テーパリングとは|金融における意味・主な事例などをわかりやすく解説
テーパリングとは、中央銀行が資産購入ペースを徐々に下げることです。
中央銀行はテーパリングの前に量的緩和(QE)政策によって資産を大量に購入しており、テーパリングはQEの出口戦略(初期段階)として実行されます。
購入ペースを徐々に落とすことで、金融市場の混乱を避けながら緩和政策を段階的に縮小することができます。
本記事では、テーパリングの意味や主な事例などを解説します。
テーパリングとは
テーパリングの目的や仕組みなどを解説します。
- ・テーパリングの意味・目的
- ・テーパリングの仕組み
テーパリングの意味・目的
テーパリングとは、中央銀行が量的緩和(QE)で行っている資産購入のペースを徐々に減速することです。
購入ペースの減速であり、購入そのものは継続しています。
量的緩和(QE)を突然終了すると市場が混乱する可能性があるため、段階的に縮小することで市場の混乱を回避する狙いがあります。
量的緩和(QE)は、伝統的な金融政策では対応が難しい場面で実施される政策です。
このため、景気回復やインフレ上昇に応じて、量的緩和(QE)を調整する必要があります。
テーパリングを適切に実行することで、金利や資産価格の急変動を抑えつつ、経済の安定を図ることが可能です。
また、テーパリング終了後(QE終了後)に経済が引き続き回復軌道をたどる場合、中央銀行は保有資産を減らしたり政策金利を引き上げたりして金融を正常化します。
テーパリングの仕組み
テーパリングは、中央銀行による資産購入ペースを落とす方法で実施されます。
米国の場合、連邦準備制度理事会 (FRB)による住宅ローン担保証券(MBS)や長期国債の購入額を徐々に減額しました。
テーパリング終了後、満期が到来した国債等を再投資しない、または、保有中の資産を市中に売却するという方法で、中央銀行のバランスシートを徐々に正常化します。
これは「量的引き締め(QT)」と呼ばれる政策です。
テーパリングの主な事例
テーパリングの主な事例を紹介します。
- ・【2013年〜2014年】FRB
- ・【2021年〜2022年】FRB
- ・テーパリング期間中のCPIの比較
【2013年〜2014年】FRB
米国ではリーマンショック後の混乱期に量的緩和(QE)を実施しており、出口戦略としてテーパリングが実行されました。
テーパリングの可能性が市場に認識されたきっかけは、2013年5月のバーナンキ連邦準備制度理事会 (FRB)議長(当時)の証言とされます。
証言を受けて市場でやや混乱が見られたと指摘されており、これをテーパータントラム(taper tantrum)と呼びます。
その後、2013年12月に連邦公開市場委員会(FOMC)がテーパリング実施を公表し、住宅ローン担保証券(MBS)や長期国債の買い入れ額を徐々に減額しました。
テーパリングは2014年10月にかけて実施され、この結果、量的緩和(QE)は終了しました。
量的緩和終了後も政策金利は低水準で据え置かれ、政策金利の引き上げは2015年12月に実施されています。
【2021年〜2022年】FRB
2020年、新型コロナウイルスの感染拡大を契機として経済が混乱し、量的緩和(QE)が実施されました。
その後、インフレ率が大きく上昇したことを受けてテーパリングが実行されました。
2013年~2014年のテーパリングと同様に、連邦準備制度理事会 (FRB)は住宅ローン担保証券(MBS)や長期国債の買い入れ額を徐々に減額しています。
テーパリングは2021年11月に開始され、終了は2022年3月です。
2013年~2014年のテーパリングと比べて期間が短く、テーパリング終了直後に政策金利を引き上げたことが特徴として挙げられます。
テーパリング期間中のCPIの比較

2回のテーパリング期間の消費者物価指数(CPI)を比較すると、両者で大きく異なることがわかります。
インフレーションの差が、テーパリングに要した期間やその後の政策金利引き上げに大きく影響したと考えられます。2013年~2014年のテーパリング期間中、CPIは安定的に推移しました。
テーパリングを完了するために比較的長い期間を要し、テーパリング完了後の政策金利引き上げまでに1年以上を要しました。
一方、2021年~2022年のテーパリング期間中のCPIは高水準で上向きです。
テーパリング実施期間は短く、テーパリング終了直後に政策金利を引き上げています。
テーパリングに関するQ&A
テーパリングに関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・テーパリングと利上げは同じですか?
- ・テーパリングと量的緩和の違いは何ですか?
- ・テーパリングは金融市場にどんな影響がありますか?
テーパリングと利上げは同じですか?
テーパリングと利上げは、資金を供給するか抑制するかという点で違いがあります。
テーパリングは市場への追加的な資金供給量を減らす政策であり、テーパリング実行時も市場への資金供給量は増え続けるものの、その増加ペースが鈍化する状態になります。
一方、利上げは政策金利を引き上げることで資金調達コストを高め、結果として市場への資金供給を抑制する政策です。
テーパリングと量的緩和の違いは何ですか?
テーパリングは市場への追加的な資金供給量を徐々に減らす金融政策で、量的緩和(QE)からの出口戦略として実行されます。
一方、量的緩和は市場への資金供給量を積極的に増やす金融政策で、不景気やデフレを改善するために行われます。
テーパリングは金融市場にどんな影響がありますか?
テーパリングの影響として、長期金利が上昇しやすい、株価に下押し圧力がかかりやすくなるなどが考えられます。
テーパリングとは中央銀行による資産買い入れ額の減少であり、市場に追加的に供給される資金量が減ることを意味します。
資金の供給が潤沢でなくなることが、金融市場に反映されます。
【まとめ】テーパリングとは|金融における意味・主な事例などをわかりやすく解説
テーパリングとは、中央銀行が量的緩和(QE)で行っている資産購入のペースを徐々に減らすことです。
テーパリング終了後、中央銀行は経済の回復状況を勘案しつつ、保有している債券等の規模を縮小します。
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