トレーリングストップとは|活用方法やメリット・デメリット・設定方法を解説
トレーリングストップとは、ストップ注文(逆指値)が有利な方向への価格変動に合わせて、追従(トレール)していく注文方法のことです。
本記事では、トレーリングストップの活用方法やメリット・デメリット、MT4・MT5・TradingViewでの設定方法を解説します。
目次
- 1.トレーリングストップとは
- 2.トレーリングストップのメリット・デメリット
- 3.トレーリングストップの設定方法
- 4.トレーリングストップに関するQ&A
- 5.【まとめ】トレーリングストップとは|活用方法やメリット・デメリット・設定方法を解説
トレーリングストップとは
トレーリングストップとは、あらかじめ設定していたストップロス(逆指値)が、有利な方向への価格変動に合わせて自動的に引き上がる(引き下がる)注文方法です。
「トレイリングストップ」「トレールストップ注文」「トレール注文」と呼ばれることもあります。
買い注文の場合、相場の上昇に合わせて、ストップロスが同じ幅を維持しながら引き上がります。
ストップロスが引き上がるのは、相場が上昇した場合のみで、下落した場合は変動しません。
相場が上昇している間は、ストップロスも引き上がっていくため、利益(含み益)が拡大していきます。
そして、引き上がったストップロスの水準まで相場が反転したときに、決済となります。
売り注文の場合は、上記とは反対の関係になります。
トレーリングストップのメリット・デメリット
トレーリングストップのメリット・デメリットについて解説します。
- ・トレーリングストップのメリット
- ・トレーリングストップのデメリット
トレーリングストップのメリット
トレーリングストップのメリットは、相場の変動に応じてストップロスが追従するため、利益が大きくなる可能性があることです。
一定値幅での利益確定では実現できない、トレンドを追いかけながら利益幅を伸ばすことが可能なのが魅力です。
トレーリングストップのデメリット
トレーリングストップのデメリットは、トレンドが発生していない相場では機能しにくいことです。
明確なトレンドが発生していないもみ合いの環境では、トレンドを追いかけることなく決済されることが多くあります。
また、ストップロスの設定値幅が狭すぎると、狙っていた方向と逆へ価格が一時的に振れた場合に、決済されてしまうケースもあります。
上記のようにならないためにも、トレーリングストップの幅の設定には注意が必要です。
トレーリングストップの設定方法
トレーリングストップの設定方法を、「MT4」「MT5]「TradingView」それぞれで詳しく紹介します。
- ・MT4での設定方法
- ・MT5での設定方法
- ・TradingViewでの設定方法
MT4での設定方法
MT4
でのトレーリングストップの設定方法を紹介します。まずは下画像のように、画面左上の「ターミナル(赤丸)」を選択します。
出典:MT4
保有しているポジション上で右クリックし、「トレイリング・ストップ」を選択します。
トレーリングストップを設定する際のポイント数は最小値幅を意味します。
FXの米ドル/円の場合の50ポイントは、5pips(5銭)に相当します。
出典:MT4
カスタム設定では、任意のポイント数でトレーリングストップを設定することができます。
出典:MT4
MT5での設定方法
MT5
での設定方法は、上記のMT4と同様です。まずは下画像のように、「ツールボックス」を選択します。
出典:MT5
保有しているポジション上で右クリックし、「トレーリングストップ」を選択します。
トレーリングストップの設定の際のポイント数は、MT4同様に最小値幅です。
FXの米ドル/円の場合、50ポイントは5pips(5銭)に相当します。
カスタマイズでは、任意のポイント数でトレーリングストップを設定することができます。
出典:MT5
なお、MT4、MT5におけるトレーリングストップ注文は、含み益が指定したポイント数分を超えた場合にのみ発動します。
一度も指定したポイント数以上の含み益が発生していない場合は損切りされないので、別途損切りの逆指値注文を入れる必要があります。
また、MT4、MT5におけるトレーリングストップ注文は、FX会社のサーバー上で動作するものではなく、MT4、MT5が稼働しているPC上で動作しています。
そのため、トレーリングストップが動作を続けるためには、MT4、MT5が正常に稼働し続けていることが必要条件です。
TradingViewでの設定方法
TradingView
でのトレーリングストップの利用方法を紹介します。TradingView画面上から注文パネルを開き、ストップロス(損切り)をクリックし、トレーリングストップを選択して発注ボタンを押します。
出典:TradingView
数値は、pips、利益額、%(パーセンテージ)などを設定可能です。
また、既存注文でもストップロスからトレーリングストップ、またはその逆など編集も可能です。
出典:TradingView
トレーリングストップに関するQ&A
トレーリングストップに関する、よくある質問に回答します。
- ・トレーリングストップの幅はどれくらいで設定したらいいですか?
- ・トレーリングストップを使うと本当に損を回避できますか?
- ・トリガーとは何ですか?
トレーリングストップの幅はどれくらいで設定したらいいですか?
トレーリングストップの幅は、相場の状況に応じて、都度適切な数値を考え設定することが推奨されます。
直近の高値、安値を目安にしたり、テクニカル指標を参考にしたり、相場環境と自身のトレードプランに合わせて設定する必要があります。
トレーリングストップを使うと本当に損を回避できますか?
トレーリングストップとは、利益幅を伸ばすことが可能な注文方法であり、損失を回避できるわけではありません。
最初に設定したストップロスの値幅分は、損失となる可能性があります。
トリガーとは何ですか?
FX取引におけるトリガーとは、発注条件(注文が有効となる条件)を意味します。
相場があらかじめ指定した価格になった際に、注文が発注されるトリガー(引き金)となります。
トレーリングストップでは、相場の動きに合わせて決済のトリガーが動いていきます。
【まとめ】トレーリングストップとは|活用方法やメリット・デメリット・設定方法を解説
トレーリングストップとは、ストップ注文(逆指値)が有利な方向への価格変動に合わせて、追従(トレール)していく注文方法のことです。
トレンドを追いかけて利益を大きくすることができる反面、方向感のない相場では機能しにくい面を持ちます。
MT4、MT5、TradingViewなどで簡単に設定・活用でき、強いトレンドが発生した際には利用したい注文方法です。
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