移動平均線とは?言葉の意味や期間設定、見方・使い方などを紹介
移動平均線とは?
FX(外国為替証拠金取引)/CFD(差金決済取引)には、様々なインジケーターが存在します。移動平均線もその中の一つであり、多くの投資家から人気があるインジケーターです。本記事では、これからFX/CFDを始める初心者の方向けに移動平均線について詳しく紹介します。
FX/CFDにおける移動平均線の意味
移動平均線は、英語で「Moving Average」と訳します。一定期間の終値を平均し、チャート上に曲線で描画するインジケーターです。
画像1/移動平均線のイメージ画像

画像1を見ていただくと、チャート上に曲線のみを表示したシンプルなインジケーターであることが分かります。そのことからもシンプルで使いやすく、多くの投資家から人気を集めているインジケーターです。
移動平均線の計算式
移動平均線の計算式はある一定期間をn日間として、n日間の終値を平均しチャート上に表示します。例えば50日間移動平均線であれば、過去50日間の終値を平均したものがチャート上に表示されます。
移動平均線の種類
移動平均線は歴史が古く、たくさんの研究が行われています。そのため一言で移動平均線と言っても、様々な種類が存在します。代表的な移動平均線は、以下の通りです。
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
それぞれについて詳しく紹介します。
単純移動平均線(SMA)
一般的に移動平均線というと、単純移動平均線を指します。英語で「Simple Moving Average:SMA」と訳します。一定期間の終値を平均化しただけの、単純な移動平均線です。シンプルで使いやすいという理由から使用している投資家も多く、大きな方向感を探る上では注目したい移動平均線です。
単純移動平均線(SMA)とは?計算方法や他の移動平均線との違いも紹介
指数平滑移動平均線(EMA)
指数平滑移動平均線は、英語で「Exponential Moving Average:EMA」と訳します。単純移動平均線よりも直近の価格に比重を置き算出されているので、相場の変化に素早く反応するという特徴があります。ただし反応が早いだけにダマシが発生するリスクも高いという点には注意が必要です。
加重移動平均線(WMA)
加重移動平均線は、英語で「Weighted Moving Average:WMA」と訳します。直近の価格に比重をかけて算出するので、指数平滑移動平均線と同様に価格に対し反応が早いという特徴があります。
加重移動平均線(WMA)とは?計算方法や単純移動平均線(SMA)との違い
それぞれの移動平均線をチャート上に表示したものを御覧ください。
画像2/移動平均線の比較

画像2では全て同じ50日期間の移動平均線を表示しています。同じ期間でもそれぞれの動きが異なります。どの移動平均線もそれぞれ一長一短であるので、性質を理解したうえで使うことが大切です。
移動平均線の見方
移動平均線は様々な見方から相場を分析することが可能です。ここでは、現在の位置・傾き・乖離率などの見方について詳しく紹介します。
移動平均線と価格の位置
移動平均線は一定期間の平均水準であるため、移動平均線と価格の位置によって相場を分析します。移動平均線よりも価格が上にあれば上昇基調、下にあれば下降基調と判断します。
画像3/移動平均線と価格の位置

移動平均線の傾き
移動平均線は、傾きによって相場を分析することが可能です。移動平均線が上向いている時は上昇基調、下を向いているときは下降基調と判断します。また傾きがない場合は、方向感がないレンジと判断します。
画像4/移動平均線の傾き

移動平均線の乖離率
移動平均線と価格がある程度乖離すると、価格が移動平均線に近づく傾向があります。近づくからといって反転するわけではありませんが、価格の勢いを探る上でどのくらい乖離しているのかを分析することは大切です。
画像5/移動平均線の乖離率

移動平均線の使い方
短期・中期・長期と期間を変更することで、様々な期間の移動平均線を表示することが可能です。ここでは、複数の移動平均線を表示させた使い方について紹介します。
ゴールデンクロス(買いサイン)
ゴールデンクロスとは、短期移動平均線が中期(長期)移動平均線を下から上に突き抜ける現象です。買いサインとなり、価格が上昇しやすいと判断できます。以下の画像を御覧ください。
画像6/ゴールデンクロス(買いサイン)

画像6ではゴールデンクロスの発生後、価格が上昇しています。ただしゴールデンクロスが発生しても、必ず価格が上昇するわけではありません。
移動平均線におけるゴールデンクロス・デッドクロスとは?言葉の意味やだましについて解説
デッドクロス(売りサイン)
デッドクロスとは短期移動平均線が中期(長期)移動平均線を上から下に突き抜ける現象です。売りサインとなり、価格が下落しやすいと判断できます。以下の画像を御覧ください。
画像7/デッドクロス(売りサイン)

画像7ではデッドクロスの発生後、価格が下落しています。ただしゴールデンクロスと同様にデッドクロスが発生しても、必ず価格が下落するわけではありません。
移動平均線におけるゴールデンクロス・デッドクロスとは?言葉の意味やだましについて解説
グランビルの法則
移動平均線には、グランビルの法則と呼ばれる理論があります。「ジョゼフ・E・グランビル」氏が考案したものであり、向きや乖離率から相場の方向性を分析します。ここでは詳しく解説しませんが、興味があるのであれば以下の記事を参考としてください。
移動平均線の期間設定
移動平均線は期間を自由に設定できます。そのためどの期間が良いのか分からない方も多いと思います。必ず機能する期間設定はありませんが、多くの投資家から使われている期間を設定することがポイントです。
なぜならば相場は投資家心理によって動くので、多くの投資家が使っている期間は機能しやすいといえます。具体的に言うと、短期・中期・長期の期間設定は以下の通りです。
- 短期移動平均線:5日・10日・14日・15日・20日・21日
- 中期移動平均線:50日・60日・75日
- 長期移動平均線:100日・200日
移動平均線の期間設定値は何が最適?MT4やMT5への設定方法も紹介
移動平均線を使う際の注意点
FX/CFDには、必ず成功する取引手法はありません。移動平均線も同様で「ダマシ」が発生する可能性もあります。ダマシとは売買サインと価格が逆行する現象です。以下の画像を御覧ください。
画像8/移動平均線のダマシ

画像8では移動平均線がゴールデンクロス・デッドクロスをして、方向感がないレンジ相場となっています。このようにレンジ相場の場合、売買サインが機能しない可能性もあります。
移動平均線と他のインジケーターを組み合わせた取引手法
移動平均線にはダマシが発生すると前述しました。しかし100%回避できるわけではありませんが、ダマシを対策する方法はあります。ここではダマシを回避する方法として、他のインジケーターを組み合わせた取引手法について紹介します。
移動平均線×RSI
移動平均線とRSIを組み合わせた取引手法について紹介します。以下の画像を御覧ください。
画像9/移動平均線×RSI

画像9ではRSIのダイバージェンス発生後、移動平均線がゴールデンクロスしたタイミングで買いの戦略を立てられます。このように他のインジケーターを組み合わせることで、より根拠のある取引が可能です。また2つの売買サインが出現しなければエントリーできないので、ダマシに合う確率を少なくできます。
移動平均線の設定方法
移動平均線をMT4/MT5、Tradingviewなどの取引プラットフォームに設定する方法を紹介します。
MT4(Meta Trader4)への設定方法
移動平均線をMT4へ設定する方法について紹介します。設定する手順は以下の通りです。
- 「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Moving Average」
画像10/移動平均線(MT4)

MT5(Meta Trader5)への設定方法
移動平均線をMT5へ設定する方法について紹介します。設定する手順は以下の通りです。
- 「挿入」→「インディケータ」→「トレンド系」→「Moving Average」
画像11/移動平均線(MT5)

Tradingview(トレーディング)への設定方法
移動平均線をTradingviewへ設定する方法について紹介します。設定する手順は以下の通りです。
- 「インジケーター」→検索窓に「SMA」と入力→「SMA(単純移動平均線)」
画像12/移動平均線(Tradingview)

指数平滑移動平均線を表示したい場合は「EMA」、加重移動平均線なら「WMA」と検索窓に入力し、それぞれを選択すれば表示できます。
移動平均線についてもっと学びたい方へのオススメコンテンツ

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