FX初心者のためのテクニカル分析入門講座
FXにおけるテクニカル分析の概要
テクニカル分析は価格のデータを元に分析する方法で、FX市場で人気の分析方法です。
材料が多く、判断の難しいファンダメンタルズ分析を行うよりも価格という一つの情報にフォーカスすることで分析を手軽に行うことができるというメリットがあるほか、主要通貨であれば、株式市場よりも流動性が高く(市場参加者が多い)、市場参加者の心理状態が価格に反映されやすいという点が挙げられます。
テクニカル分析の前提
テクニカル分析では前提として、次の3つを掲げています。
この前提はテクニカル分析をスムーズに理解するために完結にテクニカル分析の考え方を完結にまとめたものですので、これからテクニカル分析を始めるという初心者の方は、最初にこの前提の考え方を理解しましょう。
1.市場の値動きはすべてを織り込む
これは市場の値動きというものは相場参加者すべての意向が反映されているという考え方です。FX市場の場合、各国の中央銀行の動向、政治、経済などの様々な状況を相場参加者が判断した結果、どのような取引をしたかの経緯が価格には反映されており、最終成果物である価格の動きを見ると、FX市場の状況を把握することができるというものです。
2.価格の動きはトレンドを形成する
これは価格の動きはランダムに動いているように見えるが、上昇トレンドや下落トレンド、横ばいの動きを繰り返していることが多いので、このトレンドがどのような状況であるかを考えるということがテクニカル分析を行う上では重要になってきます。
3.歴史は繰り返す
価格の動きは市場参加者の心理を反映しているものであり、過去にも幾度と同じような値動きのパターンが発生しており、今後も発生する可能性が高いという考え方です。人間の欲望に対する心理は時代が変わっても共通する部分が多く、今後もチャートには同じようなパターンが現れる可能性が高いため、テクニカル分析では過去に出現したパターンや新たなパターンを探していきます。
テクニカル分析はこれらの前提を踏まえて分析を行なっていきます。
ローソク足チャート
テクニカル分析を行う上で欠かせないものの一つに価格をグラフ表示したチャートがあります。
チャートには様々な種類がありますが、日本で一般的に使われているのはローソク足チャートと呼ばれるチャートです。
このローソク足チャートは江戸時代の米相場が起源と歴史のあるチャートで、海外でも「キャンドルスティック」の名称でよく使われるチャートの一つです。
このローソク足チャートは、ベテラントレーダーの中にはこのローソク足チャートの動きだけで相場の状況がわかるという人もいるくらい相場の状況を把握しやすいチャートです。
【ローソク足チャートの例】
四本値とは?
テクニカル分析について学ぶ前に四本値(始値・終値・高値・安値)という言葉の意味を理解しておく必要があります。
四本値とは一定期間の価格の動きのなかで発生する次の4つの価格の総称です。
テクニカル分析を行う上では幾度と出てくる用語であるため、最初のうちにしっかりと覚えておきましょう。
始値
始値とは一定期間の最初の価格です。1日で区切った場合は1日のはじめの価格です。FX取引の場合はニューヨーク市場が1日の区切りとなるので、ニューヨーク市場が閉まった(日本時間朝7時、米国夏時間は朝6時)後の最初の価格が始値となります。
終値
終値とは一定期間の最後の価格です。1日で区切った場合は1日の最後の価格です。FX取引の場合はニューヨーク市場が1日の区切りとなるので、ニューヨーク市場の最後の価格が終値となります。テクニカル分析では上下に動いた後の最終価格であるため、重視されることの多い価格です。
高値
高値とは一定期間の一番高い価格です。1日で区切った場合はその日の一番高い価格です。
安値
安値とは一定期間の一番安い価格です。1日で区切った場合はその日の一番安い価格です。
ローソク足チャートの基本的な見方
ローソク足チャートは指定した一定の期間の値動きを次の図のように四角(実体)と上下に伸びる線(ヒゲ)を用いて表示します。
実体の上下はその時間の始値と終値を示し、上下に伸びるヒゲの先端は高値と安値を示しています。
始値に対し、終値が上昇した場合のローソク足を陽線、下落した場合のローソク足を陰線と呼び、色を変えて表します。
陽線と陰線では実体が示す高値と安値の位置は図のように逆になります。
ちなみに1日の値動きを1本のローソク足に表示したものを日足チャート、1週間の値動きを1本のローソク足に表示したものを週足チャート、5分であれば5分足チャートというように「区切った時間+足+チャート」で呼ばれるのが一般的です。
ローソク足チャートを使った分析の基本はこちらをご覧ください。
トレンドとは?
テクニカル分析を行う上でトレンドという言葉はしばしば耳にします。 トレンドというのは日本語に直訳すると「流行」などが最初に出てきますが、ここでいうトレンドは「価格の方向性」を意味します。 価格の方向性が上向いているようであれば「上昇トレンド」、価格の方向性が下向きであれば「下降トレンド」となり、方向性が無い場合は「トレンドなし」の3つに分けることができます。
上昇トレンド
では、実際にどのような状態になったら、「上昇トレンド」と言えるのでしょうか?
相場は上下にスイングをしながら動いていくという修正があります。このため、チャートを見ると、価格の動きが山と谷を作りながら進んでいくような動きとなります。
トレンド(価格の方向性)を見る際の一つの目安は、この山(高値)と谷(安値)の水準に注目するという方法があります。
次の図のように高値を切り上げ、安値を切り上げるような動きが続いている場合は価格が上昇傾向(上昇トレンド)にあると言えます。
【上昇トレンドの例】
下落トレンド
下落トレンドの場合は上昇トレンドの逆の状態です。
つまり、下の図のように安値、高値を切り下げるような動きが続く状態です。
【下落トレンドの例】
トレンドなし
トレンドなしの場合は高値、安値の切り上げ、切り下げがバラバラになっており、上下いずれにも方向感が見出しにくい状況です。 実際のFX市場でもこのような状況になることは少なくありません。
このような状態は「トレンドなし」と判断することができます。
現在のトレンドがどのような状況かということをしっかりと把握することができると投資戦略を立てやすくなるので、テクニカル分析ではこのトレンドの状況を把握するために力を入れています。
【トレンドなしの例】
トレンドライン
トレンドの状況を確認するのに加え、トレンドの強弱を判断するためにチャート上にラインを引いて分析するという方法があります。
このラインをトレンドラインといいます。シンプルな方法であるため、多くのFXトレーダーがこのトレンドラインを使用して分析しています。
ラインの基本的な引き方は上昇トレンドの場合と下降トレンドの場合とで少し異なります。
ここでは一般的なトレンドラインの引き方をご案内いたします。
上昇トレンドの場合のラインの引き方
上昇トレンドの場合は安値を結ぶラインを引きます。このラインがサポートラインとなり、下落が食い止められるような動きが続くとそのラインの信頼度が増し、割り込むような動きとなるとトレンド転換の可能性が高まります。
【上昇トレンドの場合のトレンドラインの引き方の例】
下降トレンドの場合のラインの引き方
下降トレンドの場合は高値を結ぶラインを引きます。
上昇トレンドの場合同様にこのラインがレジスタンスとなった回数が多ければ多いほど信頼度が増し、ラインが破られた際はトレンドが転換する可能性が高まります。
【下降トレンドの場合のトレンドラインの引き方の例】
このようにトレンドラインはラインを引くだけの簡単な分析方法です。最初はラインをどのように引いて分析するかについて戸惑うこともあると思いますが、引いるうちに徐々に慣れてくると思います。
FX初心者の方はチャート上にたくさんラインを引いて、自分なりにトレンドラインの弾き方を研究してみるといいと思います。
フォーメーション分析とは?
フォーメーション分析とは過去に幾度と登場しているチャートの値動きのパターンです。
なぜ、そのような動きになるのかを考えながら各パターンを考えていくと相場の値動きの本質のようなものが見えてくると思います。
フォーメーション分析に関してはフォーメーション分析とは?のページをご覧ください。
【フォーメーション分析の一例・・・ヘッドアンドショルダー】
FXで人気のテクニカル指標(インジケーター)の使い方
テクニカル指標(インジケーター)とは、価格のデータを元に算出された数値などをチャート上に表示させて視覚的にも分析をしやすくしたツールです。 テクニカル指標の数は無数に存在しますが、その多くが移動平均線などのメジャーなものから派生したものであるため、まずは古くから使われている基本的なテクニカル指標の使い方を学びながら、使いやすいものを探っていくのがよいと思います。
ここでは人気のある7つのテクニカル指標の使い方をご案内します。
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