ザラ場とは|株式市場における意味・板寄せとの違いをわかりやすく解説
ザラ場とは、寄り付き後から引けまでの通常の取引時間中(立会時間中)にリアルタイムで売買が行われる時間帯のことです。
本記事では、ザラ場の意味や板寄せとの違いをわかりやすく解説します。
ザラ場とは
まずはザラ場とは何かについて解説します。
- ・ザラ場の意味・由来
- ・ザラ場と「寄り付き」「引け」の関係
ザラ場の意味・由来
ザラ場とは、寄り付き後から引けまでの通常の取引時間中(立会時間中)にリアルタイムで売買が行われる時間帯のことです。
諸説ありますが「ザラによくある普通の場」という意味からザラ場と呼ばれるようになったと言われています。
東京証券取引所においては、平日の寄り付き後の9時00分から11時30分の前引け(ぜんびけ)までが前場、12時30分の寄り付き(後場寄り)後から15時30分の大引け(おおびけ)までが後場で、これらの時間帯がザラ場にあたります。
ザラ場と「寄り付き」「引け」の関係
ザラ場は、寄り付き後から引けにかけての前場・後場を指す用語です(昼休憩の時間を除く)。
寄り付きは前場・後場で最初に成立する売買、引けは前場・後場の最後に成立する売買を指します。
なお、日本市場では1時間の昼休憩を挟みますが、米国市場では休憩時間はありません。
ザラ場における取引の仕組み
ザラ場における取引の仕組みについて解説していきます。
- ・「価格優先の原則」と「時間優先の原則」
- ・ザラ場方式で取引が行われる時間
- ・ザラ場の約定価格
「価格優先の原則」と「時間優先の原則」
ザラ場で行われる取引(ザラ場方式)は、価格優先の原則と時間優先の原則に基づいて行われます。
価格優先の原則とは、買い注文においては価格の高い注文が価格の低い注文より優先され、売り注文においては価格の低い注文が価格の高い注文よりも優先されることを指します。
例えば、550円の買い注文は540円の買い注文より優先され、540円の売り注文は550円の売り注文より優先されるということです。
なお、価格優先の原則は指値注文が対象で、成行注文は指値注文よりも優先されます。
一方、時間優先の原則とは、同じ銘柄で同じ値段の注文が発生した際は、先に行われた注文が優先されることを指します。
例えば、11時ちょうどにA銘柄で100株の買い注文、11時03分にA銘柄で100株の買い注文があった場合、注文時間の早い前者の注文が優先されるということです。
なお、各場の始値決定前までに出された注文は、同時に出されたものとみなされます。
ザラ場方式で取引が行われる時間
ザラ場方式で取引が実施されるのは、寄り付き・引けを除いた場中の時間帯です。
なお、15時25分から15時30分はクロージング・オークションになり、この時間帯は注文受付のみが行われ、実際の売買(約定)は15時30分に板寄せ方式で一括して成立します。
ザラ場の約定価格
ザラ場では価格優先の原則、時間優先の原則に従い、合致したものから順に約定していきます。
ザラ場では常に価格が変動しています。
ザラ場と板寄せの違い
ザラ場方式ではなく、板寄せ方式という取引ルールもあります。
- ・板寄せ方式とは
- ・ザラ場方式と板寄せ方式の違い
板寄せ方式とは
板寄せ方式とは、その時点での売買注文を全てまとめ、最初に成行注文を約定させ、次に優先順位の高い注文から約定させていく売買成立方式です。
東京証券取引所においては、寄り付きや引け、売買中断後の再開時、特別気配・連続約定気配の表示時に行われます。
立会場があった時代には板に注文を記載していたことに由来して名付けられており、現在もコンピューターの注文一覧は板と呼ばれています。
ザラ場方式と板寄せ方式の違い
ザラ場方式と板寄せ方式には、売買を成立させる方法、使われる時間帯などの違いがあります。
以下は、ザラ場方式と板寄せ方式を比較した表です。
| ザラ場方式 | 板寄せ方式 | |
|---|---|---|
| 実施時間 | 9時00分〜11時30分、12時30分〜15時30分の間に、リアルタイムで売買が成立する(ただし15時25分~15時30分はクロージング・オークション) | 9時00分、11時30分、12時30分、15時30分に板寄せ方式で一括して価格決定される |
| 約定方法 | 価格優先の原則、時間優先の原則に従い、合致したものから約定する | 集めた売り注文と買い注文から合致する価格を算出し、その価格が単一の約定値段として採用される |
ザラ場に関するQ&A
ザラ場に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・ザラ場は何時から何時までですか?
- ・ザラ場と板寄せ方式はどちらが有利?
- ・クロージング・オークションとは?
ザラ場は何時から何時までですか?
ザラ場は、寄り付き後から引けまでの時間帯です。
東京証券取引所の場合は、9時00分から11時30分、12時30分から15時30分です。
なお、15時25分〜15時30分は終値を決定するための注文受付時間帯(クロージング・オークション)であり、実際の約定は15時30分に板寄せ方式で一括して行われます。
ザラ場と板寄せ方式はどちらが有利?
ザラ場方式と板寄せ方式はそれぞれ実施されるタイミングが異なるため、どちらが有利か不利ということはありません。
クロージング・オークションとは?
クロージング・オークションとは、終値を決めるために行われる特別な取引方式です。
15時25分から大引けの15時30分までの5分間で板寄せ方式によって取引を成立させ、終値を決定させます。
東京証券取引所では、終値形成の透明性を向上させる目的で導入されています。
【まとめ】ザラ場とは|株式市場における意味・板寄せとの違いをわかりやすく解説
ザラ場とは、寄り付き後から引けまでの通常の取引時間中(立会時間中)にリアルタイムで売買が行われる時間帯のことです。
東京証券取引所では、平日の9時00分〜11時30分(前場)および12時30分〜15時30分(後場)がザラ場に該当します。
ザラ場では価格優先の原則と時間優先の原則に基づいて売買が行われており、このザラ場で使われる売買成立方式は、ザラ場方式と呼ばれています。
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