指値(さしね)注文とは|使い方やメリット・デメリットについて解説
指値注文とは「現状よりも有利な価格を指定して出す注文方法」です。
英語ではリミット・オーダー(limit order)といいます。
指値注文は、FX取引における基本の注文方法であり、最初に覚えるべき基本ルール、基本操作の1つです。
本記事では、指値注文の仕組みや使い方、メリットやデメリットなどを解説します。
目次
- ・1.指値(さしね)注文とは?
- ・2.指値(さしね)注文の使い方
- ・3.指値(さしね)注文のメリット・デメリット
- ・4.指値(さしね)注文に関するQ&A
- ・5.【まとめ】指値(さしね)注文とは|使い方やメリット・デメリットについて解説
指値(さしね)注文とは?
指値注文とは、希望の売買価格を指定する注文方法です。
売り買いともに、現在よりも有利な価格を指定して注文します。
現在の価格よりも上がったら売り、下がったら買いを行います。
新規のポジションを保有するために出す場合は、売り・買いともに相場の反転を期待して使用します。
一方、保有中のポジションを決済する場合は、売り・買いともに「利益確定」の注文として使用します。
指値(さしね)注文の使い方
指値注文の使い方は「ポジションを保有しているか、していないか」で分かれます。
ここでは、以下の2つのパターンでの使い方を説明します。
- ・ポジションを保有している状態(買い・売り)
- ・ポジションを保有していない状態(買い・売り)
ポジションを保有している状態(買い・売り)
保有しているポジションが「買いポジション・売りポジション」のどちらでも、指値注文は「利益確定」に用います。
買いポジション保有時は「○○円まで上がったら売り」という、一般的にイメージされる利益確定の注文で用います。
逆に、売りポジション保有時は「○○円まで下がったら買い」という利益確定の注文として用います。
(売りポジションは、価格が下がるほど利益が出ます)
ポジションを保有していない状態(買い・売り)
ポジションを保有していない場合の指値注文は、基本的に「逆張り」や「押し目買い・戻り売り」の新規注文として用います。
「価格が上がったら売りポジションを持つ」というのは「これから反落して値下がりすると予測している」ということです。
「価格が下がったら買いポジションを持つ」というのは「これから反転して値上がりすると予測している」ということです。
売り・買いともに反転を期待してポジションを持つときに利用します。
指値(さしね)注文のメリット・デメリット
ここでは、指値注文のメリットとデメリットを解説します。
メリット
指値注文のメリットは「自分の希望通りの価格で取引できること」と「注文を出しておけば自動的に約定すること」です。
希望の価格については、わずかにずれた価格で約定する「スリッページ」が起きることもあります。
しかし、一般的には指値注文で起きるスリッページは、有利な方向にずれる「ポジティブスリッページ」が多く、不利な方向にずれる「ネガティブスリッページ」は起こりにくくなっています。
例えば「1ドル140円」で売りの指値注文を入れた場合、「140円以上になったら売る」というルールになります。
このため、下図のように「140円以上」の価格にずれた場合は約定しますが、「140円未満」の価格にずれた場合は約定しません。
このように売りの指値注文であれば、一般的に「想定より高い価格=有利な価格」のスリッページが起こる可能性があります。
逆に買いの指値注文であれば、「想定より安い価格=有利な価格」のスリッページが起こる可能性があります。
仮にスリッページが起きたとしても、想定より有利な価格になるため、「基本的に希望の価格で約定できること」は指値注文のメリットといえます。
デメリット
指値注文のデメリットは、成行注文と比較して「約定までの期間が不確定」「約定しない場合がある」ということです。
成行注文の「現時点で成立する価格ですぐ売買する」という性質とは異なります。
現在価格に近い価格で指値を入れれば、早い段階で約定することも多くなります。
しかし、現在価格から乖離した指値を入れれば、長期間約定しないケースも起こり得ます。
ただ、約定する前であれば指値注文は自由に訂正・取り消しができます。
「この指値での約定は難しい」と感じたら、価格を上げる・下げるなどの修正を行うと良いでしょう。
指値(さしね)注文に関するQ&A
指値注文に関してよく見られる疑問点は、以下の通りです。
- ・逆指値注文との違いは何ですか?
- ・指値・成行どっちが優先されますか?
逆指値注文との違いは何ですか?
指値注文と逆指値注文の違いは、「指定の価格以上・以下になった時に、売るか買うか」という点です。
指値注文は「○○円以下で買う」「○○円以上で売る」という、今より有利な価格で取引する注文方法です。
これに対して、逆指値注文は「○○円以下で売る」「○○円以上で買う」というように、今より不利な価格で取引する注文方法で、指値注文とは売り買いが逆になっています。
違いを表でまとめると、以下の通りです。
注文方法 | 買い | 売り |
---|---|---|
指値注文 | ○○円以下 | ○○円以上 |
逆指値注文 | ○○円以上 | ○○円以下 |
もう1つの違いは、起こりやすいスリッページの種類です。
一般的に、指値注文で起こるスリッページは「ポジティブスリッページ」が多いのに対し、逆指値注文では「ネガティブスリッページ」が多くなります。
指値・成行どっちが優先されますか?
注文執行の優先順位は、各社のルールによって異なります。
OANDA証券では、指値注文があっても、他に成行注文がある場合には、成行注文が全て執行された後に処理されます。
詳しくはこちらのページをご覧ください。一方、取引所取引(株式取引)では、指値注文と成行注文では、成行注文が優先されます。
優先されるパターンは、以下の2つに分類できます。
①:指値が一致しない状態で優先される
②:指値が一致する状態でも優先される
この2つのルールの例を図で説明すると、以下の通りです。
①の例では、成行注文の売り手が最も安くなるので、優先して約定します。
②の例では一致する指値がありますが、このような時でも成行注文は優先して約定します。
このような「最も安い売り手・高い買い手が優先される」「成行注文が指値注文よりも優先される」というルールを、取引所取引では「価格優先の原則」と呼びます。
【まとめ】指値(さしね)注文とは|使い方やメリット・デメリットについて解説
指値注文とは「現状よりも有利な価格を指定して出す取引注文」です。
原則的に、希望通りの価格で売買できることがメリットですが、約定までの期間が不確定、約定しない場合があるといったデメリットもあるため、相場の状況に応じて臨機応変に用いる必要があります。
FX取引を始める前に、指値注文の意味や使い方をしっかりと理解しておきましょう。
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