OCO注文(オーシーオー注文)とは|メリット・デメリットを解説
FX取引の注文方法の1つに、OCO注文があります。
2つの予約注文を発注して、一方が約定したら、もう一方がキャンセルされる注文形態のことで、決済や新規建ての予約ができます。
本記事では、OCO注文のメリット・デメリット、よくある質問について詳しく解説していきます。
OCO注文(オーシーオー注文)とは?
OCO注文(オーシーオー注文)とは「One Cancels the Other」の頭文字を取った略語で、2つの注文を発注し、一方が約定した場合にもう一方がキャンセルされる注文のことです。
決済注文でも新規注文でも役に立ちますが、主としてポジション保有時に利益確定と損切りの2つの決済予約をするケースで活用されます。
下図では、買いポジション保有中に、エントリー価格(図中の▲)よりも上に利益確定の買い注文を、下に損切りの売り注文を発注しています。
出典:MT4
どちらかの注文が成立したら、反対側の注文は自動でキャンセルされます。
一方、新規建て時にもOCO注文を利用できます(新規注文でのOCOは、FX会社や取引ツールによってはできない場合があります)。
レンジ相場から抜け出すブレイクアウトを狙いたい場合、またはレンジの上限・下限付近から逆張りを狙いたい場合に活用することができます。
ブレイクアウトを狙う場合、下図のように①の買い、②の売りといった2つの注文を同時に出します。
出典:MT4
レンジ相場を上に抜けたら①の買いが成立し、反対側の②の売りは自動でキャンセルされます。
逆に下に抜けたら②の売りが成立し、①の買いはキャンセルされます。
決済注文でも新規注文でも、OCOの設定をしておけば、相場から離れていても希望の価格で取引できます。
そのため、相場から離れて時間を有効活用できたり、就寝中にも取引できます。
また、トレード時の精神的ストレスから解放されることも、初心者にとっては重要なポイントです。
FX取引には、OCO注文以外にもさまざまな注文方法があります。
全ての注文方法について詳しく知りたい方は、「FXの注文方法の種類」の記事を参照しましょう。
FX取引のOCO注文のメリット
FX取引でOCO注文を行うメリットは、以下の通りです。
- ・利確・損切りの設定を同時に行える
- ・片方の注文は自動的に取り消しになる
利確・損切りの設定を同時に行える
決済注文でOCO注文を行った場合、利益確定と損切りの設定を同時に行えます。
例えば、1ドル150円で米ドル/円の買いポジションを持っているとして「151円になったら利益確定、149円に下がったら損切り」をしたいと考えたとします。
この場合は、下の図のように「151円で売る指値注文、149円で売る逆指値注文」を同時に入れることができます。
利益確定も損切りも、自分が想定したトレードシナリオ通りにコントロールできるのがポイントです。
片方の注文は自動的に取り消しになる
OCO注文では、成立しなかった片方の注文は自動的に取り消しになり、手動でキャンセルする手間はかかりません。
なお、多くのFX会社では、OCO注文の有効期限は「無期限」となっています。
「一定期間経過したら両方の注文を取り消したい」という場合は、期限を設定しましょう。
設定できる時間の区切りは、FX会社ごとに異なります。
FX取引のOCO注文のデメリット
FX取引でOCO注文を行うデメリットは以下の通りです。
- ・スリッページが発生することがある
- ・トレンドを逃す場合がある
スリッページが発生することがある
スリッページとは、想定とは異なる価格で約定してしまう現象のことです。
異なる価格で約定する原因は、「注文がFX会社のサーバに届くまでにわずかな時間がかかる」ためです。
前項では、OCO注文により希望の価格で取引できると解説しましたが、実際には約定するタイミングの相場環境によっては、予約した価格よりも良い、または悪い価格で約定する可能性があります。
予約より良い価格で約定することを「ポジティブスリッページ」、悪い価格で約定することを「ネガティブスリッページ」といいます。
このネガティブスリッページが起きた場合、想定より利益が小さくなる、損失が大きくなるということが起こります。
スリッページについてのより詳しい説明は「スリッページとは?」の記事をご覧ください。
トレンドを逃す場合がある
利益確定の指値注文は、その価格に到達すれば「希望通りの利益を確保できる」という、合理的な仕組みです。
しかし、上昇トレンドが発生している場合、利益確定をせずに保有を続ければ、さらに価格が上昇する可能性もあります。
トレンドの続伸を逃したくない場合は、トレンドを追いかけるトレーリングストップという注文方法もあります。
トレーリングストップについてのより詳しい説明は「トレーリングストップとは?」の記事でまとめています。
FX取引のOCO注文に関するQ&A
OCO注文に関して、よく見られる疑問点は以下のようなものです。
- ・OCO注文に有効期限はありますか?
- ・IFD注文・IFO注文との違いは何ですか?
OCO注文に有効期限はありますか?
FX会社によってルールが異なりますが、多くの場合、OCO注文の有効期限は「無期限」となっています。
ただし、期限を設定することも可能です。
OANDA証券の場合、無期限を含めて以下の期限に設定できます。
- 無期限、1時間から6時間までの1時間ごと、8時間、12時間、18時間、当日(1日)、翌日(2日)、1週間、1か月、2か月、3か月
ちなみに、これらは正確には「指値注文・逆指値注文」の期限です。
OCO注文は指値注文と逆指値注文の組み合わせであるため、同じ期限となります。
OANDA証券以外のFX会社でも、同様にOCO注文(指値注文・逆指値注文)の期限を選択できる場合が多いです。
IFD注文・IFO注文との違いは何ですか?
OCO注文と、IFD注文(イフダン注文)、IFO注文(アイエフオー注文)の違いは「セットになる注文の種類」です。
IFD注文は「新規注文と決済注文」がセットです。
OCO注文は「決済注文と決済注文」または「新規注文と新規注文」がセットです。
これらを組み合わせたのが、IFO注文です。
IFD注文 | 新規注文+決済注文 |
OCO注文 | 決済注文+決済注文 (or 新規注文+新規注文) |
IFO注文 | 新規注文+(決済注文+決済注文) |
IFD注文では、下図のように「○○円になったら買い」という新規注文(A)と、「○○円になったら売り」という決済注文(B)を出します。「新規注文+決済注文」というセットです。
これに対してOCO注文は、これまで説明してきた通り、すでにポジションを持っている場合は、下図のように「利益確定の決済注文」と「損切りの決済注文」を同時に入れます。
一方、まだポジションを持っていない場合は下図のように「○○円で買いの新規注文」と「○○円で売りの新規注文」という2種類の新規注文を同時に出します。
そして、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法が、IFO注文です。
IFO注文では、IFDの新規注文をすると同時に、OCOの「利益確定+損切り」を設定します。
エントリーから決済および損切りまでを、1つの注文で行えるのが特徴です。
【まとめ】OCO注文とは|メリット・デメリットを解説
OCO注文は、予約した希望の価格で取引できる注文方法です。
うまく活用することで、チャートから離れていても取引することができます。
主に、ポジション保有時の決済注文で利用する場面が多いでしょう。
FXはレバレッジが利用できるため、損切りを設定しておかないと、相場急変により思わぬ損失が生じる可能性があります。
OCO注文に限りませんが、トレードする際には逆指値の損切り注文を入れることが重要です。
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