スリッページとは？（すりっぺーじ）
FX（外国為替証拠金取引）/CFD（差金決済取引）のスリッページとは、注文発注から約定するまでに生じる価格のズレです。FX市場は1秒にも満たない速さで為替レートが変動しているので、注文から約定するまでの一瞬でも価格のズレが発生することもあります。
例えばパソコンやスマホの画面で見ていたドル円(USD/JPY)の価格が110.100だったとします。「買い」注文を出そうとボタンを押すと、その買い注文の信号はインターネットを通じてFX会社へ到達します。瞬きにも満たないこの時間に、為替レートは110.110に変わっており、画面で見ていた「110.100」より「0.10」高い「110.110」で約定しました。この「0.10」が価格のズレ、つまりスリッページです。
画像1/スリッページ
上記の例では「110.100」より「0.10」高い「110.110」で約定しており、買いたいと思った価格より高い価格で約定しているので、投資家にとっては不利なスリッページが発生したことになります。また逆のケースもあり、有利な価格で約定する場合もあります。
また、一言にスリッページといっても原因は２つあります。
一つは発注したPCやスマホ等の端末からOANDAのサーバーに到達するまでの通信による時間差で発生するスリッページ、もう一つはOANDAのサーバーに到達した後、システム内で約定するまでのスリッページ、つまり、約定の処理よりも早く価格が変動することにより発生するスリッページです。
前者は通信環境や物理的距離により、差が出る場合があります。例えば、OANDAの場合、日本国内からの注文であれば、NYサーバーよりも東京サーバーの方が物理的に近いこともあり、通信によるスリッページは基本的に少なくなります。
さらに、OANDAのサーバーと同一サーバー内にあるBeeksFXのVPSサーバー等を使用すると、自動売買の際の物理的距離を縮め、通信にかかる時間を軽減できます。
後者は、早い約定を実現するため、最大限の努力をしておりますが、相場状況や注文の集中状況により、注文の処理に時間がかかり、約定までにスリッページが発生することがあります。
例えば、市場の注目が集まる経済指標が発表となり、ドル円が140円から141円まで、つまり、100Pips程度一瞬で動いたような場合、140円から141円に入っていた指値、逆指値注文を一度に処理しなければなりません。さらに、成行注文も殺到、ロスカットも大量に発生することもあります。
他の銘柄でも同様に短時間に注文が集中する状況が発生するため、短期的にサーバーに負荷がかかり、注文処理が遅れる場合があります。
さらに、このような状況のときは、価格はミリセカンド（1/1000秒）単位の速さで価格が激しく動きを続けているため、スリッページが発生しやすくなります。
このスリッページは、そのときの相場状況により、有利な方向にスリップすることも、不利な方向にスリップすることもあります。
OANDAでは、東京サーバーのサーバーに到達してからの約定スピード、サーバー到達後のスリッページの発生状況を毎週公開しています。
このデータのように、東京サーバーでは、1ミリセカンド台で約定しているケースが多く、その後、500ミリ経過時には、ほとんどの注文の処理が完了しています。
スリッページの発生状況に関しては、注文の種類によって発生状況に差が出る傾向があります。
東京サーバーの場合は、指値注文（新規、決済）の場合は、指定した価格に到達、または有利な方向に超えたら成行注文になるため、性質上、指定した価格よりも有利な価格で約定（ポジティブスリッページ）が発生する割合が高くなっています。
反対に逆指値注文（新規、決済）の場合は、指定した価格に到達、または不利な方向に超えたら成行注文になるため、性質上、指定した価格よりも不利な価格で約定（ネガティブスリッページ）が発生する割合が高くなっています。
また、指値注文が入りやすい水準ということは、言い換えれば価格が進む方向に対して、反対の注文が入りやすい水準です。つまり、価格にブレーキがかかりやすい水準です。
これに対し、逆指値注文が入りやすい水準は、価格が進む方向に対して、同じ方向に向かう注文が入りやすい水準であるため、価格の動きが加速しやすい水準です。
このため、指値よりも逆指値の方がスリップ幅が少し大きくなる傾向があります。
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