメリットもありますが、前述したように経済的合理性を欠く取引なので、デメリットやリスクを把握したうえで取引を行うようにしましょう。
FXの両建てのデメリット・リスク
FX取引において両建てをするデメリット・リスクは、以下の通りです。
- スワップポイントやスプレッドの負担が大きい
- ロスカットになるリスクが高まる
それぞれ詳しく紹介します。
スワップポイントやスプレッドの負担が大きい
両建ては同一通貨ペアの買いポジションと売りポジションを同時に保有するため、取引コストが2倍かかります。取引回数を重ねるほど取引コストの負担が大きくなる手法です。
また、長期取引になるとスワップポイントも関係してきます。スワップポイントは通貨ペアによって異なりますが、金利が高い通貨を売っているとマイナススワップとなり逆に支払わなければなりません。長期的にポジションを保有すると、スプレッドだけではなくスワップポイントも関係してくるため、損失を出しやすい取引手法です。
ロスカットになるリスクが高まる
両建ては2つのポジションを保有するので、より多くの証拠金が必要です。証拠金に余裕がない状態で両建てを行えば、ロスカットリスクが高まります。前述したように取引コストの負担も高い手法なだけに、余裕を持った証拠金が必要です。
FXの両建てのやり方や取引手法
ここでは、両建てのやり方や取引手法をチャート画面を用いて紹介します。早速、以下の画像を御覧ください。

上記の画像は、米ドル円の日足チャートです。赤丸で買いポジションを保有し上昇したところで売りポジションを保有し両建てをします。価格が下落したところで売りポジションを決済し、再度上昇したところで買いポジションを決済します。このように、一時的な含み益のドローダウンを、両建てすることで上手く利益に変えることも可能です。
ただし、相場は誰にも正確に予測を立てることは出来ないので、両建てが失敗すれば大きな損失を出すリスクもあるということに注意して下さい。
FXの両建ては負けない?必勝法はあるの?
結論からお答えすると、FXの両建ては損失を出すリスクが高く推奨はしておりません。また、FXにおいてそもそも必ず利益を出せるような必勝法などは存在しません。一般的に、プロのトレーダーでもFXは損失を出すといわれております。FXで長く利益を得ていくのであれば、リスクを抑えた取引をコツコツと行って行くことが大切です。
OANDAのMT4/MT5は両建て取引が可能
OANDAのMT4/MT5は両建て取引をすることが可能です。また、OANDAではMAX方式を採用しています。MAX方式とは、買いポジションと売りポジションを比較しポジションが大きい方にのみ証拠金が必要となる方式です。そのため、取引数量の大きいポジションのみの証拠金だけで両建てが可能なので、より少ない証拠金で取引を行うことができます。ただし、両建て機能はベータ版(NYサーバーにつきましてはベータ版でのご提供)でのご利用となります。
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