用語解説

逆指値注文とは|使い方やメリット・デメリットを解説


FX取引の予約注文の1つとして、指値の対義語である逆指値(ぎゃくさしね)があります。

指値注文が「現在の価格よりも有利な価格で注文を出すこと」を意味するのに対し、逆指値注文は「現在の価格よりも不利な価格で注文を出すこと」を意味します。

予め逆指値注文を出すことで、自動的な損切りや、ブレイクアウトを狙った取引を行えます。

本記事では、指値注文との違いや、初心者向けの使い方も詳しく解説していきます。

逆指値(ぎゃくさしね)注文とは?

逆指値注文とは、予約注文の一種です。「今より高い価格になったら買う」「今より安い価格になったら売る」という価格を予約し、その価格になったら取引が成立します。

別の言い方をすると、「今より不利な価格での取引」ということになります。

例えば現在価格が100円の場合、101円になったら買い、または、99円になったら売るという内容の注文です。

例

これに対して、「今より安い価格になったら買う」「今より高い価格になったら売る」という、「今より有利な価格」を予約する注文方法が指値です。

この指値注文の真逆の方法であるため、逆指値と呼ばれます。

FX取引には逆指値注文以外にも、さまざまな注文方法があります。

他の方法も知りたい人は「FX取引の注文方法の種類」の記事を読んでみましょう。

逆指値(ぎゃくさしね)注文の使い方

今より不利な価格での取引が有効な場面があります。

決済注文時の損切りおよび利益確定や、新規注文時のブレイクアウト狙い(上値追い、下値追い)です。

この中でも損切りの予約注文が、特に用いられることが多いです。トレードする際には、損切りを設定することが推奨されるからです。

ポジションを保有している状態からの決済

ポジションを保有している状態では、主に損失を確定させる場合に使います。

損失を確定させる

上図では、1ドル102円の時に買いポジションを建て、現在は101円まで値下がりして1円の含み損を抱えています。

さらに相場が下落した場合に撤退するべく、100円で損失を確定させる逆指値注文の売りを予約しています。

そのため、価格が100円まで下落したら、自動的に売り注文が発注されポジションは損切りされます。

この例では、含み損を損切りするパターンを解説しましたが、利益確定の場合も考え方は同じです。

含み益がある状態で「今より下落して含み益がさらに目減りする前に利益確定しよう」といった決済ができます。

ポジションを保有していない状態からの新規注文

新規注文では、ブレイクアウトを狙った取引が狙えます。

ブレイクアウトとは、一定の高値水準を上回った際、安値水準を下回った際に、その方向へ値動きが勢いづくことを意味します。

ポジションを保有していない状態からの新規注文

上図は、現在価格が100円でポジションを保有していない状態です。

101円を上回ったら価格上昇の勢いがつきそうなので、101円に逆指値注文の買いを発注します。

想定通りに価格が101円に到達すれば、自動的に101円で買いポジションを保有できます。

逆指値(ぎゃくさしね)注文のメリット

逆指値注文のメリットは、以下の通りです。

  • ・自動的に損切りを行える
  • ・常にチャートを監視している必要がなくなる

自動的に損切りを行える

トレードは、あらかじめシナリオを立て、どうなったらエントリーし、イグジット(利確または損切り)するかを決めておくことが推奨されます。

シナリオ通りの値動きにならなかった場合に備えて、「ここで手仕舞いする」という水準に損切りの逆指値注文を入れることで、自動的に損切りを行い、損失を限定することができます。

自ら決めたルール通りの取引を行う上で、逆指値注文は不可欠な方法といえます。

常にチャートを監視している必要がなくなる

逆指値を入れておけば、そのトレードの決済に関してはチャートを監視する必要がなくなります。

さらに指値注文も入れておくことで、利益確定も自動で行えます。

両者の予約注文を併用すれば、チャートに張り付く必要がほとんどなくなり、本業やプライベートに時間や意識を集中できます。

逆指値(ぎゃくさしね)注文のデメリット

逆指値注文のデメリットは、以下の通りです。

  • ・取引できない可能性がある
  • ・ボラティリティが大きい通貨には向かない

取引できない可能性がある

逆指値注文は、価格がその水準に達しなければ約定することはなく、取引が成立しません。

早く決済したい場合などには向かず、その場合は成行注文が有効です。

また、新規注文を狙っていた注文が約定しなかった場合には、キャンセルする必要があります。

注文をそのまま残しておくと、当初とは相場環境が変わった状態で約定してしまう可能性があるからです。

ボラティリティが大きい通貨ペアには向かない

ボラティリティの大きい通貨ペアは値動きが激しいため、ボラティリティを考えた上で損切り注文を設定しないと、すぐに約定してしまう可能性があります。

特に損切りの逆指値が約定してしまうケースに注意が必要です。

また、乱高下した状態で逆指値に到達し、新規注文でも決済注文でも意図したトレードにならない可能性もあります。

OANDAでは通貨ペア別に「ボラティリティ グラフチャート」を確認することができます。自身が取引したい通貨ペアのボラティリティを知りたい人は、初めに確認してからFX取引を始めましょう。

逆指値(ぎゃくさしね)注文と指値注文の違い

逆指値注文と指値注文は、真逆の性質を持ちます。

  • ・逆指値注文:現在の価格よりも不利な価格で注文を出すこと
  • ・指値注文:現在の価格よりも有利な価格で注文を出すこと

指値注文は、主に新規注文で「今より安く買いたい」「今より高く売りたい」という価格を予約できます。

また、利益確定の局面で「いくらになったら利益確定したい」という価格を予約できます。

逆指値(ぎゃくさしね)に関するQ&A

逆指値に関してよく見られる疑問点は、以下のようなものです。

  • ・逆指値はどういう時に使うのでしょうか?
  • ・初心者は指値・成行どちらが使いやすいですか?

逆指値はどういう時に使うのでしょうか?

逆指値は、以下のような場面で用います。

  • ・損失を限定したい時
  • ・最低限の利益確保をしたい時
  • ・順張りトレードで利益を狙う時

主に損切りの予約注文で用いられますが、利益確定の場面でも重宝します。

一方、新規注文ではブレイクアウト狙いで活用できます。

初心者は指値・成行どちらが使いやすいですか?

指値および逆指値は予約する方法で、成行はリアルタイムで取引する方法です。

すぐに取引が成立するという意味では、成行の方が早く取引が成立します。

希望の価格で取引するという意味では、指値および逆指値が便利です。

どんな用途に使うかで、使いやすさは変わるといえるでしょう。

【まとめ】逆指値(ぎゃくさしね)注文とは?

逆指値注文は「今より不利な価格で取引する」注文方法です。

主に損切りの予約注文や、ブレイクアウト狙いの新規注文で用いられます。

トレードする際には、損切りの予約注文を入れることが推奨されるので、逆指値を使いこなせるようにしておく必要があります。

対で覚えておきたい指値注文は、「今より有利な価格で取引する」注文方法です。

取引ツールで指値注文や逆指値注文を入れる際には、今より有利な価格か、不利な価格かを間違えずに入力する必要があります。

トレードにかかわる重要な用語なので、必ず覚えておきましょう。


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