スタンダード市場とは|上場基準やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説
スタンダード市場とは、一定の事業基盤や収益基盤を持つ企業向けに設けられた東京証券取引所の市場区分の1つです。
既存事業を安定的に拡大しながら、持続的な成長や企業価値の向上を目指す企業が多く上場している点が特徴です。
本記事では、スタンダード市場の特徴や上場基準、他市場との違いなどをわかりやすく解説します。
目次
- 1.スタンダード市場とは
- 2.スタンダード市場の上場基準
- 3.スタンダード市場に上場するメリット・デメリット
- 4.スタンダード市場の主な指数と業種
- 5.スタンダード市場に関するQ&A
- 6.【まとめ】スタンダード市場とは|上場基準やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説
スタンダード市場とは
スタンダード市場の目的や特徴、他の市場区分との違いについて解説します。
- ・スタンダード市場の目的と特徴
- ・スタンダード市場と他の市場区分の違い
スタンダード市場の目的と特徴
東京証券取引所
では、2022年4月に市場区分を再編し、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つの新たな市場区分へ移行しました。これは、企業の規模や成長段階、投資家から見た市場特性に応じて、よりわかりやすい市場構造を整備することを目的としたものです。
その中でスタンダード市場は、一定の事業基盤や収益基盤を持ち、持続的な成長を目指す企業向けの市場区分です。
上場
する主な目的には、株式市場を通じた資金調達や企業の知名度向上、社会的信用の獲得などが挙げられます。また、既存事業の安定的な拡大や企業価値の向上を目指す企業が多く存在します。
プライム市場ほど大規模な時価総額や高い流動性は必須ではないものの、上場企業として適切な企業統治や情報開示の基準を満たすことが求められます。
スタンダード市場と他の市場区分の違い
東京証券取引所の3つの市場区分は、それぞれ対象となる企業や重視されるポイントが異なります。
プライム市場は大規模な企業が上場し、国内外の機関投資家からの投資を意識した市場区分で、グロース市場は高い成長可能性を持つ企業向けの市場区分です。
これらに対してスタンダード市場は、既存事業を基盤とした安定的な成長を目指す企業が多く上場する市場区分です。
各市場区分の主な特徴をまとめると、以下の通りです。
| 市場区分 | 主な特徴 |
| スタンダード市場 | 一定の事業基盤や収益基盤を持ち、持続的な成長を目指す企業向けの市場区分 |
| プライム市場 | 国内外の機関投資家を意識した、高い水準の企業統治や情報開示、流動性が求められる市場区分 |
| グロース市場 | 高い成長可能性を持つ企業で構成され、将来的な企業価値向上を目指す市場区分 |
スタンダード市場の上場基準
続いて、スタンダード市場の上場基準について解説します。
- ・スタンダード市場の上場審査基準
- ・スタンダード市場の上場維持基準
スタンダード市場の上場審査基準
スタンダード市場では、新規上場にあたり、上場企業として必要な基準を満たしているかが審査されます。
上場審査では、株式の流通状況や企業の継続性、収益性、企業内容等の開示の適正性、コーポレート・ガバナンス体制などが審査対象となります。
具体的な新規上場時の基準の概要は、以下の表の通りです。
| 項目 | 基準の概要 |
| 流通株式数 | 2,000単位以上 |
| 流通株式時価総額 | 10億円以上 |
| 流通株式比率 | 25%以上 |
| 株主数 | 400人以上 |
| 事業継続年数 | 3か年以前から株式会社として継続的に事業活動を行っていること |
| 利益要件 | 最近1年間における利益の額が1億円以上であること |
| 企業内容等の開示 | 企業内容等の開示を適正に行うことができる状況にあること |
| コーポレート・ガバナンス | 適切なコーポレート・ガバナンス体制が整備され、機能していること |
表に示した条件を満たし、上場企業として適切な体制が整備されていると判断されれば、スタンダード市場への上場が認められます。
スタンダード市場の上場維持基準
スタンダード市場では、上場後も投資家が安心して取引できる市場環境を維持するため、一定の上場維持基準が設けられています。
具体的には、流通株式数や株主数、売買高、純資産などについて基準が定められています。
主な上場維持基準は以下の通りです。
| 項目 | 基準の概要 |
| 流通株式数 | 2,000単位以上 |
| 流通株式時価総額 | 10億円以上 |
| 流通株式比率 | 25%以上 |
| 株主数 | 400人以上 |
| 売買高 | 月平均売買高が10単位以上 |
| 純資産 | 額が正であること |
上場維持基準に適合しない状態となった場合でも、直ちに上場廃止となるわけではなく、改善期間が設けられます。
改善期間内に上場維持基準を満たせなかった場合は、上場廃止の対象となります。
スタンダード市場に上場するメリット・デメリット
スタンダード市場への上場にはさまざまなメリットがある一方で、注意すべきデメリットもあります。
ここでは、それぞれの特徴について解説します。
- ・スタンダード市場に上場するメリット
- ・スタンダード市場に上場するデメリット
スタンダード市場に上場するメリット
スタンダード市場に上場することで、企業としての信頼性や認知度の向上が期待できます。
また、株式市場を通じた資金調達や人材採用などにおいてもメリットが見込めます。
一定の事業基盤を持つ企業が、自社の事業規模に適した市場で上場し、企業価値の向上を目指せる点もメリットです。
スタンダード市場に上場するデメリット
スタンダード市場への上場後は、適時開示や決算開示などの情報開示義務を継続して果たす必要があります。
また、上場維持基準を満たすためには、管理体制の整備や継続的な対応が必要です。
これらには一定のコストがかかるほか、基準に適合しない状態が続くと上場廃止基準に該当する可能性があります。
スタンダード市場の主な指数と業種
スタンダード市場には、市場全体の動向を把握するための指数があり、幅広い業種の企業が上場しています。
- ・スタンダード市場の主な指数
- ・スタンダード市場の主な業種
スタンダード市場の主な指数
スタンダード市場の代表的な指数として、東証スタンダード市場指数が挙げられます。
東証スタンダード市場指数は、東京証券取引所のスタンダード市場に上場する内国普通株式を対象とした株価指数です。
基準日を2022年4月1日、基準値を1,000ポイントとして、時価総額加重方式(浮動株ベース)で算出されます。
また、東証スタンダード市場指数の構成銘柄のうち、時価総額および流動性が高い20銘柄で構成される東証スタンダード市場TOP20もあります。
東証スタンダード市場TOP20は、スタンダード市場の中でも主要な銘柄の値動きを把握するために活用されます。
スタンダード市場の主な業種
スタンダード市場には幅広い業種の企業が上場しています。
業種別では、小売業や電気機器、情報・通信業、卸売業、化学、サービス業などが比較的大きな割合を占めており、複数の業種から構成される市場となっています。
このほか、機械、建設業、食料品、不動産業などの企業も上場しており、幅広い業種から投資対象を選択できる点も特徴です。
スタンダード市場に関するQ&A
スタンダード市場に関するよくある質問は、以下の通りです。
- ・スタンダード市場の時価総額は?
- ・スタンダード市場で代表的な企業は?
- ・スタンダード市場の銘柄はどこで確認できますか?
スタンダード市場の時価総額は?
スタンダード市場の時価総額は、上場企業の株価や株式数によって日々変動します。
最新の時価総額については、東京証券取引所(日本取引所グループ)が公表している「市場別時価総額」で確認できます。
なお、2026年7月31日時点のスタンダード市場の時価総額は、約32.9兆円です。
スタンダード市場で代表的な企業は?
スタンダード市場には、長年の事業基盤を持つ企業や、特定の分野で高い競争力を持つ企業など、さまざまな企業が上場しています。
代表的な銘柄として、以下の企業が挙げられます(2026年8月時点)。
- ・日本オラクル(4716)
- ・日本マクドナルドホールディングス(2702)
- ・ワークマン(7564)
- ・東映アニメーション(4816)
- ・フクダ電子(6960)
スタンダード市場の銘柄はどこで確認できますか?
スタンダード市場に上場している銘柄は、東京証券取引所(日本取引所グループ)が提供する「東証上場会社情報サービス」で確認できます。
市場区分や業種などの条件を指定して、上場銘柄を検索可能です。
【まとめ】スタンダード市場とは|上場基準やメリット・デメリットなどをわかりやすく解説
スタンダード市場は東京証券取引所の市場区分の1つで、一定の事業基盤や収益基盤を持ち、持続的な成長を目指す企業が上場しています。
幅広い業種の企業が存在し、投資家にとってはさまざまな企業へ投資できる機会がある一方で、企業ごとの成長性や収益力を見極めることが重要です。
企業側にとっては、上場による資金調達や信用力向上を通じて、さらなる事業成長や企業価値向上につなげられる点がメリットです。
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